アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

テレワークで見えた「不都合な真実」

2020-06-03 06:00:00 | つれづれ

新型コロナウィルスは偉大だ。政府があれだけ騒いでもできなかった「働き方改革」をやってのけたのだから・・・とある人がつぶやいていた。

 

 昭和世代の小生、学生の頃にある先生が公務員で出世しようと思ったら「休まず さぼらず 働かず」だと教えてくれた。

 小生公務員にはなるつもりもなかったが、いわゆる大企業に入らせてもらって、感じたことは、勤務時間の長さがそのまま評価ということだった。

 

 朝早くから来て、夜遅くまでいることが成果であり、どれだけのタスクをこなしたかではなかった。逆に自分の仕事をこなして早く帰ると「やる気がない」とか、「協調性がない」という評価をされた。

 いいか悪いかは別にして、上司にどれだけ付き合うかとか、コミュニケーションを上手にとるかがポイントだと感じた。

 

 そして、以前から何度も書いているが、生産性には何の寄与もしていない会議や資料作りに血道をあげている人があまりに多いことも・・・

 夜なべすらして、精緻にきれいに仕上げた資料は会議で、ものの30秒で意味をなくすというシーンのなんと多かったことか・・・

 

 1時間の会議資料が100ページを超えた上に、その会議終了時に、「ご不要ならばこちらへ」とごみ箱を用意させられたこともあった。

 この会社は間違いなくつぶれる・・・とも思ったが、出世とかそんなものとは関係なく、現場が頑張って支えてくれていた。おかげさまで今でもいっちょ前の会社のようだ。

 

 そんな人たちにとって、今回のテレワークは「不都合な真実」をあぶりだしてくれた。図らずも、6月に入りまた満員電車が復活しているようだ。

 その中のおそらく半分の人は、本当はいらない人たちだし、残った人たちも長時間勤務の美徳のせいで、よけいな勤務時間を過ごしている。

 

 こちらの記事も参考にしていただこう。ついでにこちらの記事も・・・いろんな観点から、今回のテレワークを評価してみると、なかなか見えてくるものがあるはずだ。

 多くの人が言う「私の仕事はテレワークは無理」という人、直接生産に携わっていないのなら、それはかなりの場合、紙と印鑑が業務のベースにあるからで、さらに言えば日本の法律がそれを縛っているケースが多い

 

 国会や官庁がテレワークを阻害している一番の原因という見方もできる。先日エストニアの事例で元力士の把瑠都が国会議員をやっていることが紹介されていた。

 彼によれば、エストニアではオンラインで国会ができるという。日本のような猿芝居のような仕事しているふりは必要ないのだ。

 

 話を変えよう・・・新入社員のとき、飲み屋で隣の席にいた別会社の人が言っていたことも忘れられない。上司が部下に話していたのは「いいか、通勤時間というのは、給料の出ない残業時間だ」と。けだし名言だ。

 テレワークにより、会社を往復する時間がなくなり、かつ会社に来て何もしていない人をあぶりだしてくれた・・・まさに新型コロナ様々である

 

 逆に旦那が家にいることで、家庭不和になり、コロナ離婚になるケースもよく聞く。これまた持論だが、「日本という国は、男が長時間外で働き(もしくは働いたふりをし)、女性が家事をすることが美徳」という姿で構築されている。年金やら扶養控除やら・・・

 だから、男性が家にいることは想定外の姿なのだ。

 

 日本の企業の労働生産性の低さは特筆レベルであるが、多くの日本人が「一生懸命やっている」と自分では思っているはず・・・しかもサービス残業ということを考慮すれば、日本の本当の生産性はさらに下がるはず。

 だが、都心に大きなオフィスを構え、通勤手当を払い、会社にいるだけに等しい人たちをたくさん雇用することの馬鹿らしさに多くの企業が気付いたのではないか。

 

 人手不足が叫ばれて久しいが、本当の意味で生産(利益)に携わる人が足りないのであって、丸の内や新宿などには余剰人員が転がっている・・・

 野良リーマンが世の中に普通にいる時代はそこまで来ている・・・


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2 コメント

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価値観の激変期には必ずトリガーが在った (大石良雄)
2020-06-04 08:16:19
拝啓 お師匠様にはよろしくお願いいたします。
お師匠様と同世代の自分がなにより感じますのは、実は「AI /IT=pc&スマフォ周辺のハードや環境」等の進歩により変わった部分も在るが、、「一番変わらなくてはならない部分=各自各々の頭の中身はほとんど変わっていない」と言う事。何か共通事項として「工場内部生産設備の高度化、車検システム機の導入、ノー判子」等の表面的な上っ面だけの改革?ばかりに血道を揚げ銭金を使い、如何にも最先端を装うふりをしているだけ」と言うのが日本の様です。本来であれば「そもそも人間がやるべき行為をシステム化により排除すれば余計な人数と手間暇を減らせ、その余剰人数を他業務に回せる」と言うはずが、そうでは無くなっているしその余裕も無い。此処で本当に求められるのは「経営首脳陣の頭の中身のすげ替えであり、発想のシステム化」なのではないのでしょうか?  此処で日本のどうしようもない現実は「世代間格差(発想の点で)=ジェネレーションギャップが余りにも大きく、その調整が大変難しい事」ですね。我々の世代はとにかく仕事が忙しかったし年中無休24時間体制での仕事なんてぇ誰でもやっていたし当然でした。もちろんそれだけの価値が在る場合とそうでは無い場合も当然ありましたねしかし、ひとつはっきりしていたのは「各自各々の住み分け=仕事したい奴は勝手にやり仕事したく無い奴らは遊んでいた=お互いに了解し双方邪魔をしなかったし外部の余計なおせっかいも無かった、、、、此処に「如何にも人間を大切にする?かの大嘘をこいて余計な干渉をしてきたのが政治」です。此処からどうも「如何にも働く事が悪である」様な誤解や曲解、更には異常な休日の多さや時短ばかりが強調され、現在身動きがとれなくなっている状態です。お師匠様や世界のデータが証明する「日本人の異常な生産性の低さ」は実は、こういう事の積み重ねから来る慢性疾患の様なものと思われます。根本的な治療は、日本人全員の頭の中身のすげ替え手術しか無いのではないでしょうか、、、
これらの「似非疑似AI&ITシステム化」なんてぇ大嘘が、現在世を騒がす「未知の新型細菌の発症により、あぶりだされただけ」ってぇのが正直な姿でしょうね。
では何か対策があるのか?、、、、正直もう遅すぎてどうにもなならないってぇのが自分の感想です。
おそらくこのままですと、日本は遠からず「世界とは別の、かなり違った道=独自ルートなのか? 新鎖国主義による東洋の3流小国として細々生き残るか? しか無い」と。まぁ、、、それでもよろしいのではないかなぁ? とふと思う今日この頃なのですが、お師匠様やご訪問の皆様の率直なご意見などをぜひお伺いさせて下さい。
敬具
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いつもながらの鋭い視点 ()
2020-06-04 11:35:24
大石様
いつもありがとうございます。いつもながらの鋭い視点と考察にはあっぱれ! です。

 特に、「一番変わらなくてはならない部分=各自各々の頭の中身はほとんど変わっていない」と言う事~此処で本当に求められるのは「経営首脳陣の頭の中身のすげ替えであり、発想のシステム化」なのではないのでしょうか? の部分には、激しく同意申し上げます。

 ノーハンコといいつつも、しっかり紙は残していたり、結局のところ屋上屋を重ねるだけだったりしている実態の多くは、ご指摘の通り経営の頭の中身が変わっていないことがベースなのかと。
 たまたま、今日見ていたワイドショーで、日本人とアメリカ人の発想の違いを感じるシーンがありましたが、改めて日本人という人種は、「物事を変えることに、極端に抵抗する人種」であり、現行のシステムから事務に至るまですべてを守ることから発想がスタートするということを認識しました。

 IT化が本格的になったころ、ドッグイヤーなんて言葉が流行りましたが、当時インターネットを職場に推進する立場の部署におりました。そのころ、経営サイドにインターネットをベースにした事務やお客様の手続きのインターフェイスの改革を提案しましたが、「インターネットなんてものは、絶対にこの国には定着しないし、わが社の顧客には不要だ」という一言で葬り去られました。その部署も、数年で廃止になりました。

 もちろん、遅ればせながらこの国も少しずつ進んでいるのでしょうが、依然として日本がこの分野では後進国であることを認識しない、いやしたくない人たち(その多くの人が経営者などの高齢者)が仕切っている限り、世界のはずれの三流国になることは逃れられないような気がします。

 すでに能力ある若者は、この国を飛び出しているのが実状ですから。
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