アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

古墳の話2 平城天皇陵

2005-08-31 11:24:36 | 薀蓄
前回、継体天皇陵の話について書いたところ、ある読者から指摘をいただいた。記事の中で、平城天皇陵が平城京造営に当たって一部壊されたというが、平城天皇は、平安時代の人物であり、その人物の墓が平城京造営で壊されるのはありえないというのだ。というところで薀蓄シリーズ続編。

 まさに、ご指摘のとおり、平城天皇は後世の人物。だが平城天皇陵が削られ、前方後円墳の前方を失い、円墳になっているのも事実
 では、これはどういうことなのか。つまり、「平城天皇陵と呼ばれている古墳に葬られている人は、平城天皇ではなく、奈良時代以前の人物だ」ということである。

 前の記事にも書いたとおり、古墳とその陵墓の比定(あてはめ)は、江戸時代の歴史学者蒲生君平の「山陵志」という本によってまとめられている。
 よって、この平城天皇の陵墓のように明らかな間違いもたくさんあり、では本当の平城天皇陵は?といわれてもわかっていないのが実態なのである。

 ただ、宮内庁はここを陵墓としている以上、よほどのことがない限り変更しない(過去明治時代に一例だけ)し、学術調査も認めない。
 世界最大の古墳として名高い仁徳天皇陵にしても、「大山陵」と呼ばれている古墳があり、記紀の記述からみて、ここであろうと思われるという比定なのである。

 もっとも、最近の調査で、宮内庁が公開した出土品等から、ほぼ確定したようだ。このことにより、仁徳天皇の先代応神天皇陵の古墳も確定したといえるだろう。
 というのは、応神天皇陵と仁徳天皇陵の円墳部分のサイズは一致しており、応神陵の前方部分のサイズを延長したのが仁徳陵だからである。

 つまり、応神陵の設計図を基に作っていることがわかっているからである。理屈をこねたが、古墳に関しては結局、この程度のことしかわかっていないのだ。
 おもしろいのは、ヤマトタケルのように実在が?の人物の古墳が複数あり、かつ宮内庁がそれぞれを陵墓参考地としている点である。

 逆にいえば、そこに眠っている人は誰?ってなもので、落語の「お見立て」みたいに、違う人の墓にお参りするのはトホホなんであるが…
 調子に乗ってきたので、次回は宮内庁が陵墓の変更を認めた唯一の事例などを紹介しよう。
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4 コメント

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なるほど。。。 (雪ダル)
2005-08-31 20:32:19
なるほど、メモメモ(笑



古墳って、柵がしてあって、扉には、鍵がついていますよね。

柵を見ると、あ~ぁ、確かに宮内庁管理だわ~と思います。

壁画とか、ないのでしょうか。

あったら、保存のためにも、学術調査をしないと、記帳な財産を失うようで。。。
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もしお墓が全部前方後円墳だったら (松田聖菜子★彡(まつだみなこ))
2005-09-01 01:42:44
>桂さま



 表題の件ですが、日本で亡くなった人の数を合わせていくと、すべてのお墓が前方後円墳だったらすでに日本は墓だらけになっているわけですが、お墓もコンパクトになっているので、食う寝る遊ぶところがあるわけね。



み>逆にいえば、そこに眠っている人は誰?ってなもので、落語の「お見立て」みたいに、違う人の墓にお参りするのはトホホなんであるが…



 墓石にはっきり文字が彫られるようになったのはいつのころからなんでしょうか??

 みなこパパの実家の墓には、いつの墓なのかわからない石碑もあったりします。位牌に戒名が書かれている人数よりも墓のほうが多い・・・ってことは一体どなたなの??先祖には間違いないんですが。



>雪ダルさま



>壁画とか、ないのでしょうか。

>あったら、保存のためにも、学術調査をしないと、記帳な財産を失うようで。。。



 目立つところの古墳は盗掘されて目ぼしいものはなかったりしてね。あまりにもなにもないので学術調査もさせないのかも

 
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やっぱりこれは (すぽっと)
2005-09-02 02:38:04
夜中に忍び込んで掘り起こして。。。いや、一晩じゃ無理そうだから、どこかの銀行強盗のように近所の地下から地道に掘っていって。。。



。。。何を言ってんだか。。。



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この手の話 ()
2005-09-02 06:48:10
小生としては盛り上がりが嬉しいばかり。

盗掘の話までくるとは・・・



感謝です。近々第三段いきます。
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