桜田温泉は、「スマートで素朴でオシャレで美味しい」お宿である。この記事に挑発されて宿泊された方には、きっとこのニュアンスが伝わると思う。
今回もチェックインの時には若旦那が対応してくれた。彼の対応は洗練されたスマートなもので手続きもスムーズだ。
そして何色あるのかわからないくらいにたくさんのカラーから手ぬぐいを選べる。ガーゼ地の使いやすいもので、他のお客さまとの区別もつき、いい工夫だ。
お部屋に案内してくれたのが大女将。いかにも伊豆の女将という素朴な風情で、いい意味で人懐っこい。
お部屋はシンプルだが、帯の工夫や室内の調度品などはちょっとセンスを感じるもので、清潔感も高い。また部屋ごとに佇まいが違うのも嬉しいところだ。
館内も全体に明るく、その一方で伊豆の伝統的ななまこ壁をあしらうなど、モダンと伝統のミックスがオシャレだ。
前稿で紹介した温泉をさます工夫をはじめ、食事の際のプレートやお皿などは大旦那の手作りというこだわりが感じられる。
そしてお宿の前には有機農法の田んぼがあり、アイガモがせっせと働いてくれている。こちらで自家精米もしているお米は、個人的な評価では貝掛温泉のそれに勝るとも劣らないもので、今回も別途購入した。もちろん、この美味しいご飯は食事で食べられる。
その食事は地産にこだわり、肉はなく新鮮な魚介と野菜中心のもの。キンメの煮付けは、タレがしっかりとしみこんだ素晴らしいもの。
食事処の卓上には、おしゃれな器やディスプレイもあり、シンプルにしてモダンな印象。肝心の食事は、美味しいだけでなく器も素敵で、目でも楽しめる。
その一方で大女将は刺身の説明に困らないようにと、カンペを持ってくるという素朴な佇まい。
そして若女将はこうした演出や器などを差配するプロデューサー的な立場で、元CAのキャリアを持つ、スマートな美人若女将だ。
その彼女が、見つけてきたサシミソービニオンという白ワインはその名の通り、刺身などおさかなに合うオーストラリアワイン。
彼女はソムリエでもあり、ワインだけでなく日本酒もセレクトしてくれる。
こちらのお宿にきて、ここがちょっとなあ・・・と思う点は記憶にない。それだけ隙がないのだ。翌朝の食事も魚中心で適量と感じたが、松崎名物の桜葉をねりこんだクッキーはコーヒーに合う。
大女将が、ロビーにコーヒーは用意してありますが、こちら(食事処)に持ち込んでもいいですし、クッキーをロビーに持って行ってもいいですし、全てお部屋でもいいですよと。
大女将には似つかわしくない(失礼)、スマートな説明だったりする。
今回は、お米を買ったため、チェックアウト後の荷物が多かった。すると若女将が、車までお荷物お持ちしますと・・・
すべてに渡って素敵なおもてなしに、大満足して帰路についた。
またいつか・・・ではなく、次はいつにしようか・・・そう思うお宿である。
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