一連の不倫騒動で民進党を離党し、今回の衆院選で当選を果たした山尾志桜里に関して、選管への抗議や問い合わせが殺到しているという。
その内容は、「1万票を超える無効票は異常」「陰謀では」「警察に通報した」とネット上で炎上しているというもの。
「当選は不正」と見出しで断じるウェブメディアも現れたという・・・そこまでくると尋常ではないが、冷静に考えてみよう。
独裁国家などならともかくとして、無所属のしかも野党系の候補者に不正をさせる力があるだろうか・・・あるとするなら、それこそすごいぞ。
にもかかわらず、ツイッターなどで「怪しい」「対立候補の有効票を不当に無効化したのでは」など再集計を求める意見が次々に登場したというに至っては・・・そこに日本社会の特性というかいやらしさを感じる。
ひとことで言うと「俺が当選するわけないと思っているのにそうでないのはおかしい」という発想だが、その昔田中角栄がメチャクチャ叩かれても選挙では圧勝していたときに、そんなことは誰も言わなかった。
さらにいえば、記事にあるようにこれが女性だからという要素もあるだろう。
現にわずか50票差で当落が分かれた新潟3区についてもそんな声があってもおかしくないのだが、こちらではそんな話はとんと聞かない。
どちらも与党候補が負けたという点では同じなのだが・・・
小生も知らなかったが、記事によれば無効票は「異常に多かった」というレベルではない様子。といっても反山尾派には説得力ないのだろうが・・・
ついでにいえば、今回文春の記者が当選挨拶のときに、彼女が結婚指輪をしていないことについて質問したことが話題になった。
山尾氏のみびいきというのでなく、これには憤りを覚える。これが男性候補だったら、同じ質問をするだろうか。仮に離婚していたとしても選挙結果に問題があるだろうか。
噺家的価値観を持つ小生からすれば、犯罪はともかくとして、個人でのことについて公務について、ていたらくでなければあれこれ言われる筋合いはないはずだ。
話がとぶが、以前なでしこジャパンが世界一になって帰国してきたときに、記者たちから「結婚しても選手を続けますか」とかいう侮辱的な質問に腹が立ったことを思い出した。
たとえば香川選手とか長友選手に「結婚しても選手を続けますか」なんて質問をするだろうか。この質問の異常さに気が付かないのが日本人という異常な人種なのだ。
不倫の事実(山尾氏は否定しているが)があったして、それは褒められるものではないし、仕事に差し障るなら問題だ。
だが、本業がしっかりしていれば文句を言われる筋合いはないし、そのことで支持者に迷惑をかけているのだろうか。逆にいえば、それが地元での評価や選挙結果につながったということだろう。中には愛知七区の選挙民は異常とか言う向きもあるようだが、しつこくいえば、これが与党候補者だったら同じ論調になったのだろうか。
誤解の無いように言うが、小生不倫を肯定するわけでもないし、山尾氏だから言っているわけでもない。
女性活躍とかなんとか言っているが、依然として腹の中で「女たるもの」という価値観でくくってしまう日本人の男尊社会の嫌らしさに腹を立ててしまう小生である。
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