右往左往の乳がんの日々

2012年7月乳がん告知。怒涛の術前化学療法・手術・放射線のフルコース治療終了。それでも、小さなことで揺らぎます~

がん研究最前線

2013-03-28 15:07:01 | 公開講座
早春の暖かさに誘われて、
出かけてまいりました観光客に人気のこの地方の大学キャンパス…
“Boys, Be Ambitious”「少年よ、大志を抱け」って、
あのフレーズで知られている博士がいたところ。


その大学で春休み特別企画として
【がん研究最前線】の講演とトークセッションが開講。

来年春この大学で陽子線治療が始まることとなり、
この施設は全国で10番目だそう。
従来の装置よりコンパクトになっていることが評価され、
USAの大学も同型機を受注したそう。

『日本のHメーカー、がんばってますね』
最近、韓国のメーカーに押されまくっていることを
目の当たりにしているんで、
こういう話はうれしいね~

基調講演で、既存の放射線治療(X線・電子線)から
陽子線治療の違いとかを説明。
そして、この大学では動体追跡+陽子線治療が組み合わされ、
臓器の動きに合わせつつ、なお且つスポットスキャン技術で
がんに合わせて照射し、周辺の正常組織をできるだけ
保護することが可能となっている。

ただし、小児腫瘍についてはH26年度から
保険適応の方向になっているが、
ほかの腫瘍については先進医療で患者負担。
治療全体を陽子線治療した場合は、200-280万円、
X線治療との組み合わせだと、保険医療+20-100万円。

トークセッションでは、
臨床医ではなく、がん研究をされている二人の教授の講演。
ひとりは、病理医。病理判断は最終的には人の目で。
遠隔地で病理医がいない場合は、手術で取られた細胞を
顕微鏡で遠隔操作して、判断した結果を連絡する。
なんて、ビデオを見せてくれる。

もう一人の先生は、正常細胞ががん細胞を認識しているか?
そして、最終的に正常細胞ががん細胞を攻撃できるか?
そして、正常細胞ががん細胞を絞殺したり、
ツンツン突ついて追い出してしまうような
実際の画像を見せてくれる。
これは、特殊な免疫細胞ではなくって、
正常細胞ってところが味噌みたいです。

いろんな研究室で、さまざまなテーマを持って
日夜取り組んでいてくれるんですよね。

最後にまとめられて言葉は、
昨日できなかった治療も、
明日になったらできるかもしれない、
それほどに研究は進んでいる。

だから、あきらめずに明日を生きよう


ポプラ並木はまだまだ、雪の中…
夏に来なくちゃね~


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リンパ浮腫の理解に向けた市民講座

2013-03-25 15:54:11 | 公開講座
【転ばぬ先の杖】でありますなぁ~

「腋窩リンパ節郭清」もやりい~のの、
「放射線治療」もやり~いのので
リンパ浮腫の可能性は、
入院中、理学療法士にも言われ、
放射線医にも言われ…


日常の注意点
*重たいものはできる限り持たない、
バックや買い物袋を肘にかけてもたない
*時計や指輪は、術側の腕のほうにはつけない
*日焼けをしない、虫にさされない
*きつい衣服や下着、袖口をゴムで縛るような衣服は着ない
*腕を長時間、一定の姿勢をとることは避ける
*過労、肥満

⇒術側の手が赤く晴れる、熱を持つ、痛むなどがある場合は
 マッサージを注意して、医療機関を受診しましょう。
⇒肩の動きが良好でも、術後3カ月を超えるまで、
 意識して肩の運動の継続をお勧めします。

とあるのだけどサ、
どうもリンパ浮腫がわからんなぁ~と思っていたところ、
その講演があり、聴講してまいりました。
2人の講師によるお話。

以下、聞き逃しや聞き間違いもある可能性がありそう!

浮腫みの原因
 ・長期にわたる浮腫み←主に病気が原因
 ・一過性の浮腫み←疲労、運動不足など

 ・一次性
  原因がわからない←遺伝子レベルでの問題か?
  全国で病院にかかっているのが3,595人、ただし全体数は不明。
 ・二次性
  がん治療に伴うリンパ節の切除
  (3年以内3%乳がん、15%婦人科がんで発症)
  放射線治療、リンパ管炎
  寄生虫感染(フィラリア)、外傷
  慢性静脈不全によるもの
  推定10~15万人
  ⇒原因は違うが、症状は同じ。

リンパ液
 ・リンパ液は筋肉の収縮などによってリンパ管が圧迫されることで循環。
  そのため、運動不足の人はリンパの循環が滞りがちになる。
 ・鎖骨に、全身を流れたリンパ液が最後に心臓に戻る前に集まる。
  いちばん汚れたリンパ液が流れ込むところ。
  慢性的な肩こり・首のこりの原因のほとんどは
  ここの滞りにあるといわれている。

リンパ浮腫の症状
 ・リンパ管の輸送異常
 ・水分(組織液、リンパ液)貯留
  むくみ、だるさ、疲労感など
 ・たんぱく質の処理能力
  線維化、皮膚に厚みが出るなど
 ・そのほかの皮膚変化
  角化、色調変化、脂肪がつきやすくなる、多毛など
 ・免疫機能の低下
 ・細菌類の処理能力
  炎症、蜂窩織炎など

リンパ浮腫の病期
 ・0期
  潜在期 自覚症状はなく、むくみが認められない状態
 ・I期
  むくみがあるが、押すと容易にくぼみができる状態。
 ・II期(早期:晩期)
  むくんだ部分を指で押しても、なかなかくぼみが出来ない状態。
 ・III期
  むくんだ部分を押しても、くぼみはできない。組織の線維化や硬化
  ⇒疾患、発症を未然に防ぐ。早期発見→早期診断→早期治療が重要
  ⇒I期の患者は平均1~2年、早ければ3カ月で診断。7~8割が自覚。
   II期の場合は、診断時期は様々。

道内のリンパ浮腫の実態
 ・医療サイドの「リンパ浮腫は治療法がない」という固定観念
  →少しずつ理解
 ・道内でのリンパ浮腫治療、約10年
 ・不十分な診療体制、治療側のマンパワー不足

リンパ浮腫患者の実態調査から
 ・後遺症のケア、情報提供の欠如への不満
 ・患者会、メディアなどから不足情報を補充
 ・治療を受けた病院での治療やセルフケアの指導を要望
 ・治療によって引き起こされた疾患であるにもかかわらず、
  保険適用やケアが未整備であることへの不満


リンパ浮腫の認識度が上がるにつれて、
重症のリンパ浮腫の写真を見ることで
必要以上の恐怖感を感じたり、
自分もいずれはと思って不安感を持つ患者さんも
いらっしゃるとか…
正しくケアしていれば、そうなることはないと
認識する必要があるとのこと。

で、
スキンケア(清潔にそして保湿)
お風呂で自分の身体をチェック:前腕内側、後腋窩部、二の腕
患肢挙上、炎症予防
に気をつけるということで…

実際にかかると
複合的理学療法で治療を受けることになるそうで、
早め早めの対処が肝心


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ワーキング・サバイバーズ・フォーラム

2013-02-11 21:27:34 | 公開講座
世の中、3連休・・・
その最終日にでかけたのは、
「ワーキングサバイバーズフォーラム~がんと仕事」
いつも聴講するのは市民公開講座が多く、
フォーラムというタイトルが気になったものの、
「がんと仕事」という内容に興味があって、
出かけることにした。

I 基調講演「がん体験者の就労・雇用支援に関する取り組み」
講師は、がん体験をもつ社会労務士として、がん経験者の就労・経済問題に取り組む女性。
がんになっても皆が幸せに働くことができる社会作りをビジョンとした一般社団法人に属する。

就労状況と職場環境の現実
 *がん罹患後、半数以上が「勤務先が変更」
 *理解ある対応を受けていない人が多い

働く世代のがん
 *がん患者の3人に1人は働く世代(20~64歳)
 *長く付き合っていくがん
 *社会や課程での大きな役割
 *社会や企業における損失
 *働くことの意味
 ⇒社会全体で取り組んでいかなければいけない課題

彼女たちがとき組んでいる3つの支援
 1.場づくり→相談できる・話せる・共有する場
   サバイバーシップ・ラウンジ、無料電話相談
 2.ツールづくり→情報発信、学び
   企業・がん経験者・支援者の学びのためのハンドブック
 3.人づくり→人材育成、支援スキル向上
   就労相談支援スキルアップセミナー、企業向けセミナー

第2次がん対策推進基本計画
 新重点課題→働く世代や小児へのがん対策の充実
 *職場でのがんの正しい知識の普及 
 *治療と職業生活の両立を支援するための仕組みについての検討
 (医療従事者、産業医、事業者などとの情報共有、連携
 *事業者による、働きながらがん患者及び家族が治療できる環境の整備
 *職場や採用選考時にがん患者・経験者が差別を受けない配慮

来年度からがん患者が就労についての問題を
相談支援センターに相談すると
必要に応じて、社会労務士や産業カウンセラー等と連携して
支援に当たるということ・・・であるそうだが

II リレートーク「がんになっても働き続けるための環境づくり」
2つのがん患者会、医療関係者、そして行政と4名の方からのお話。

がん患者会の方から、患者さんたちが悩んでいることとして
1.会社に何をどこまで話していいかわからない
 ←すべて話して解雇の可能性があるのでは?
2.後遺症、治療の継続、再発の不安を理解してもらえない

III 情報交換会 軽食と飲み物つきの立食式


参加された方は、医療関係者、企業、行政関係者、そして患者会で活動されている方が
多かったように思う。すでにお互いに顔見知りの方々が多く、ちょっと居心地悪し・・・
2-3人の方とちょっとお話して、サンドイッチをぱくついて、そそくさと退散

就労の支援を後押ししてくれる活動を見ることができたのは良かったんだけど、
自分がどうしたいのかまだはっきりしていない私としては
もう少し、時間が必要かな


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講演「放射線治療のこれまで・これから」

2013-02-10 16:34:59 | 公開講座
昨日に書いた市民公開講座「がんについて学ぶ」。
講演が4回あって、そのうちの一つが「放射線治療のこれまで・これから」
講師は、国立大学大学院の放射線治療医学分野の特任准教授。
一講演の時間が25分だから、駆け足講演。

漏れや聞き間違いがあるかもということで、ご留意あれ!

以下が講演内容:

歴史
1895年11月 レントゲン博士、X線発見
1896年2月 Emil Gnebbeが再発乳がん患者に対して治療を行う
1951年   コバルト遠隔照射装置の完成
1966年  島津製作所 国内 リモート・アフター・ローディング腔内照射装置ラストロン制作
1967年  ガンマナイフ Lars Leksellが頭部専用の定位放射線手術装置開発
1970年代  医療用直線加速装置(リニアック)普及
1999年   強度変調放射線治療(IMRT)開発 先進医療として承認
2008年  IMRT保険適用
2011年  ディスポーザブル・ゴールドマーカー開発

放射線治療適応率
米国:66% ドイツ:60% 英国:56% 日本:27.6%
日本にて放射線治療の普及が他の国と比べて低いのは
*日本は唯一の被爆国
*がん患者の放射線の誤解
*高額な設備投資が必要
 CT 数千万
 MRI 1億
 リニアック 国産機で2億、ただしもう生産はないため(?)、外国製を使用、一台4-5億
*放射線腫瘍医・医学物理士の不足 
 →放射線腫瘍医が多い地域ほど、治療適応率が高い
 
リニアック
*リニア・アクセラレータ(linear accelerator:直線加速器)の略称
*1970年代から現在の代表的治療装置
*照射口部のマルチリーフコリメータ(MLC)による腫瘍の形に合わせた原体照射法
 →10年ほど前まで、健常組織への照射を鉛で遮断していたものを、
  MLCの金属板(リーフ)によって、がん組織あわせた照射野を形成する。

強度変調放射線治療(IMRT)
*IMRTではマルチリーフコリメータを照射中に移動させる→放射線の強弱
*放射線の強度を変化させて、複数の方向から計画された放射線量を患部に照射可能に。
*副作用を最小限に抑えることができる
*アメリカではIMRT治療75%、国内2%以下

動態追跡照射
*金の球(マーカー)を挿入し、マーカーの位置から定位照射を行う
*患者の体が微妙に動く、呼吸の止め方でがんが狙った位置からずれる恐れを克服する
⇒2011年「新動体追跡システム」を開発

陽子線治療
*がん組織が深部にあってもその後ろ側には照射されず、ぴたっと止まる
*身体への負担が少ない
*子供に対して使用すべき
*6cmを超える大型腫瘍に効果
*高額治療であり、保険適用外
*施設の建設に莫大な費用がかかる
⇒2014年3月に講師の大学に小型化された陽子線治療施設オープン
「動体追跡照射技術」と「スポットスキャニング照射技術」を融合したもののよう。



何だか、聞いていても何のこちゃって感じで、書き留めるのが精一杯
かなり、休んでいた脳を使わせていただきましたワ
ただ、他の先進国に比べて、国内では放射線治療が少なくって、
遅れている感がよく分かる。

放射線治療といっても、十把一絡げにはできないこと、よ~く分かりました。
帰ってから、ネットで調べてみるも
情報としてはてんこ盛りあって、
講師の方の言っていた歴史以外にも、もちろんもっと細かくあったし、
「強度変調放射線治療(IMRT)」もどこまで保険適用なのか、
前立腺や頭頸部などの領域で臨床利用されているが
乳がんの場合は、最新治療になるとかならないとか・・・

医療関係者の方々が、可能な最高の治療を施してくださっていると信じて
横になって、静かに照射うけるっきゃないんだね

それとネットで分かったことなんだけど、
第二次大戦中にドイツのUボート阻止のレーダー技術開発のために、
リニアックに使われているマグネトロン(?)やクライストロン(?)の開発が始まった・・・らしい。

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垣添忠生先生の特別講演を聴いて

2012-12-09 19:32:13 | 公開講座
今年最後の講演会聴講、「緩和医療患者のQOL推進講習会」

医療従事関係者をを対象としていた講習会だったものが、
今年は一般の方にも公開したということで、聴講できたものだった。


垣添忠生先生による特別講演「人が生き、死ぬこと」
前国立がんセンター名誉総長、(財)日本対がん協会会長、(財)がん研究振興財団理事。
著書多数。
ご自身、2度のがんを経験し、
また、最愛の奥様をがんで失い、
その喪失感から半年間~1年間「死ねないから生きる」という状態に陥るが、
自ら体を鍛え、山登り・居合いに取り組み、立ち直る。

肩書きがすごくって、硬い内容の講演かと思いきや、
『挨拶や乾杯が仕事の中心』なんちゃった冗談も言ったり、
時折、プライベートな写真を披露したりと、
メリハリのある内容の講演だった。

今も、奥様のことを好き好きでしょうがないんだなぁという
印象の受ける可愛いらしい先生だった。

「人の生死とその多様性」
患者さんの身体の異常に対する反応は、天と地ほどの違いがある。
自分のがんにどう立ち向かうか、これもまた大きな違いがある。
どう病気を向き合うかは、その患者さんの人生観、死生観、価値観、
家族構成、社会的立場などによって、
一人ひとりの思いや目標が違ってくる。
そして、『人間の強さ、弱さをすべて包摂して医療はある』と先生の言葉。

「妻を看取る日」
三度のがんを罹患した奥様を在宅で亡くす。
約一年半の闘病生活、配偶者を亡くしたその喪失感、
そこからの再生を記録した著書の内容の紹介。
遺族からのたくさんの反響からも、
残された遺族のサポート、グリーフ・ケアの必要性を掲げる。

「がんと人生」
40年間のがん臨床家、がん患者、がん患者の家族・遺族の立場を経験。
そして、20年もの間、がん行政や政治とも関わってきているとのこと。

今は、予防ワクチンやたばこ対策などのがんの予防、
そしてがん早期発見するためのがん検診を50%をアップするための活動。
また、残された遺族へのサポート、グリーフ・ケアの定着へ
関わっていきたいということだった。
そして、がん経験者を特別視しない社会、
がん経験者ががんとなる以前と同じような生活を
気負いなく営める社会になるよう、
医療の一層の充実に貢献したいと言葉を終えた。

垣添先生、これからもがん患者、そしてその家族のために
まだまだ、活躍してくださいね。

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