そこで、このプーリーを買ってみました。
DURA-ACEのプーリーです。
突然ですが、自転車の駆動系における回転体はクランク、ホイール、プーリーがあります。
これらの回転数はというと、時速33km/h、ケイデンス88、クランク歯数50、プーリー歯数11、ホイール周長2200mmと仮定すれば、
クランク : 88rpm
ホイール : 250rpm
プーリー : 400rpm
となります。
回転体の滑らかさという話になるとホイールのハブばかりが注目されがちですが、回転数の高いプーリーもバカにならないはず。
それにプーリーの交換ならホイールより断然安いし!(←こっちが本音)
で、DURA-ACEのプーリーはULTEGRAと違ってベアリングが入っており、回転が良いと聞きました。
そんなわけで、このプーリーを買った次第。
今回は手を出さなかったのですがサードパーティ製のプーリーというのもありまして、
セラミックベアリングを使っている物、歯数を増やして回転数を落とすことで抵抗を減らしてる物などいろいろです。
代表格は海外のトッププロに愛好者が多いというBERNERのだと思いますが、値段がちょっと・・・
流石にこれには手が出せませんでした。
またシマノのガイドプーリーは変速性能を上げるために左右に可動域があります。センタロン機構と言うらしいですが。
サードパーティのものにはこれが無いですから、速度が上がったとしても変速の滑らかさと引き換えになりかねません。
高い金を出した挙句にそれでは意味が無い。そんなこんなで純正品になったわけです。
早速取り付けてみたのですが、作業中の写真を撮り忘れたのでいきなり装着後の写真になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/78/5f80fc19af55331bb38bf1a71ee77306.jpg)
うむ、何が変わったのか全くわかりません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/82/eaa814a9ba844e531b7e3a24a39d9b4e.jpg)
よーく見るとDURA-ACEの刻印があります。見えますかね?
このプーリー、実は交換したのは3ヶ月以上前です。
そしてプーリーが変わっていることに気づいた人は今まで1人もいません。まあ普通気づかんわな、こんなの。
では実際に使ってみてどうだったか。
まずプーリーを取り付けてホイールを浮かせた状態でペダルを回すと、確かに軽いです。だがしかし。
これなら結構効果あるんじゃね?とワクワクしていざ走ると全く差が感じられませんでした。なんでや!
これについて、ちょっとばかし検証してみたいと思います。
ホイール空転時と、実際に走行したときの抵抗を式で表すと、
ホイール空転時の抵抗(A) = クランクの回転損失(B) + チェーンの損失(C) + プーリーの回転損失(D) + ホイールの回転損失(E)
走行時の抵抗(Z) = ホイール空転時の抵抗(A) + 空気抵抗(F) + タイヤの転がり抵抗(G)
走行時の抵抗(Z) = ホイール空転時の抵抗(A) + 空気抵抗(F) + タイヤの転がり抵抗(G)
抜けてる項目があるかもですが、まあ概ねこんな感じだと思います。
ホイール空転では差が感じられたわけですから、ホイール空転時の抵抗(A)に対してプーリーの回転損失(D)は
それなりに大きい割合を占めていることになります。にもかかわらず漕いでみると判らないということは、
走行時の抵抗(Z)に対してホイール空転時の抵抗(A)が占める割合が非常に小さいと考えてよいでしょう。
数式で表現すればこうかな。
ホイール空転時の抵抗(A) <<<<越えられない壁<<<< 空気抵抗(F) + タイヤの転がり抵抗(G)
結論として、空気抵抗等に比べプーリーの回転損失など微々たる物であり、これをいくら減らしたところで実際の走行においては誤差程度。
そういうことになりそうです。
DURA-ACEのプーリーは3000円以下で買える物ですから、このように効果がわずかであっても「まあいいか」で済むでしょう。
しかし何万円もする高級品となると費用対効果という点で厳しいものがあり、買うには相当の覚悟をする必要がありそうです。
プロであれば少しでも前に出るためにコスト度外視で何でもするでしょうし、特にTTにおいてはわずかな効果でも見逃せませんから
高価なプーリーをつける意味は大ありなのでしょうけど。
あとは見た目でしょうか。サードパーティ製のプーリーはデカかったりカラフルだったりで見てて楽しいです。
この点、DURA-ACEは完璧に失格ですね。