白血球には、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、マクロファージ、リンパ球があります。
白血球は身体のあちこちにおり、体のどこかで異物が侵入してくるとその部位の細胞や、先発した白血球から応援要請の物質(サイトカインと言います)が放出されます。
サイトカインは血流に乗り、前進の白血球に動員命令をかけ隠れていた白血球が血液中に出てきて、炎症を起こしている場所に向かいます。 これが炎症を起こしているときに白血球が増加する理由です。
それとは異なり、ステロイドを使用すると白血球数が上がりますが、これは以下の理由からです。
ステロイドの白血球への薬効としては、免疫反応に関わる好酸球・好塩基球・リンパ球を減少させます。しかし好中球(赤血球もです)を増加させます。
好中球数の増加のほうが、リンパ球などの減少より総白血球数への影響がはるかに大きいため、結果として総白血球数は増加します。ですからステロイドを使用した場合、白血球数が増加します。
1、好中球増加について 好中球には 骨髄プール>末梢血プール(循環と辺縁)>組織プールがあるとされ、副腎皮質ステロイドは末梢血の辺縁プールから組織プールへの移行を抑制する結果、(循環+辺縁)の末梢血プールが増加するとされています。 アドレナリン等の投与時における、辺縁>循環へのシフト(短時間 で一過性)と異なり、増加には長時間を要します。
2、好酸球減少 ステロイドは好酸球の末梢血<->組織の移行という点からは、組織への抑留効果があるとされています。その結果、好酸球数が減少する結果になります。
3、リンパ球減少 ステロイドのリンパ球破壊機序によるとされています。 ステロイドは単球やTリンパ球にアポトーシス(細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死)を誘導することが報告されています。
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