翡翠庵閑話

野鳥が好きな、閑人の独り言と日常の見聞録。少し遅れてUPする場合が多いですが、内容と日付は、合うようにしています。

北川民次 展 (名古屋市美術館)

2024年09月04日 | 美術(その他展覧会含む)

 少し涼しくなったら行こう、と思っているうちに会期が迫ってきました。今年の暑さはかってない異常なものだなどと嘆きつつ、意を決してタイトルの展覧会を見に行って来ました。美術館に入る前に振り向いて見た、市科学館のプラネタリウムと美術館へのアプローチ。これも久々の光景です。

 北川民次は、戦前メキシコで修行し民衆とともに活躍した画家、というのが私の記憶です。最初の方の展示作品はそんな雰囲気のものが多かった様です。パンフもそんなイメージを思わせます。

 写真は、ほとんどの作品でOKでしたが、大作を少しだけ撮らさせてもらいました。

 戦前の作品はメキシコのモチーフが多かったですが、帰国してからは一時奥さんのふる里、瀬戸にアトリエをかまえた時に画いた瀬戸物の産地の風景も沢山ありました。

 上はパンフの表紙にもなっている、トラルハム農園のお祭り。当美術館の所蔵のもので展示室に入って直ぐの目立つところに展示されていた大作です。

 下はモザイクタイルの壁画の原画。見た瞬間、あっ憶えがあるという作品でした。(画面にバックの映り込みがあります。緑の非常灯 他)

「芸術と平和」名古屋CBC会館

 会社勤め2年目の頃から10年間位 近くのビルにいました。外で昼食をした時に、本屋をのぞき近くを散歩するという時に見かけました。現役の壁画で、今も下の様に同会館の東側歩道から見えるはずです。若い頃はそんなに絵画に興味が無かったので、忘れ掛けていました。今考えると私のいた会社より先に建っていて、界隈で昔のまま60年以上同じ外観を保ってい建物は、もう片手で足りるくらいの数しか残って無いと思います。私の勤めて居た所もその一つで何となく親しみを感じました。(若干の耐震対策と内装は変わっていると思いますが、外観はほとんど変わらず昔のまま!)

 次の壁画も名古屋にあったものです。私の勤めていたところからはちょっと離れていたので残念ながら見ていません。

名古屋旧カゴメビル TOMATO

 近年建替えられて、現在はその一部が常滑市にあるINAXライブミュージアムに寄贈されたそうです。TOMATOの原産地はメキシコという事で、彼にぴったりの作品だと思います。

 下はこのTOMATOの壁画の一部で、署名代わりにはめ込んだバッタの部分です。(原画には画いてありません)私の近くで見ていた人が「彼はバッタが好きでよく画いていたんですよね!」と感激して私に話しかけながらカメラに収めていました。これが見られてよほど嬉しかったようです。

 見終わってから、常設展もちょっとのぞいてみました。モディリアーニのあの首の長い少女像にも久し振りに会ってきました。


さくら ももこ展 (松坂屋美術館)

2024年07月24日 | 美術(その他展覧会含む)

 暑い日が続いていて、またまた会期間近になってしまいましたが、家内も行ってみたいというのでやっと重い腰を上げて行って来ました。

 「ちびまる子ちゃん」が代表作の漫画家さんの原画を主とした展覧会でした。

 印刷になる前の原画は実寸より大きいとはいえ、細かな展示品ばかりで全部熱心には見切れませんでした。

 一部写真OKのコーナーがありましたので撮ってきました。原稿用紙は、超特大に拡大 漫画の原画は印刷原稿のまま という展示の仕方で、かなりのボリュームがある展覧会でした。


第46回 日本新工芸展 (松坂屋美術館)

2024年06月11日 | 美術(その他展覧会含む)

 タイトルの展覧会を見て来ました。会期の短い展覧会なので早めに行って来ました、と言っても会期半ば・・・。ここでの展覧会の後、各地を回るようです。

 陶芸が多いのでいつもの美術館とは違う雰囲気です。

 壁面のものは、染色が多くありました。明るい雰囲気のものが多かった様でした。

 この展覧会に七宝でカワセミをデフォルメした作品を出される方がいますが、今回も色合い的にはその雰囲気ですが、尾羽がカワセミとはちょっと違っているので別の鳥(ヤマドリ?)の様でした。鳳凰の様な感じもしますが作品名(碧の響)からだけでは分かりませんでした。


木村光宏日本画展 我行画想、喜々想描 (古川美術館、同分館)

2024年05月14日 | 美術(その他展覧会含む)

 古川美術館へタイトルの展覧会を見に行って来ました。木村光宏氏はこの地方を代表する日本画家です。

 本館では大きな作品が中心で、主にこの地方の風景を題材にしたものが展示されていました。氏の作品の軌跡を追うように展示されていました。

 分館では、部屋に合うように少し小さめの花や風景を画いた作品が展示されていました。


第79回 春の院展 (松坂屋美術館)

2024年04月17日 | 美術(その他展覧会含む)

 毎年恒例の「春の院展」を、松坂屋美術館へ見に行って来ました。

 今回も写真OKでしたので、自分の記憶に残しておきたい作品を、スマホで撮らせていただきました。(傾き、額のカット等の修正をスマホの機能でしております。照明の写り込み等は無理なのでそのままです。説明は、作品名・作者・私の印象 の順です。)

(1)

(1)夜桜 松村公嗣  かがり火の夜桜はちょっと幽玄な感じがします。

(2)

(2)鶴舞う 下田義寛  太陽と丹頂が画かれていますので、日本を象徴するポスターにそのまま使えそうです。

(3)

(3)運河 田淵俊夫  ヨーロッパの街の中を流れる運河の様です。

(4) (5)

(4)彩日和 手塚雄二 鳥の名前は分かりませんが、木の実が色づいていますし葉も紅葉しているようなので秋口に見られる鳥だと思います。

(5)想 河本真理 カルガモ親子が可愛く画かれていました。茂みの中に朝顔が咲いていますので、初夏でしょうか。

(6) (7)

(6)Antinomie 玉井伸弥 カラスとサギ科の鳥の様ですが、図鑑では分かりませんでした。題名は、反対向きというような意味だと思います。

(7)黄金色 中神敬子 ニワトリの親子のようです。手前は中ヒナ?でしょうか。最近熱田神宮境内でこんな真っ黒なニワトリがいます。

(8)  (9)

(8)ガフの部屋 大矢亮  スズメが沢山(20羽以上)画かれています。イタリアか何処かヨーロッパの古民家?の雰囲気です。

(9)射る 岸本浩希  初め何が画いてあるか分かりませんでしたが、よく見るとカワセミが水中で魚を捕った瞬間です。カワセミはよく画かれますが、水中でしかも餌を採った瞬間を画かれた作品は初めてです。写真ではよく題材になりますが。

(10) (11)

(10)Jasper 齋藤晴香 帰宅してからJasperの意味を調べてみましたが、碧玉という色が混ざった宝石のことのようで、この鳥(インコと思われます)にその宝石のような印象を感じた事から付けた題名ではないかと思います。 

(11)垣にはふ 手塚華 ちょっと凝った垣根にぴったり這うように延びたツタのような植物のようです。最近似たようなシーンを新堀川で見ました。川筋のコンクリート堤で、こんな風雅な景色ではありませんでしたが。

(12) 

(12)霜降の頃 川地ふじ子 日本画の題材としては面白いと思いました。

(13) (14)

(13)寒禽図 井上厚 古木か岩棚の上でオオタカと思われる猛禽が獲物を捕らえて食べている所で、下にはむしった羽が落ちています。オオタカが今まさに餌を食べようとしているシーンを画いたものは初めて見ました。(14)は上の方のアップです。

 今回も鳥を題材にしたものが多く出品されており、何となく探鳥に行った気分で帰ってきました。


おいしい たのしい なつかしい 展 他 (古川美術館、分館)

2024年04月11日 | 美術(その他展覧会含む)

 同館の所蔵品から、タイトルに相応しい作品を選んだ展覧会に行って来ました。今まで見た覚えがある作品がほとんどです。分かりやすいタイトルで分類してあるので、再会が楽しめた展覧会でした。

 分館では、「Sceneryー景色とつながる4つのメソッド」と題して、かってここの主であった為三郎氏へのオマージュともなるそれぞれの表現で、景色、Sceneryをつむぎだしていました。(パンフの表現を借用)私にはちょっと難しい作品が多かったです。


新・山本二三展 (松坂屋美術館)

2024年04月01日 | 美術(その他展覧会含む)

 多分、アニメ映画のファンならば良くご存じの方だと思います。私は、題名を聞けばTVで見たことがある映画かな?というレベルです。でも、パンフを見ると、原画をぜひ見てみたいという衝動にかられて行って来ました。

 初めの解説で、五島列島に生まれて、大垣で高校時代を過ごしたという事が紹介してあり、身近でこんな人が育ったんだと思いました。建築の勉強をしたことが、遠近の表現に生かされているのかなと思いました。しかし、2023年8月に70歳でお亡くなりになっているのが残念です。

 サイズは思ったより小さくて、A4かA3位でした。しかし細部まで細かく、まるで写真のようにきれいに画かれた絵(イラストと云うべきか)でした。映画になった時のことを考えてここまで表現できるのはすごいことだと思います。近年アニメ映画の製作法もデジタル化しているらしいのですが、背景はやっぱりこうした細部まで表現された原画が要るのだろうと思いますが、どうなっていくのでしょうか?

 帰りのバス停で待っているとき前を見ると、大通りの常緑樹の木々が鬱蒼と茂っているのに気づきました。今見て来た背景画には及びませんが、都会の中にも幽玄を一瞬感じさせてくれるときがあります。森の中の舟形の金属製のものは、市が戦災復興事業を終えた記念のモニュメントです。


西田俊英 展 (松坂屋美術館)

2024年02月26日 | 美術(その他展覧会含む)

 まだ未完成、完成後は70mの超大作になるという評判の展覧会を見て来ました。

 超大作の題名は、不死鳥。会場のほぼ半分が同作品の展示に使われています。今回は第1章から第2章までの展示ですが、延長40m。完成後は6章になり総延長は70mとなるようです。屋久島へこもって画かれた作品、パンフはその部分、部分を切り取ったものです。大きな部分の目の前に立つと、画かれた森の中に吸い込まれそうな雰囲気を感じました。

 残り半分のスペースは、同氏の過去の作品が展示されていました。


富士の粋 美人画の雅 (古川美術館)

2024年02月14日 | 美術(その他展覧会含む)

 今年初めての古川美術館訪問です。

 例年、同館の年の初めの展覧会は、富士山などおめでたいとされる題材を集めていますが、今回も例年どおりでした。これでお正月終わった気持ちです。

 副題にあるとおり、別館(為三郎記念館)の創建90周年と言うことで、為三郎氏が別館で楽しんだであろう作品から「和のこころ」を感じるものを集めてあるようです。

 別館では、メイゲイノコウゲイと題して、名古屋工芸大学の学生さんの作品展がありました。将来、名を成すであろう現代の若い人たちなので、老人の私には?というものもありました。今後の活躍を祈りたいと思います。


ミュシャ展(松坂屋美術館)

2024年01月19日 | 美術(その他展覧会含む)

 表題の展覧会へ行って来ました。

 内容は、チェコのチマル家が3代に亘って収集したコレクションのようですが、今回の副題、マルチ・アーティストの先駆者 とあるように、多方面に才能を発揮したミュシャの軌跡を新たにみることが出来ました。

 写真もOKでしたので、会場風景を少し撮らさせてもらいました。

 彼の出世作、サラベルナールから頼まれて制作されたジスモンダ他のポスター、ちょっと一服用の椅子もあってゆっくり見られました。

 自身の作品をちょっと小さくして額に入れ個人が家に飾れるようにしたもの。商才もあったのかなと思います。

 作品をモチーフにしたお菓子のパッケージの数々。今ではよく見かける物ですが、こんなのも先駆けとなった様です。

 展覧会を見終わって帰りのバス停で見たTVタワー。僅かに雲がありますが、晴天で飛行機雲とおぼしき雲が、出来たばかりのもの、時間が経って崩れ出しているものなど何本も浮かんでいました。今日はあの辺りが飛行経路となっているようです。

 同館では、同じ名前の展覧会が数年前にあって見に行った記憶があります。自分のブログを遡ってみたりNetを検索してみたりしたら、2017年12月23日~2018年2月18日の会期で開催されていました。私は2018年1月20日に訪れていました。前回はチェコとの国交回復60年を記念して、同国出身であるミュシャの展覧会が各地で開かれておりその一つでした。

 あの時、後になって彼の最大の作品である「スラブ叙事詩」全20点が新国立美術館のみで開催されたていたのを知りました。機会がなく行けなかったのが残念な記憶として残っています。大きすぎて他の館では展示できなかったようで、国内の巡回展はなかったようです。その前10年くらいは娘の出ていたテーマパークへ年に数回出かけ、そのついでに東京や近郊の美術館巡りなどを楽しんだものですが、その機会が無くなってチャンスを逸したのでした。