神々の宴に招かれなかった争いの女神エリスは、宴の席に金のリンゴを投げ入れた。そのリンゴには、「最も美しい女神に」と書かれてた。そのリンゴをめぐり、ゼウスの妻ヘラ、知恵の女神アテナ、愛の女神アフロディーテの三美神が競った。その美人コンテストの審判をトロヤの王子パリスが命じられて、ヘラは最高の権力を、アテナは最高の知恵を、アフロディーテは最高の美女を与えると約束したが、パリスはアフロディーテに金のリンゴを差し出した。最高の美女とはスパルタ王妃ヘレネで、彼女をパリスが奪ったことから、木馬で有名なトロヤ戦争が始まる。
ギリシア神話は、人間の心理を実によく表している。
今まで仲良く飲んでいたのに、「一番美しいのは誰?」なんて言葉を聞いてしまうと、「私こそ」とか「あの人よりは」という気持ちがわき起こってくる。
これが、脳=男の働きであり、二元論であり(白黒はっきりつける)、「不二草紙」のいう「モノのコト化」である。(煩悩とも言う)
言葉とは、かように恐ろしいものである。
もともと灰色(グレーゾーン)のものに「白黒はっきりつける」。
いいことのようだけれど、実は無理がある。
今まで書いてきたこともそう。
例えば、「結婚して子供がいるのが基本」と書いてしまえば、それ以外はダメなのかととらえられる恐れがある。
書くのが面倒だったり、わざと書かなかったり、書く力がなかったり。
ニュアンスまでは、なかなか伝えられない。
1.基本以外は認めない=原理主義
2.基本はあるが、例外もOK
3.基本はそうだけれど、例外の権利を認めろ
4.基本なんてない。何でもいいじゃないか
正解は2。
例えば同性愛。今は、3~4にいっちゃっている。
これらは「本能」の話。後の2つ、「倫理」と「その他」とをしっかり分けなければならない。
1.本能
生と性に関すること。つまり、食と性。基本はあるが、例外もOK。
2.倫理
殺人や盗み、嘘など、人としてやってはいけないこと。世界共通。例外なし。
3.その他
政治、宗教、経済、文化、学校の文化祭の出し物、会社の飲み会の場所、等々。
これは何でもいい。ある集団が納得して行えばいい。ダメだったら変える。
だから、学校の文化祭と政治は同じレベル。実は結婚や人生もそう。
理想の異性とか、失敗しない人生、合格の近道なんて考えてるからダメ。
これらのことが案外区別されてないから、訳わかんなくなったり、レトリックにだまされてしまう。
話を元に戻すと、言葉で固定化されたものをほぐしたり、とらえきれないものを表現するのが、「芸術」の力。
バカボンのパパは、「反対の賛成の反対は賛成なのだ」 「これでいいのだ」と言った。
同じことを仏陀は、「空」と表現した。
やっぱり、「陰毛論」でよかったんだ。「枯れ尾花」が混じってグレーゾーンに。画像はご勘弁を。