◆魚座は、冬の夕方の南の空に現れる星座で、2匹の魚がリボンで結ばれた姿をしています。リボンの結び目の星アル・リスカ(結び目)は肉眼で見ると1つの星ですが、実は2つの星が720年の周期でお互いの回りを回っています。この双子のような星を「連星」と呼びます。星空の星の半分以上がこの連星の仲間です。この星を右にたどると西の魚、上にたどると北の魚になります。この星座は暗い星ばかりですが、秋の四辺形を目印に、大きなLの字をさがすと見つけられます。魚座は、春分の日に太陽がここに来て昼と夜の長さが同じになるので、天文学上重要な星座とされています。
◆ギリシア神話によると、愛の女神アプロディテ(ビーナス)とその息子エロス(キューピッド)が川岸を散歩していると、百の頭を持ち、口から火を吹く怪物テュホンがあらわれました。驚いた2人は近くの川に飛び込み、魚に変身して逃げ去ります。そして、逃げる時にはぐれてしまわないように、お互いの体をリボンで結びました。その時の2匹の魚が天に上げられて魚座になりました。