ウィキペディア「マカロン」2008年7月27日のKazunoli mulataによる投稿は、このWebページの作成者村田和範によるものです。
~パリ風マカロンと地方のマカロンのルーツ~
マカロンの原型はアーモンドと蜂蜜などの糖分を練り混ぜたマジパンです。
現在でもマジパンを丸めて焼いただけのマカロンがフランス各地で製造されています。
又多くの焼き菓子のベースにもなりました
マジパンは紀元800年頃イスラムのアラブ人が中東からレシピをシチリアに伝えられたとされています。
そうして10世紀頃にイタリアに伝わり、その後スペイン、ポルトガルまでの南ヨーロッパに伝わりました。
イタリアはそれから18世紀までのあいだオーストリアの支配~ナポレオンの支配にいたるまで
幾度と無くフランス、ノルマン、スペイン他の支配が続きました。
その間一般人の相互の交流によりマカロン(カロリーが高く保存性に優れしかも美味しいマジパンは旅のお供に最適です。)
がヨーロッパ全土に広まったのでしょう。
16世紀にアンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ドゥ・メディチももちろんマカロンのようなものを
持ち込んだでしょうが、
13世紀にはすでにサンテミリオンのマカロン・クラックレやアミアンのマジパンタイプのマカロン
が作られており、
更にはロワール地方のコルムリー修道院では紀元791年から製造が始まっていると
資料にはあるのです。これはイスラムがシチリアに伝えたときよりも早い時期なのです。
現在でもそれらのマカロンは作られ続けておりフランスだけでもその種類は30種類近くに及び
最も有名なご当地マカロンであるナンシーのスールマカロンは18世紀からの製造です。
これは上記のサンテミリオンやイタリアのアマレッティ、マカロン・オランデーズ他を含む
マカロンク・ラックレ(ひび割れたマカロン)の系列で生地に熱を加えて作るのが特徴です。
現在世界中に広がっているラデュレタイプのもとになっていると考えられます。ラデュレタイプの
製法もメレンゲを加える前のアーモンド生地に熱いシロップを加えるなどして温めるのが特徴です。
ラデュレはパリで1862年に創業したパン菓子店です。パリ風マカロンは創業者ルイ・エルネ・ラデュレさんの孫、ピエール・デスフォンテアンさんが20世紀初め、二枚のマカロンでガナッシュクリームをサンドする
アイデアを考えたのが始まりだそうです。
ですからパリ風マカロンはナンシーやサンテミリオンのマカロン、アマレッティ等の影響を受けつつ
ラデュレさんの孫のピエールさんが独自に考案したものでしょう。(17世紀に生きたマリーアントワネット
が食べたマカロンはパリ風ではなくアマレッティかマカロン・クラックレあたりだと言えそうですね。)
尚、マカロンの語源はギリシャ語からできたイタリア地方の方言マッケローネ(繊細な生地の意味)を
フランス語読みしたものだとされており同じ語源はマカロニが有名です。
以上のことから名前がおなじマカロンでも、すべてが人の家系図のように割り切れるものではなく
そこにはマカロン製作者の熱い思いから来るインスピレーションや発明、集合意識による伝播
等も考慮に入れなくてはならないでしょう。
アーモンドの歴史や特徴も参考にしてください
◎
マカロンの歴史、語源とマコロンの関係
宮城テレビサービス制作部の志子田守喜さんからフランス修道院のマカロン製作取材の申し込みがあり、
以前から把握したいな~と思っていたマカロンの歴史を
簡単ではあるけれどまとめることができましたし上記にまとめ切れなかった
多くの気付きもえられました。
又700年も前のマカロンを作る機会に恵まれましたことを嬉しくおもいます。
この出会いに心から感謝をしたいと思います。志子田さんありがとうございます。