ファサードリニューアルから2年

2016-09-16 | ファサード
ファサードを新しくして2年が過ぎて
良い具合に寂れてきたけれど



遠い目的があって何百年も
寂れない部分も作ってある。
それは

いつだったか?
誰からだったか?
人は亡くなってから
30年の時を経て
前世の記憶を消して生まれ変わるという
話を聞いた。

拙い僕でも
生まれ変れるのなら
そして
また君たちと
2000年も繰り返して
一緒にやりなおせるなら

少しは気がすむのかもしれないと思って。。。
何年もの永きにわたって
劣化する心配がない
陶磁器タイルに
シンボルマークを焼き付けて
壁画にしたの。。。



記憶がなくても
何かでこの絵をみて
懐かしいとか
好きだという
フィーリング湧いてくれば
またここで逢えるでしょう。

そしてまた
皆んなで続の人生を始められるでしょう。

でもね
2年前は良いアイディアだと思ったのだけれど
もうそういう事には満足している自分がいて
だからこれは自分じゃない他の誰かのために
作ったんだろか?ともう一度自分に問いかけたら

何をするでもなくとも
どこかの時に
一緒にいたい人たちと
再会する為の目印だった事に気付いたよ⭐️

そんな気持ちの人がやってるお店
世の中に一軒くらいあってもいいでしょう。

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ファサード新装 イメージを形に!

2014-12-18 | ファサード

ファサード新装
イメージを形に!創造のプロセス

今振り返って日付を見れば
2014年の3月20日
これからブティックのために沢山のデザインを起こそうとしているときに
ふと閃いたアイディアを、なにげなく息抜きに描きとめたスケッチから始まったファサード全面改装プロジェクト

フランスのファサードは伝統的なデザインの場合
腰板窓枠ともに木材を使うことが多いのですが
繊細な細い線で軽くありながらも強さを秘めていることが見る者に伝わるように
下部は木窓枠は鉄という組み合わせで夢想。


教会など敬虔さと懐かしさを連想させる曲線と十字架を随所に埋め込む


色をのせてみる、この世界観わかるかな?この時点ではまだ
ただのいたずら書きにすぎず、実際に形になるとは思っていなかったので
かえってそれが自由なデザインにつながるのです。
通常の設計屋に頼めばある程度作り手の視点がはいってしまうでしょうから。

今年はこの件とは別に
建物自体を
築26年二度目のメンテナンスがありました。
本来であれば2011年に予定していた
外壁改修工事が震災で流れ
余震などのことも考えて
しばらく見送り
3年たった今年、もうよいだろうと
5月28から1ヶ月かけて
実行しました。



震災とその後の余震でひび割れた部分も含め
経年劣化の塗装面や屋上防水
主要な部屋へのエアコン追加
古い暖房機の入れ替えなど
全面的に大がかりな工事です。



完成!新築のような出来上がりです。が
一階部分は津波の塩水などによる腐食部分や揺れで
崩れたコンクリート部分もあり
26年連れ添った店舗の外装をすべて外して
いうなれば外科と美容整形手術を同時に行う決断をしました。

そんなことを心に決めた僕のために
忘れもしない4月8日場所はRistorante da LUIGIhttp://luigi.exblog.jp/
友人である調香師LaFamilleMouthonhttp://lafamille.exblog.jp/
Yuka Takahashiの
計らいによっての食事会で天才空間デザイナ尾形夫妻と出会い意気投合。
※二店ともに尾形が施工

飲んで食べて実際話こんで、、、納得
そしてその夜、文子夫人が持っていた木製の手の込んだバックを見てその
作りこみの激しさとセンスに驚いていると
なんとそれも尾形が夫人のために作ったという。。。。

彼らならあの作りこんだデザインを形にできるだろうと確信に至ったわけです。

それでその場でイラストを見せて仕事を依頼したわけです。
あの夜の食事会の出会いによって
いたずらに描いたスケッチが本格的なプロジェクトに育ってゆくことになりました。


OGATA.Inc→http://www.ogata-japan.com/

尾形は全国的に人気のデザイナーなので
まとまった予定が思うようにとれずに
通常8月に取る弊社夏休みを9月にずらしての工事
9月8日から始まりました。


既存のアルミサッシを完全に解体
中にショーケースなどを置いたままの改装なので埃が入らない様に養生も丁寧です。


看板やテントの骨組みなどはだいぶぼろぼろに錆びていましたが
化粧板を外すとこんな見えないところも錆で浸食がはげしいことにビックリ
この機会に工事ができてよかったです。



長年夢に描いていた
鉄の細く美しいサッシが溶接されてゆきます。

鉄製品はすべて
清浄な泉ヶ岳の森の中にあるOGATAのアトリエで
専属のアイアン職人の手によって作られます


木製パーツ、見ているだけでうれしくなります。


いよいよガラスが入ります。


ガラスの押さえ部分は日本ではもうすたれた技法ですが
昔ながらのガラスパテという粘土状のもので止めてゆきます。
50年とか100年前の雰囲気が出ます。


パテの白と鉄のブラウン
この工法により
細く繊細でありながら強さを秘めた
線が出来上がります。


繊細な扉の取り付けはOGATAの佐藤工場長自ら作業をします。




サッシ取り付け完了
既製品ではありえないオーラを纏っております

写真ではわかりませんが、実物はピシッとした直線ではなく
手作りの揺らぎのある、ほっとする感じで
ガラスは紫外線カット飛散防止シートが貼ってあって
そのため透明度が落ちて表面も微細な波があるので
このレトロなフレームにぴったしです。

OGATAオリジナルの真鍮製取っ手も実用的で雰囲気にピッタリです


そしていよいよ看板の文字
BRUCEという字体↓をパッケージなどに使っているのだけど
この字体の雰囲気でできますか?という注文に
やってみますと尾形君


しばらくして出来上がってきた文字を見て驚きました
あの字体をちゃんと立体で表現しているではないですか!


凄いです!
スタッフ総出でヤスリをかけて角度をつけてから
金箔を貼って
墨を入れてクリヤーでコーティングです
凄く手間をかけてイメージを優先。

右側から、正面から、左からと見る角度によって表情が変わります
そしてちょうど実際の太陽の登る位置に対応して金箔と墨面が塗り分けられています!
ゴールドと黒なのにいやらしさがなく味がにじみ出ている
この文字には本当に感激しました!


感激で思わずOGATAのOとMULATAのMで記念撮影!
尾形君とはここら辺まで一緒に仕事をしてきたあたりで
何度も以心伝心
こうして欲しいという前に思意をくみ取った提案をしてくれるように
なってきて
この天性の共感力が彼の特筆すべき才能というものであり
後に記憶に残る出会いとか縁というものは
こういうものなのかもしれないと思ったのです。


ワナワナ来るほどかっこいいです!高級になりすぎない
品というより芯がある感じ。
この文字の技法は何度見ても本当に素敵だな~と思っています。


もともとあった外回りのタイルも取り払い
新たに黒い天然石タイルを張りましたが
これも相性が良い色ですね!


そしていよいよテント
国内メーカーに気に入るものがなかったため
イタリアのテントを選びましたが
ありそうでない色、実際に着けてみると
良い感じで、何気なく選んだこの色が大きな
チャームポイントになっているように思います。



9月8日から16日まで
天候に恵まれた9日間の夏休みを使い
明日17日から営業できる状態に出来上がりました。

この九日間は僕もずっと現場に張り付いて作業を見ていて
毎日がドラマチックで色々なことが沢山あって
こには書ききれないのですが。。
後に語り草になる様な 思い出に残る
光に包まれているような日々を過ごすことができて
何をするよりも充実した最高のバカンスになりました!

この時点で比べてみると、いたずらスケッチ画のとおりにできてますね!



そして17日の営業再開日に
進行中だった新しいユニフォームも完成
このワークもYuka Takahashiのコーディネイトで出会った
仙台のデザイナー会田さんとのコラボ。
沢山の打ち合わせと試着期間を経て会田さんのアトリエで手作りしていただいたものです。

会田さんのアトリエ kyu →http://www7b.biglobe.ne.jp/~kyu/


ユニフォームとはいえ女性の服のデザインに口出しするのは
ちょっと自信が。。。。。でしたが
スタッフにも気に入ってもらえてほっとしました。


さあ!ここからはスケッチにない店舗左側と追加の工事
デザイナーの尾形君と話し合い描きあい
キャッチボールをしながら作ってゆく工事です。

アイアン製のサインが形になってゆく流れです。


はじめは落書きからスタートですが、これは却下

色々思案して
そのころ実用化した
ブティック用のラベルを展開してみることにする。



↑上のブティックで使っているラベルを下のように絞ったらと頭の中で考える。
これはこれで後に使えるデザインですね

時間がなかったので浮かんだイメージを下のような簡単なスケッチで尾形君に渡す。
※上の画像は後日作成したものです。



尾形君からは蔦のハンガーと金属のタッセル付きで図面をいただく。

綺麗なデザイン、金属のタッセルのアイディアは流石だな~と感心。
眺めていると輪郭がマカロンぽいので
やはり看板にするなら看板商品が良い!だろうと思いなおす。
もともとそういう意味でしょうから看板商品って


自然との調和した造形をしたいので
関数曲線を用いすべてが緩やかな楕円の集合体になるように意識してみる。


マカロンでイメージを描く



重ね合わせて調整

一般的なアイアンよりも有機的なデザインを意識して
蔦ハンガー部分は根元を太く先ににいくほど細くデザイン
タッセルは菓子屋らしく卵のタッセルに


色をのせてみる

このデザインを尾形君に見てもらうと
このマカロンどう見ても立体に見えるよね
立体で作ろうよと言い出す。



そして材質等の打ち合わせを行い
木とFRPと鉄、真鍮で作ることに決定。
まさか立体のサインになるとは思いませんでした。。。



数日後OGATAのアトリエでは
工場長の佐藤氏が、うちの本物のマカロンを机の横に置き
ひとまわり小さな模型で
細かな部分を木にFRP、ガラス繊維で試作していました。
可愛い感じが出てますね!

そして下がハンガー部分

空間に調和させるために
植物の蔦からいただいたハンガーの曲線は
何本かの異なる太さの鉄棒をつなぎ
根元に行くほど太くするなど
スケッチに忠実に作ろうということで
手間をかけていただきました。

貝母百合な感じにデザイン

塗装するとイラストの感じになってきますね。

下は勝手口の屋根を塗装中
アイアンとガラスの素敵な屋根ですが
こうしたいと思っていたところを
尾形君に提案され内心驚いた
思い出の屋根の塗装中の図



真鍮のタッセル
卵は金箔をはり
金の卵にしました。


渾身の作品
モデリングした佐藤氏がおどけて食べる真似



10月2日、デザイナー自ら細かな部分をチェックしながらの取り付け作業!


マカロンの色は焼け錆びた鉄のイメージで
尾形くん自らが色をのせました!


ブティック左側 通り口のデザインもマカロンサイン同様
スケッチと図面のキャッチボールしながら進めてゆきます。

通用門の右は大型機械搬入口の観音開きになる扉
そこはとりあえずブティックのコンセプトデザインを張り付けておいて
左側の扉は量産ではあるもののフランスの鋳物のアンティークアイアンで
かわいいデザインが
あったのでそれををモチーフに

こんなのとか

↑こんなのとか似たようなサンプルをいくつかネットで見つけてきて
新たに鉄を加工して手仕事で作り直します。

デザインは似ていても我々が作るのは鋳物ではないので、より魂がこもるはずです!

扉自体もアート作品なのでOGATAの事務所にて入魂の打ち合わせ!

オリジナルをトレースしたままでは面白くないのでパティスリーらしく
そして毎朝この扉を押して通勤してくる
お菓子好きなスタッフたちの青春の思い出になればと
二種類の大きさのカヌレ型をはめてみたら!!正解ですね!
かっこかわゆく なりました。



10月7日 待ちに待ったアイアンカヌレドアが到着








扉の裏側はこんな激しい状態です
震災復興の時壁紙を張り替えた
のを機に残り物のペンキでいたずら書きを
したのですが
新規の扉の裏も以前のように赤く塗ってもらい

今回は世界の尾形画伯にフリーペイントしていただきました!
良い思い出になりました。


途中経過ですが良い感じですね。
そして大型扉の絵は焼き付けタイルで表現することになりましたが
試し焼きして色をチェックするので時間がかかりそう。


こんなものも作りました!パーキングサイン
雰囲気を崩さず、ドライバーにうながすようにデザイン

そしていよいよ大型扉のタイルが完成
だいぶ調整に時間がかかってしまいましたが
クリスマス前には何とか完成させたいと
12月17日全国は大荒れの寒い寒い日に
タイル工事やら塗装など


陶磁器タイルにトケちゃんの絵を焼き付けて壁画にするというアイディアが
形になりました!





同じデザインの手提げ袋も作成年明けから一部のサイズで登場
いずれはすべてのサイズで変更予定です。




こんな感じですね!

そうそうブティック内のカーテンもポートランドさんで
素敵な出会いがあり付け替えております。
独特の世界観が出来上がろうとしています。


がしかし。。。。
何か足りないと何度も外をうろつき
いたずら描き
そして
追加工事決してもらうことに。



この絵をもとにまた何度かやり取りして
図面に起してもらいGoサイン
全完成まじか
現物はどうなるのかお楽しみ!
明けて12月20日再度調整してこの案で行くことに


一つの家具のフェイスような感じにまとめまてみた。



22日いよいよ最終工事
OGATAの佐藤工場長が最後のフィニッシュを決めにきてくれました。


寒いなか暗くなるまで作業はかかりましたが
ついに完成しました!

あろうことか19年に一度という「朔旦冬至」の日に完成するとは
縁起が良い事このうえなし!


翌朝はクリスマス営業につき日が昇る前の出勤でしたが
冬至明けの朝日のなか見る作品は感動的でした。






一般的な外装工事を大きく超え
アート作品を作り出すテンションで臨んだ
ファサード改装プロジェクト
一生に何度もできることはないであろう
貴重な経験と出会いをいただけた奇跡のような時間
かかわったすべての人と与えられた環境に感謝します!

~~~~~~~~~このプロジェクトに携わった方々~~~~~~~~~~~~~~~~

ブレンド       調香師 フェルト作家 YukaTAKAHASHI
                               La Famille Mouthon http://lafamille.exblog.jp/     
           Golconda  Kyoto2015.3.3オープン予定 http://golcondaym.wix.com/golconda

施工デザイン     OGATA.Inc    http://www.ogata-japan.com/

衣装デザイン縫製   Atlier Kyu http://www7b.biglobe.ne.jp/~kyu/

カーテン       PORTLAND http://portland.shop-pro.jp/?mode=f1


ディレクター     MURATA 

           うし君&うし子 














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