マカロンの作り方 レシピ Vo1

2008-05-31 | マカロンの作り方

マカロン ショコラ (イタリアンメレンゲタイプ)
ピエールエルメさん、ジャンポール・エヴァンさん、ヤン・ドゥイッチさん達
多くの一流パティシエがこのタイプのレシピをベースにしていますがそれぞれ
食感が違うのが面白い。


当時いろいろな偶然が重なり日本での第一回サロンドショコラの会場で超多忙なエルメさんに直接出会えマカロンの製法についていろいろアドバイスを求めることができました。結論はマカロンは難しいね~僕も失敗するよ!と、つれない回答それから未来のパティスリーのことなどいろいろ話ができて楽しいひと時でした。お礼に僕の好きなブルックナーのMDをプレゼントしたのだけれど当時彼は
MDデッキを持ってないとのことでした不思議なことに次の日からマカロンは全く失敗しなくなりました。この頃の僕はフローと呼ばれる状態で、いろいろな共時性が頻発におきていました。最近読んだ「運命の法則」と言う本でその意味がわかりました。その後もたびたびフロー状態に入り以前よりずっと楽しい日々を送くれるようになりました。



イタリアンメレンゲのマカロンは
失敗が少ないタイプなのでデポジッターを使った大量生産にも向いていますが求める状態に仕上げるためにはそれなりの試行錯誤が必要です。
作り手が違うと同じレシピで作ったものでもかなりの違いがでます。
イタリアンメレンゲタイプは甘さが強く表面はマットな感じになりがちですが、
熟練するとフレンチメレンゲタイプと見分けが付かない(味的にも)ほどの出来上がりになります。プロの皆さんやお菓子教室の先生方がんばって挑戦してみてください。ポイントはメレンゲのプロセスと焼成です。

ここでは練習用に通常の5分の1量ですが、お菓子教室等では更に少ない分量に計算しなおして作り下記�のアーモンド生地を3等分して、そこにフレーバーや色素を個々につけメレンゲを3等分してマカロンを作れば3種類のマカロンが一度にできますね。

� 400gマルコナ・アーモンドパウダー
  400g粉砂糖(純糖でなくてもよい)
  40g上新粉(このアイディアは僕のオリジナルでクリームとのバランスを考えて口溶をコントロールするために加えています。普通のマカロンはクリームの水分移行で皮が柔らかくなりすぎて、クリームのほうは逆に水分が取られるために硬くなり、アーモンドとクリームのハーモニーを楽しむべきところが、クリームだけが口に残り素人の方は、クリームの印象だけでそれを美味しいと勘違いしてしまいます。マカロンの生地はクリームの器ではありません。理想的なマカロンはクリームとマカロンの一体化が口の中で起こりつつもクリームよりマカロン生地が少しだけ遅れてアーモンドの風味を引きながら口から消えてゆくものが最高のマカロンだと考えています。上新粉は味がニュートラルな上に、水分もきわめてゆっくり吸い込むので生地の物性も変わりにくいので、食感のコントロールには最高の素材だと思います。色々なメーカーの上新粉で実験しましたが、波里の上新粉が条件に沿うものでした、今流行りの微粉末タイプはうまく行きませんでした。ちなみに上新粉が入っても、もっちりした食感にはなりません、多少ビスキュイ的な生地になります。)
  
  170g卵白(上新粉が入らない場合150g)

�80g~150g40℃に溶かしたチョコレート(カカオ分80%~100%のもの)
又ココアパウダーを使う方もいますがその場合卵白を少量増やす必要があります。チョコを入れなければプレーンなものになります。

�150g卵白
  7g乾燥卵白(QPのKタイプ)
  2gクレームタータ
(乾燥卵白、タータは入れなくてもよいしい又40gグラニュー糖に置き換える方もいます。)
 少量の赤色食用色素

�400gグラニュー糖
 130g水
※2つの卵白はスティックミキサーまたはフードプロセッサー等で完全に
こしを切って水様化しておく。

~作り方~
�の卵白以外を良く混ぜ篩ってボールに入れる。そこに卵白を加えて
メレンゲを加えるまでそのまま置いておきます
 

前日に�卵白類を混ぜておいたものをミキサーにセットし、�を手鍋に入れて
火にかけてシロップを作ります。
115℃になったらミキサーを高速でまわし始め、120℃になったらミキサーボールに
120℃のシロップを糸をたらすように少しずつ入れます。



約2分混ぜたらミキサーを止めて出来上がったイタリアンメレンゲの4分の1と
溶かしたチョコレートを初めのアーモンドの生地に木ベら等で練りこみます。



※はじめのアーモンドや砂糖、卵白の生地は混ぜて時間がたつと締まって固くなるので、
卵白にシロップを入れ終わった時点で用意します。

生地が均一になったら残りのメレンゲを3回に分けてマリーズ(細長いごむべら)
で混ぜます。生地をマリーズで持ち上げるとリボン状になるくらいまで切りまぜます。
注意・メレンゲをさめてから合わせると、砂糖菓子のような甘ったるいマカロンになってしまうので、
メレンゲの温度が50度程度でミキサーから下ろし混ぜ合わせます。

  

生地は最後までできるだけ泡を消さないように混ぜてください。
同じ硬さでもつぶれた生地は焼成後に空洞ができやすくなります。

それを絞り袋に入れてシルパットをしいた天板に好みの大きさに絞り、
表面を触ってみて指に生地が付かなくなるまで15~60分ほど乾燥させます。
梅雨時などは除湿機などで厨房の湿度をコントロールします。

 

160~155度のダンパーを開けたコンベクションオーブンで直径が2~2.5cm
のミニマカロンで12分、4cmほどのマカロンで約15分、途中で前後入れ替えを
して薄く焼き色が入るまで焼き上げます。



焼きあがったマカロンはかなり硬めに焼けるはずですが、イタリアンメレンゲ
ベースのマカロンは戻りが早いためそれでよいのです。
しっかり火を通すことによりアーモンドの風味が引き立ち甘さも控えられます。



このタイプのマカロンは水分の多いクリームをサンドすると生地が早く戻ります。
たとえば、バタークリームならメレンゲとバターのみのものよりアングレーズベースのバタークリーム、ガナッシュなら柔らかめの水分が多いもの、コンフィチュールは糖度が低めのもの(マカロンに水分が吸い取られるために甘み、味が凝縮して
少々固くなります)等が最適でしょう。尚、最後のプロセスは焼成熟成を参考にしてください(そちらはフレンチメレンゲ・マカロンの
例です)。加湿冷蔵の設備が無いところでは出来上がったマカロンをタッパーにたてに並べ
ぬれたタオルをマカロンに触れないようにかぶせ軟らかくなるまで冷蔵すると良いです。

 

KazunoliMulataでは通常のマカロンを、かみ締めることによってアーモンドの風味がやや残るフレンチメレンゲタイプで作り、ケーキに添えるものはケーキと一体感が味わえる柔らかなイタリアンメレンゲタイプで作ります。
あくまでも、ここに述べたメレンゲのタイプによる食感は、初心者が作った場合の
傾向であり経験を積むことによってどちらのレシピでもその土地の地域性に合わせた味を思い通りにコントロールができるようになるでしょう。

参考図書
Macarons par Sebastien Serveau
Un amour de macaron par Stéphane Glacier
Ph 10 : Pâtisserie Pierre Hermé
Secrets gourmands par Pierre Hermé
Die Patisserie von Pierre Herme par Pierre Herme
Les Macarons de Christophe Felder

追加マカロンの作り方の動画情報はこちらです→ここをクリック
 最高を目指して!自家製アーモンドパウダー→http://blog.goo.ne.jp/kazunoli_2008/e/912556d8f1a231f84f711f32992ba0ca

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2 コメント

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初めまして (小島久実)
2013-04-29 18:51:13
今まで百回以上マカロンを焼き、一度も成功したことが無く、マカロンが嫌いになりかけていましたところ、星人の事をしりました。いろいろ見ましたが星人のブログが一番詳しく為になりました。凄すぎる…星人はただ者ではないですね!お店にいき星人のマカロンを食べてみたいです。やはり私の失敗は知識経験不足と、オーブンがコンベクションタイプでないことが原因でしょうか?本当に聞きたいことがありすぎてお目にかかれる機会があれば一日あっても足りないです。
返信する
Unknown (kazunoli Mulata)
2013-04-29 19:37:18
小島様 マカロンとは難しいものです。
僕も思い通りのマカロンは年に数回あるかないかです
難しいからやりがいがあるのだと思い
毎日真剣勝負でアーモンドを粉砕しております。
良いマカロン道を!
返信する

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