ケバブを注文する時。
「ケバブをどうやって食べるか」という決断を、私たちはしています。私はお客さんサイド側の人間として人一倍、ケバブを注文する方々を見ているのですが、ケバブ屋の店頭にあるメニューを見て自分のお腹や財布の空き具合を伺いながら、「サンド」なのか「ラップ」なのか、はたまた「丼」…そのチョイスには人生が垣間見えるなと勝手に思っています。
それはさておき、ケバブを食べるスタイルというのは列挙すると意外と多いもの。自分が思っているだけでもこれだけの種類があります。
・ピタパン
・バケット
・バーガースタイル
▼今回
・丼 or ライス
・弁当
▼次回以降
・おつまみ or ボックス
・その他
それぞれについていくつかパートを分けながら、思いつくままに書いてみたいと思います。
●丼 or ライス
▼ケバブ丼
日本人の食生活に欠かすことができないのが「お米」。ファーストフードに牛丼がありますが、ケバブもそれに倣ってケバブ丼があります。これは日本中のケバブ屋で提供されているメニューで、お米の上にケバブのお肉や具を載せ、ソースをかけるシンプルなもの。欧米にはない独特のスタイルです。
数百食単位でケバブを食べてきた私ですが、実はケバブ丼を食べたことは両手で数えられる程度しかありません。どうしてもジャポニカ米の味や食感、匂いとケバブが合わないと感じています。※写真のケバブ丼ではなく、ケバブ丼全体を言っています。
実は私のようにケバブ丼が食べられない人がいる一方で、多くのケバブ屋で提供されているほどの需要があるのも事実。日本人に慣れ親しんだお米を食べられる他、ボリュームもラップ並もしくはそれ以上ある点が魅力です。
▼ケバブライス
ケバブライスというものもあります。写真はピラウ(ピラフの原型となったトルコ料理)にチキンケバブとレタスなどの葉物、サルサにソースをかけた料理で、とても美味しかったです。ケバブ丼とはまた一線を画す、彩り豊かで野菜もたくさん摂れ、ボリュームもあるこちらのケバブライスは、ケバブ丼が苦手な私でも美味しく食べることができました。
▼本場トルコでは
イスタンブールに実際行った時の写真です。左のプレートにはドネルケバブが盛られていますが、お米も添えられています。しかし右手には平たいパンが主食として置かれています。つまり、トルコではお米は付け合わせであり、主食ではありません。さらに言えば、お米はジャポニカ米とは異なってパラパラとしているので、むしろドネルケバブとよく合います。
▼余談ですがペルシャ料理の場合…
トルコの隣国であるイラン(ペルシャ)の料理では、お米が主食になっていました。写真のペルシャ料理屋の他、イラン大使館のパーティーでもお米がたくさん盛られていて、トルコとの違いを感じました。
●ケバブ弁当
ケバブ屋で時々見かけるケバブ弁当。テイクアウト用のメニューですが、こちらは私は結構気に入っています。
一番良い所は、お米とソースを分けられるところです。持ち運びが楽な上、温めても風味は落ちづらくなります。
ケバブの弱点はテイクアウトが難しいことで、その原因はソースにあります。ピタパンやラップなどはソースがパンに染みてしまって食感が落ちますし、ケバブ丼ではレンジで温めた時に、ソースによってお米が異様な熱さと風味を持つので苦手です。ですが、ケバブ弁当ではこうした問題も解決できます。
またケバブ屋の方に話を伺うと、食生活が制限されるイスラーム教徒の方にも需要があるようです。ハラール認証を得たケバブを使ったケバブ弁当を持てば、ハラール食の提供が無い場所でも食事をとることが可能になります。
例えば、東京ディズニーリゾートでは園内でハラール食の提供がないため、外からケバブ弁当などのハラール食品を持ち込んでレストランで温めてもらい、頂くことができます(2017年6月1日現在、インターネット上にて東京ディズニーリゾートでもハラール表示があるとの情報がありますが、公式ホームページ上では確認できず、ハラール食の提供は無いと書かせて頂いています)。
お食事に制限のある方へ(東京ディズニーリゾート公式ホームページ)
▼デパ地下で販売されるケバブ弁当
近年、東京駅やデパ地下でも販売が始まったハラール認証付きのケバブ弁当。東京オリンピック開催などで訪日するイスラーム教徒の増加が報じられる中、日本人でも手軽に異国情緒が味わえるアイテムとして注目が集まりそうです。
Part 4へ