伊藤雄之助という俳優さんをご存知でしょうか?
僕自身は伊藤雄之助の出演作ってのを、あんま知りません。
2本しか。
でも、ここいらで伊藤雄之助について記しとかないと、未来永劫語る事が無くなりそうなので…。
まぁ、日記なので簡単に記しておこうと。
ウィキで調べたトコ、なんと【ニッポンのジャック・ニコルソン】=大地康雄が付き人をやっていたんですね。
明治から大正にかけて活躍した歌舞伎役者・七代目 澤村訥子の孫であり、初代 澤村宗之助の次男との事。
さて、2本程出演作を知っていると上述致しました。
その希少な2作品を語ろうかな。
必殺仕置人 第22話【楽あれば苦あり親はなし】
時代劇・必殺シリーズ第2弾である必殺仕置人の1エピソード。
現在、1年に一回の割合でテレビ放映されているジャニタレ学芸会版【必殺】とは全く異なる作品です。
ジャニタレ学芸会版【必殺】と同一線上にあるモノだと思ったら大間違い。
もの凄ぇ熱量ですよ、ホント。
もちろん、伊藤雄之助は悪い盗賊の親分で登場。
役名は【野分けの藤造】。
ヒトをブッ殺しといて『ふぇっふぇっふぇっ』ってヘラヘラ笑うスレスレ演技は、今時なかなか観る事は出来ません。
完全に禁治産者です。レッドゾーンです。
『名演技!素晴らしい!』のひと言。
今話の監督は松本明。
あんまよく知らないので、調べたら朝日放送のリーマン監督だった様です。
巨匠がたくさん名を連ねる中で、勉強になった事でしょうね。
太陽を盗んだ男
1979年公開のニッポン映画。
ジュリー演じる中学教諭とその生徒たちを乗せたバスをジャックするキチガイおじさんの役で登場。
軍服を着用し、イっちゃった目、機関銃をブっ放し『陛下にお話ししたい事があるんだ』とかブツブツ言ってます。
そう、まだまだ【戦後】を引きずっていた時代なのでした。
『子どもを…息子を返して頂く…』とか言ってたんですが、警官隊に狙撃されちゃいます。
これまた『名演技!素晴らしい!』のひと言。
ちなみに、この撮影は皇居前でゲリラ撮影されたとか。
ネタもネタならロケもロケ。
シネコン乱立で映画が足らず、その数合わせでクソ映画を作っている様な現状では、ぜっっったいにムリなお話です。
今時、ゲリラ撮影なんてAV位なモンか…。
もっとも『オレが全責任を取る!』っつってゲリラ撮影を決行したは良いけど『お前ぇのクビなんぞ、何の役にも立たねぇよ』って言われちゃうのがオチでしょうからねぇ。
不祥事起きたら【映画「○○」製作委員会】のトップである電博にお話が行っちゃいますから。
ビビって安全な作品作りしか出来ないってのも、分からんではありませんがね。
嫌な世の中です。
近年でも、伊藤雄之助のカルト的人気はある様でイベントも開催されています。
1980年3月11日没。享年60歳。
ホント、早すぎる死だったんだな。
『腕を磨いて、時を待て』伊藤雄之助(ニッポンの俳優・1919~1980)
なかなか売れなかった大地康雄に掛けた言葉だとか。
実に味わい深いですな。