”豊かさとは何か”改めて問い直したい衝動に駆られる光景である。嘗ては競争入札で街路樹の銀杏の実を買い求めていた時代もあった。だが、心も生活も豊かさを失ったような日本では、銀杏の実さえ見向きもされなくなってしまった。食料自給率30数%の日本では、相当数の国民が偽りの103万円の前で喘ぎ苦しんでいる。何かがおかしいのだが誰も気づこうとしない。”豊かさ”を置き忘れた日本とでも言うべきか。日銭稼ぎの外国観光客相手では、的屋さんではないが日本全国お天道様次第の風任せになってしまったのだとつくづく思う。