能登半島地震の死者数236人となった。今回の地震は、1月1日16時10分に発生した。正月休みと真冬が重なり、救援体制も困難を極めただろう。そして何より、交通手段の道路が寸断されて、緊急支援が滞ったことである。死者数こそ236人ではあるが、過疎地の人口密度などを考慮すると、相当深刻な数字である。今回の被災地は、4市5町16万6000人といわれている。これが都市部だったら一桁多くなるわけだから、死者数も数千人を数える規模になるだろう。
人口が少ないということは、一旦インフラ施設が崩壊するとその代替手段は困難を究めるのである。いくつもの不幸が重なった今回の地震で、唯一幸運だったのは、志賀原発が辛うじて難を逃れたことである。だが、地震列島の日本でいつまでも難を逃れられるはずはないと肝に銘ずるべきだろう。誰もが考えたくない原発という重たい宿題が、北海道から九州まで全国に横たわっているからである。