更新をサボっていたら画面がたいへんなことになっていたが、いろいろ見たものについて少しずつ書いておこうと思う。
「津波からの生還」(三陸河北新報社「石巻かほく」編集局〔編〕、旬報社)。
今年8月1日に上梓された本だが、読んだのは9月である。内容は石巻かほくに「私の3.11」のタイトルで掲載された被災者インタビューで、2011年6月から約9か月に渡る連載をほぼそのまま掲載している。河北新報のウェッブ・サイトにも載っていたので(現在は見られないようだが)、草島くんの記事など或る程度読んでいたが、読み落としたものも多く、実家のご近所の京屋さんの奥村さんや、八幡屋さんの阿部さん、グランドホテルの後藤さんの記事は初めて読んだ。
こういう本の内容について書くのにはいろいろ考えてしまうが、とりあえず最初の印象としては、間一髪で助かった人がこれほど多いとは!!というものであった。京屋の奥村さんなどはまさにその例であるが、他にも津波にさらわれて泥水をしこたま飲みながら寒さの中「こうやって死んでいくんだな」と思いながら助かったという方の話、こういう例が一人や二人でないことに驚いた。
次に驚いたのは、車に乗って津波に巻き込まれた方が多いこと。助かった方の中で、車で避難中に途中で車を捨てて逃げて助かった方、また徒歩で避難中に津波が迫っていることを渋滞の車のドライバーたちに必死に合図したにもかかわらず伝わらず目の前で波にのまれる車列を見ることになった方。
金華山を訪れて地震に遭った方は、津波襲来の報に避難した黄金山神社から、島と牡鹿半島の間の海の潮が引き始め、海底が露出して映画「十戒」の割れた海のシーンを目撃したという記事もある。(その写真も掲載されている。)
ウェブの連載で震災ショックの冷めやらぬ時期に読んだものを、このようにまとまった形で読むと、またいろいろな見方が出てくるものである。やはり津波の際の避難方法については考えさせられる。とにかく高いところに避難すること。車は極力使わないこと。これであろう。
そういえば最近では茅ヶ崎の海辺には高台がないため、津波の際には遊泳客を船で拾って沖に避難する方法なども検討されているようである(2012年11月20日付朝日新聞神奈川県版による)。漁師さんたちが船を守るために行う「沖出し」らしいが、水産庁のガイドラインに抵触するので調整が必要らしい。本書にも漁師さんが船の沖出しを行ったケースがいくつかあり、傍から見ると危険極まりないのだが、そして実際それが原因で命を落された方もいるのだろうが、それでも一概にそれを責めることもできない。自己責任の一言では済まされない難しさがこの状況にはあるのだということも教えられたのである。
付記
最近韓国のPSYがヒットらしいが私には音的にLMFAOに酷似しているように思え、むしろそのパロディの方にオリジナリティを感じてしまう。ということで Jervy Houというカンボジア少数民族出身のロス在住♪プロデューサーにしてピアニスト(という噂)の再生リストを作ってみた。→piano songs by Jervy Hou
因みにパロディは→こちら
淳の山仲間。
震災以前に雑誌に記事が載ったから探してけろと
言われ上京した際に、東京駅の丸善で発見!
大きな書店はさすがバックナンバーまで揃えてあり
一同感嘆~。
でもその雑誌も流れて今は海の中なんだよね~。
それにしても島ごと津波にさらわれるのではないかと思ったそうですから、生きた心地はしなかったでしょうね。
あの写真も今後非常に貴重なものになると思います。
雑誌は再入手できるんじゃないでしょうか。古本で「スーパー源氏」というサイトで検索すると結構昔の本が見つかりますよ。失われた本にこもる思いには届かないかもしれませんが。
取り寄せてあげようとも思ったけど、
震災後、被災を知ったそのカメラマンから写真集が
届いたと喜んでいたので
それでいいかと。
あの金華山の写真はほんとにすごいよね。
で、「津波からの生還」の表表紙は左に女川役場、正面が公民館。その公民館の上に乗って悲惨な姿がチラッと見えるうちのビル…。
改めて石巻の証言を読み直したけど、
確かにお宅の実家のご近所さんの証言も
凄いですね…。