KERC活動日誌

柏アーリー・リコーダー・コンソート
古楽リコーダーアンサンブルの日々あれこれ

KERC 第3回演奏会 開催!

2015-05-04 18:12:55 | 発表会など 2011~2015 
日時:2015年4月25日(土) 14:30~
場所:日本キリスト教団 柏教会



春らしい陽気の中,2年ぶり第3回目となる演奏会を行いました。
お越しいただきました皆様方には改めて厚く御礼を申し上げます。
会場の柏教会はとてもよく響き,バスリコなどを吹いていると陶然とした心地になります。贅沢な経験をさせていただきました。

以下,ざっくりとではありますが,当日の模様をご紹介いたします。





1. オープニングはJ.H.シュメルツァーによる「5声のソナタ ニ短調」。1. Allegro,2. Aria presto,3. Sarabande,4. Adagioの4部構成。編成はS・S・A・T・B・Vdg。いかにも幕開きにふさわしく2本のソプラノが華やかに掛け合うアレグロから,2分の8拍子でたおやか,かつしっとりと締めくくるアダージョまで,起承転結の趣あふれるソナタ。各楽章の色彩感の違いを出すべく気を配ったつもりでしたが,全般的にもう少し余裕のある一体感があればよかったな,とは録音を聴いての感想。まあ,試験,試合,発表会などなど,なんであれ本番には心残りが付き物ですが。
演奏の模様はこちらをダウンロードしてお聴きください。


2. 続いて「ブラウニング」の主題による2曲を対比的に並べ,作曲家による違いを楽しんでいただくという趣向です。曲はC.ウッドコックによる「ブラウニング・ファンタジー」とW.バードの「木々の葉は青く」。編成はS・A・A・T・B・Vdg。バードは3月初めの山野楽器リコーダーフェアでも演奏しましたが,その時よりは数段上のまとまり具合で,各旋律が複雑に絡み合いつつ曲のカタマリが立ち現れる面白さがよく出ていたように思います。欲を言えば,ウッドコックをもう少し軽快に演奏して,バードとの対比をより鮮やかに出せればよかったかな。
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3. 前半最後は良い子(A=415Hz)のトリオによるG.B.サンマルティーニの「ソナタ第6番 ニ短調」。1. Adagio,2. Allegro,3. Largo,4. Allegroの4部構成。アルト2本に,KERC自慢の飛び道具バロック・ファゴットを加えて。怒涛の十六分音符連打で前半の部を締めくくりました。
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4. 後半は,ジョスカン・デ・プレによる荘重なミサ曲「自然の摂理に逆らって」で幕開き。編成はS・A・A・T・B・B。この曲は,並の譜面ならパッと見で吹けてしまうため,さらに修行して高みを目指そうとしないKERCメンを懲らしめようと,導師・高橋明日香先生が1年前に放ってきた刺客です。なので,大変に難しい。指が回らないようなフレーズがあるわけではありません。それぞれ存分に歌いながらも曲の波を共有して一体化・増幅させるのがすこぶる難しい,簡単に言えば「ノリにくい!」「超合わせづらい!」,そんな類の曲です(と,たっぷり言い訳伏線)。第一部(prima pars)の演奏は,本番の魔物に魅入られたB2(ワタクシ)が出だし早々にクラッシュ。自由すぎるBパートとカオス寸前で持ちこたえる高音サイドの粘り腰との不吉な葛藤が,なにかイエスの受難を意図せずして体現してしまった感もありました。第二部(secunda pars)がまずまずだっただけに惜しまれます。演奏の音が消えてから拍手が来るまで,たっぷり5秒の静寂が会堂を支配した理由は……いろいろなのでしょう,きっと。うん。「いや~ドキドキした! 助けに行けませんからね~」とは演奏会後の高橋先生談ですが,この曲では特にご心痛をおかけしてしまったようで。
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5. 気を取り直して,さらにルネサンスの曲を,今度は趣向を変えて50sトリオで。A.フェヴァンの「Te Deul(我ら神であるあなたを讃える)」と「Forseulement(今はただ死を心待ちに)」。それぞれATB,SABという編成で,2曲ともLargoなイメージで。3人なので個々の音がよく聞こえ見晴らしが良好。テンポが多少伸び縮みしても即対応可能で,それもまた曲の味になります(ちょっと伸び縮みしすぎたところもありましたけど)。特にソプラノはヒステリックに響かないよう注意しました。
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6. 締めくくりは,高橋先生にご参加願い,大バッハの「ブランデンブルグ協奏曲 第3番」を。1.(表記なし),2. Adagio,3. Allegroの3楽章構成,ただし第2楽章はパート譜では白玉が2つ並ぶ1小節のみ。3月の門下生発表会でも演奏しましたが(「なんだ神田でブランデン」参照),今回はチェンバロなしで,S・S・A・A・T・Bの6本に,バロック・ファゴットで低音部を強化した編成で臨みました。チェンバロのあるなしで曲の印象が随分違います。どうしてもテンポがだんだん間延びしてくるので,なんとか全体を引っ張ろうと高橋先生が奮闘しておられました(と,なんだか他人事みたいで申し訳ないですが)。
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7. アンコールとして,シュメルツァーの第1楽章を再び。そして,今回初めて現代曲「黄桜のテーマ」を。何かこの日一番の拍手だったような気も。
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そして終了後はお定まりの反省会……の割には楽しげな。




大変にお疲れさまでした。

[記:ワタナベ]
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