京大 鎌田浩毅教授の講演より引用文3連動地震と富士山噴火
鎌田浩毅京都大学教授(火山学、日本火山学会理事、内閣府災害教訓富士山部会委員などを歴任:著書多数)の2011年2月講演から
演題は「もしも富士山が噴火したら」
講演では「巨大地震3連動」と富士山噴火の関連について語られました。
講演内容を要約します。
①火山とは、山である上に、マグマ溜まりと火道が必要。
その内の活火山は、日本で108ある。過去1万年以内に噴火した火山を言う。富士山は活火山である。それ以前に噴火したものも入れると、日本の火山は250ほどある。長く休んだ火山ほど噴火規模が大きくなる傾向にある。
②富士山では、2000年秋に低周期地震が観測された。マグマが動き出して、ユッサユッサと揺れたことによる。マグマが火道を通って上がってくると、低周波地震の震源が浅くなるので、噴火が何時ごろになるかが予知できる。この時、山が僅かに膨らむので、これを山稜の傾斜で測っている(傾斜計)。
富士山は火山学的には、必ず噴火する。
マグマはおよそ一か月ほどかけて上昇してくる。
③噴火時期まで一ケ月あるので、避難する余裕はある。大変なのは、避難が何時まで続くか見極めること。この点が住民の経済生活も含めた大きな負担に直接関わってくる。火山の恵み(名水や絶景、温泉など)と災害は切っても切れないセットである。但し、「短い災害」と、「長い恵み」である。
④「3連動地震」が起こる可能性がある。2030年代までには必ず起きる。その時、富士山も噴火するかも知れない。内閣府によれば、巨大地震の被害想定額は81兆円、国家予算規模。富士山の噴火が単独なら2.5兆円。
以下の記載については、
http://www.zenchiren.or.jp/tikei/zeijaku.htm
から引用しました。
日本列島は、地球を覆っている十数枚のプレートのうち4枚のプレートの衝突部にあって、世界的にも活発なサブダクションゾーンの、フロントに位置している。この列島は北米プレート(日本に入り込んでいる部分は、オホーツクプレート)と、ユーラシアプレートの2つの大陸地殻にまたがり、さらに太平洋プレートあるいはフィリピン海プレートの沈み込みによって、2方向から強く圧縮されている。
房総沖と伊豆半島付近の2ヶ所のトリプルジャンクションの存在は、4つのプレートがぶつかり、せめぎ合う場として世界に類例がなく、日本列島がいかに複雑な応力場に支配されているかを示している。 マグニチュード7以上の地震は、世界中でこの90年間に900回ほど起きているが、そのうち10%もの地震が日本で起きている。マグニチュード8クラスの巨大地震も、日本海溝や南海トラフといったサブダクションゾーンに集中し、ここでのプレートの衝突がいかに激しいかがわかる。 さらに太平洋プレートの日本列島下への活発な沈み込みは、日本列島を世界でも有数な火山列島にしている。
以下の記載については、
http://www.geocities.jp/fukuhara_1919/nihonreltutou.html
より引用しました。
日本の108の活火山を見ると、海溝にほぼ平行して列状に分布しており、この火山の東側を火山フロントという。
日本は糸魚川ー静岡構造線(フォッサマグナ)を境界に、北からは北アメリカプレートが中央アルプスを造山し、東からは太平洋プレートが押し寄せ、千島・日本両海溝に沈み込む。
南はフィリピン海プレートが北進し、南海トラフや南西諸島海溝で沈み込んでいる。
この二つのプレートが衝突する伊豆・小笠原諸島海溝では、太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込む。
このようなプレートの沈み込みをサブダクションと言い、日本はプレートが複雑に絡み合ったサブダクション地帯にあたる。
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