気ままな旅

マイカーでの気ままな旅で、束縛された予定や時間にとらわれない、自由奔放な行動をとる旅の紹介です。

驚きと地底の神秘 「竜ケ岩洞」

2008-10-02 10:40:35 | 気ままな旅

 方広寺と奥山半増坊の見学を終えた私たちは、当初からの目的地である、龍譚寺へ向かった。
 奥浜名湖に、このような歴史的な施設が多いのには驚かされる。
 思えば、奥浜名湖周辺そのものが、東西文化の中心に位置し、歴史的にも大切な役割を果たしてきたことは、容易に想像がつく。
 東西で名を残した武将や、芸術家などの足跡も、たくさん残されているに違いないと思った。
 愛車は県道から国道303号線を10分ほど走ると、左斜め前方の山中に「竜ケ岩洞=りゅうがしどう=浜松市北区引佐町田畑193」の看板が見えてくる。
 今までに耳にしたことがない洞窟であるが、時間的にも余裕があり、立ち寄ってみることにした。
 国道から2~3分の距離にある。
 早速、車を止めて、洞窟方向に目をやると、山裾には石の公園のように、火山活動から石が出きる様子や、さざれ石などが分かりやすく並べられている。
 洞窟の入り口には、龍が飾ってあり、定期的に龍の目がひかり、それと同時に大きな口から蒸気を出している・
 入り口の横には、良く整備された日本庭園があった。
 入場料650円を支払って洞窟内へ進んでいく。 
 入り口には、この洞窟の見どころを書いた看板が掛けられている。
 
           
            色々な石や岩が置かれ、紹介されている 石の公園。

          
               入り口横の石を主体として造られた庭園。

            
             竜ケ岩洞入り口     定期的に目を光らせ口から蒸気を出す竜   

          
                  洞内の見どころがかいてある看板。

          
  二人の洞窟愛好家が、大空間の新洞を夢見て、泥まみれになって手掘り作業を続け、ついに新洞の大きな空間に到着、その時の感動から「喜びの窓」と名付けられる。

 ここは当初、地元の子供達の探検遊び場であった。
 洞窟の一番奥まった所に、幅50Cmと高さ10Cmの小さな穴があり、そこから風が吹き出していたが、それ以上奥に進むことは出来なかった。
 二人の洞窟愛好家が、1981年10月 「風が抜ける小さな穴を通り抜ければ、必ず、新洞があるはずだ」 と信じて、手掘りで拡張作業を始める。
 洞内気温は18℃、地下水と粘土の上に横ばいになって苦難の作業が続く・・・。
 小さな洞内、横ばいになっての手掘り作業、腕のそで口から水が入り込み、全身ドロだらけになるが、愛好家たちは、まだ見ぬ大空間の夢をおいながら黙々と作業を続ける。
 3日間に及ぶ苦難の作業の末、まず一人が難関を通り抜けた、そして、もう一人も通り抜けることに成功する。
 懐中電灯から、照らし出された、始めて見る地底の空間に、竜宮城のような、美しい鍾乳石の数々が映し出されてくる。
 思わず ”やった。ついにやったぞ” との歓声があがり、愛好家たちに大きな感動が押し寄せて来る。
 この時の喜びを現し、地主の戸田氏によって、この個所は 「喜びの窓」 と名づけられた。
 その後も、調査隊は、数々の難所を突破し、大広間や はくろうの間を発見、洞内地図をどんどん延ばしていく。
 次から次へと、ライトに浮かび上がる圧巻の鍾乳石、2億5千万年もの間、眠り続けていた、地底世界の大パノラマが、絵葉書の写真のように美しく現れてきる。
 1981年12月、調査隊は、ついに落差30mの黄金の大滝にたどり着く。
 かすかな水音を追って、狭い通路をくぐり抜けると、そこに突如として大空間が現れ、しずくをあげながら水が流下していた。 ”地底の大滝だ” 誰もが想像すら、していなかった大滝発見の瞬間で、大きな感動が湧いてくる。
 その後の調査により、総延長1000mにも及ぶ、大鍾乳洞の実体が明らかになってくる。
        
          
    奥の白い名札が逆様に置かれている、鏡のような水に映ると「天女の鏡」正常にが読める。

           
                  登竜門             鐘乳宮司
   狭き登竜門、側に「受験合格、大願成就、縁結び」 この極めて狭きを道を 念じて通ると!!
    
          
   通路から見ると上に台地があり、天に向かって伸びている塔のように思える 雲上界。

          
             奥に小さな「祈る少女」の名札がかかげられている。
  
          
              くらげの滝のぼり
    乳白色の石灰で出来た飾りが、天から舞いおりてきそうである。
 
           
 見事な景観のうらら石いつまで見ていてもあきない。石柱の側には黄金の大滝がある。

 黄金の大滝は残念ながら暗くて、撮影は困難であった。
 洞窟のはるか天上から勢いよく落ちる水の流下は、まさに自然が創り出す荘厳なドラマである。
 滝の落差は約30mあり、地底の滝としては日本で最大級の規模を誇っている。

          
     上記のうらら石のしたに、この石花があり、澄み切った清水を湛えている。
    
          
         2000年4月に、鍾乳石の成長を調べる為に設置された石の壷

          
         洞内の苦難の歴史をひと目で分かるようにパネルで紹介されている

           
       ようきた洞 日本一の足水施設+日本初の天然冷風浴場とアピール

          
               近くの野に咲いた季節の風物詩 彼岸花 

 竜ケ岩洞の見学を終えた私たちは、施設内のレストランで昼食を摂った。
たまたま、近くを通り、立ち寄った洞窟であったが、予想以上にすばらしい洞窟であった。
 私は子供の頃、土佐の里山で育ち、近くには石灰岩で出来た幾つかの洞窟があって、子供同士で洞窟探検に良く行ったもので、懐かしく思い出されてくる。
 土佐には、全国的にも名前が知られている龍河洞があり、何回か足を運んでいる。
 飛騨高山にも、郡上八幡にもあり、懐かしく思い出されてくるが、それらと比較しても、この竜ケ岩洞は、こじんまりとして変化にとんでいる。 数々の鍾乳石の形状もすばらしく、見ごたえを十分に感じていた。

 私達の気ままな旅は、行き先がビジネスであっても、何かの所要であっても、時間やスケジュールの変更などで、空いた時間が生じたり、行き帰り前後の時間にも気ままな旅をして楽しんでいる。
 そして、旅は何時でも新鮮な気持ちにさしてくれる。
 同じ所に何回行っても、季節や天候によって楽しみ方が違ってくる。
 旅の回数が増えるに従って、私達に旅の深みや、味わい方、楽しさを一層深く教えてくれているようである。
 このように気ままな旅の満足感を味わいながら、竜ケ岩洞を後にして、次の目的地へ向かって行った。