気ままな旅

マイカーでの気ままな旅で、束縛された予定や時間にとらわれない、自由奔放な行動をとる旅の紹介です。

天下の奇祭で有名 男の神さま 「田縣神社=たがたじんじゃ」

2008-10-11 22:28:16 | 気ままな旅
 9月23日(火) 秋分の日 今朝は、岐阜市の南側にある道の駅 「柳津」 で車中泊をしていた。
 暑くも寒くもなく車中の特性ベッドで、妻と二人ゆっくりと眠ることが出来た。
 今日も天気はよさそうである。
 午前中は、車で30分ほどの所にある愛知県一宮市で、ビジネスの付き合いのある女性と合って、荷物を受け取ることになっていた。
 約束の時間にこの女性と合って、近くにある喫茶店で、モーニングコーヒーをしながら、近況などについて話し合った。
 喫茶店のモーニングも、内容と価格から言って、人気があるらしく満席になっていた。
 愛知県と大阪府では、モーニングの中味に、大分差があるように感じる。
 1時間ほど話し合った後、私たちは特に、これからの予定を決めているのでもなく、ただ、近くの小牧市方面に向かって行った。
 今日は夕方に、岐阜県美濃加茂市でビジネスの約束があるのみで、それまでにこれといった予定は入っていなかった。
 どこに行こうか! 迷っているところに、小牧市内にあって天下の奇祭で知られている田縣神社(たがたじんじゃ)が浮かんできた。
 妻も行ったことがなく、早速、カーナビをセットして行くことにした。
 田縣神社には、30分ほどで到着する。 
 
 田縣神社は、男性の神様と知られ、同じ小牧市にある大縣神社(おおがたじんじゃ)は、女性の神様として知られている。
 中でも田縣神社の豊年祭は有名である。
 この例大祭である豊年祭は、天下の奇祭として知られ、檜で奉製した直径60cm、長さ2m余りの大男茎形(おおおわせがた/男性の性器)を、厄男達が御輿で担ぎ、奉納したり、平安衣装を身にまとった女性達が、長さ50Cm程の、木で出来た男茎形を胸に抱いて行進する姿も謁見であり、外国人観光客から熱い眼差しのスポットを浴びている光景が、目に沁みそうである。

 田縣神社の創建は、弥生時代までさかのぼり「母なる大地は、父なる天の恵みにより受胎する」 との古代人の民族思想より始まり、五穀豊穣・国土の発展を神に祈ったと伝えられている。
 古来より田縣神社には、男茎形(おわせがた)をお供えする風習があり、「生むは産む」に通じて、子宝・安産の子孫繁栄・企業・商売繁昌、さらには恋愛成就・縁結び・夫婦円満・厄除・開運・交通安全・諸病の平癒等の守護神として、全国の崇敬者に格別の尊崇を受けている。
   
 御祭神は
     御歳神(みとしのかみ)
      御歳神は素戔鳴尊(すさのうのみこと)の孫で大歳神(おおとしのかみ)の子。
      農業をつかさどる神で、五穀豊穣、企業繁栄の守護神。     

     玉姫命(たまひめのみこと)
      玉姫命は尾張地方開拓の祖神である大荒田命(おおあらたのみこと)
      の王女で、尾張氏の建稲種命(たけいなだねのみこと)の妃。
      恋愛、子宝、安産の守護神。  
    
     例祭日(豊年際)  
      豊年祭は天下の奇祭として有名で、毎年3月15日に執り行われている。
      この祭りは長さ2.5m程の大男茎形を御輿に担ぎ、万物育成・世界平和の願いをこめて、お旅所より御神前にお供えする神事である。      
      所在地  愛知県小牧市田県町152(問合せ 0568-76-2906)   
 
                   
                      田縣神社入口の大鳥居
 
 駐車場に車を止め、この大鳥居から田縣神社の境内に入って行く。
 左側に手水舎があり、若いお母さんが小さな女の子を連れて訪れ、手水舎で体を清めている。
 私が手水舎にカメラをむけていると、この女の子が私のほうに向かってニッコリと笑い、手を振ってくれたのが印象的であった
 手水舎の反対側には、田縣神社本堂拝殿がある。
 その親子も本堂に向かって進み、拝殿に立ってお祈りをしている。
 私達も本堂拝殿へと進んで行った。 

           
                       手水舎で体を清める母子

            
              田縣神社本殿で参拝を済ませてUターンしてくる母子  

            
          本殿拝殿に若いカップルが訪れて参拝 「子宝に恵まれますように ??」

                       
                           本殿に参拝する親子

            
               本殿に祀られている大男茎形(男性の性器)

            
              本殿に参拝するカップル(右)と外国人観光客(左)

 
 外国人観光客は、手にカメラを持っている、参拝する様子はなく、飾り物が珍しいのか、盛んにシャッターをきっている。
              (※本殿内部の御神体は撮影禁止になっている)
 本殿での参拝を終えた私達は、本殿左側にある奥宮に進んで行った。
 奥宮は、本殿の隣にあって、鳥居が立てられ、本殿と平行して参道があり、その奥に奥宮拝殿の建物がある。
 鳥居をくぐり、参道に敷かれた石畳を拝殿に向かって進む。
 参道の両サイドには、下記写真のような男性の性器を表した男茎が、境内いたるところに溢れている。

                      
                         奥宮の入り口   

            
        石畳の参道を真っ直ぐに進むと奥宮拝殿があり、両側には男茎があふれている。

 奥宮には次のように書かれた看板があった。
  「田縣の奥宮 千年の昔より遠近の人々願ひの叶ひしを喜びて、逸物を供える慣習あり、これをみて男子は、その雄大な形相に益々発奮して仕事に励み、女人はひそかに伺ひみて、願いかければ良縁を得る。また、子宝に恵まれるとぞ、生むは産むに通じて、商売繁盛には霊験いやちこなり」 とある。

             
                 奥宮の拝殿には大男茎形がお祀りされている

 奥宮には、恋愛、子宝、安産の守護神である玉姫命(たまひめのみこと)をお祀りしている。
 縁結びなどの御神徳を信じる参拝者も多い。

            
                 奥宮境内の男根と女陰を現した石

            
              何を現す! 周りには男根の小石を並べている 

            
              下の黒い石が女陰、上のささっている石が男根? 

            
                奥宮拝殿の上にはこんな飾りモノがある

           
           奥宮に御参りする女性、”どうか良いご縁に恵まれますように”

            
           奥宮境内に掲げられている絵馬 ”どうかお願いが叶いますように”

   全ての絵馬には男根が描かれ、「祈」文字が入っている 。
 
            
          奥宮右奥にある珍宝窟、至る参道脇には男根石が並べられている
 
 珍宝窟の石碑には
     「双玉の右をさすり 家内安全 商売繁盛・金運の願い
      双玉の左をさすり 安産 和合 願い事叶うと言い伝えられ
      遠近よりの参拝者後をたたず 霊験いやちこなり」とある。   
 また、横の石碑には 
     「玉さすり賽銭入れて珍となる」と書かれている。
 
 奥宮の右奥にある珍宝窟、参道脇には男根が並べられている。
 珍宝窟には二つの玉と、真ん中に男根が祀られている。
 この玉をさすりながら願いをとなえると、上記のようなごりやくがあるそうだ。
 真ん中の男根のことは、何も書かれていないが、男根をさすると左右の玉の願い事が、同時に叶うのだろうか!!

 また、賽銭入れは、賽銭を入れるとチンという音がする。
 
           
             珍宝窟正面から 二つの玉と間に男根が祀られている

 奥宮珍宝窟の見学を終えた私たちは、本殿西にある客殿に入って行った。
 客殿の間には、下記のような絵や、豊年祭の様子などを組み写真にして分かりやすく展示してあった。
                  
                     
                             男根の絵
 
 子孫繁栄、子宝に恵まれますようにと願って書かれたのだろうか!
 上の男根は、子孫繁栄を願った夫婦の営みそのもので、下の男根の上には、小さな武士が勇ましく描かれ、「俺はこれから、子作りに励み、子孫繁栄、五穀豊穣を願って頑張るぞ」と言っているように見えてくる。

           
   豊年祭の絵 大勢の人たちが見守る中を大男茎形の神輿を担いでいる姿や、男根を胸に抱いた女性の姿が描かれている

            
                 動物が大男茎形の神輿を担ぐ豊年祭の絵 

 この絵も豊年祭を動物が大男茎形の神輿を担ぎ、前面には小さな男根を大事そうに持った、女性に扮した動物が、行列する姿を描がいている。
動物達もみんな幸せそうな顔をしている
            
            
           
                女性の神さまを祀る大縣神社姫之宮
            
            
                大縣神社姫之宮の裏手にある女陰を現した姫石
             
 大縣神社(おおがたじんじゃ)は、田縣神社より車で、東に10分ほど行った所の山裾にあった。
 神社としては田縣神社よりも数倍の大きさである。
 鳥居をくぐり、真っ直ぐに進むと、朱色で塗られた美しい姫之宮があった。 
 いかにも女性的な感じのする建物である。
 姫之宮は、古来より安産、子授かりなど女性の守護神として祀られている。
 裏手には、女陰を現した姫石が祀られている。
          
 田縣神社は、数十年前までに何回か訪れているが妻は始めてであった。
 現在の日本は、高齢化社会を迎え、人口が減少して、少子化対策が重要課題にのぼっている。
 この神社に祀られているように、人間の本能である男と女の性や、人間の自然の原点である、夫婦で子供をつくり育てる事などで、人間社会を構成し、社会の必要としている仕事を通じて、人づくりから国造りまで、一丸となって励むことの大切さを感じさしてくれる。
 自然なかたちで、男は女性を愛し、家庭を愛し、仕事を通じて社会に貢献していく。
 女性は、男を愛し、子を授かり、子を産んで育て、愛情に満ちた家庭を築いていく。
 この神社に参拝していて、人間の本能や本質・自然の大切さを、あらためて感じさせてもらった気がする。