女として大阪で暮らす2

初心にもどり、ちゃんとブログをつくりたいですね。
たまに、読んでください。誤字脱字は、ご容赦くださいね。

自殺(文鳥花子作)

2015-06-25 08:49:26 | 日記
わたしは、おばあちゃんになっていた。
ぶさいくできたなく、くさいおばあちゃんになっていた。

鏡をすべて叩き割って、こわしていた。
足もこしもすべて、痛くて歩くのもしんどくなっていた。

体がしんどいのであるときに、病院に行った。
ほどなく、胃の少し下に、癌が見つかった。

余命半年らしかった。
おばあちゃんは、痛みには弱いのでながいきしたくはなかった。

自殺するために、練炭を買って用意した。
そして、部屋中の隙間をめばりして、自殺した。

おばあちゃんは、青い顔をして、とうとう死んだ。
みにくい、人生をはかなく終えた。

ところが、おばあちゃんは、天国に行くことはできなかった。
自殺したからいけなかったのか、それはわからないが。

幽霊になって、そのままただようことになった。
真夏になると、ありとあらゆるところにでていき、世間をたのしくさせた。

おばあちゃんは、とてもたのしくなった。
みんなが幽霊と騒げば、おばあちゃんは、生きがい?死にがいがあった。

おばあちゃんは、今年も楽しく死んでいる。
天国にいけないので、幽霊としてうまれかわり、楽しく生きている。

たまに、死んでいることをわすれるのだが。
それでも、みんなが騒いで、こわがってくれると、本当にたのしいのだ。

おばあちゃんは、死んでから天国にのぼるまでに、ずっと地上でおばけとしていきた。
みにくい、くさい、汚いおばあちゃんも、幽霊ならとてもたのしくすごせたのであった。

エッタ兄ちゃん(文鳥花子作)

2015-06-25 08:42:15 | 日記
私の好きな兄ちゃんは、エッタ兄ちゃん。
仕事は、破戒屋で、建物を壊す仕事が。

エッタ兄ちゃんは、地区で生まれた。
朝鮮の人なのだ。

エッタ兄ちゃんは、男前だけど通名をつかっている。
本当は、金とか、李とかいうんだけどもね。

田中とか、加藤とか、日本の名前なんだ。
エッタ兄ちゃんの親は、朝鮮人だから、通名をつかうのかわからないけど。

日本人にない、考え方でものをはかいしていく。
日本人にない、力仕事が大好きなのだ。

でも、エッタ兄ちゃんは、朝鮮姉ちゃんと結婚した。
だから、私は日本人であることに罪を感じた。

古びたおうちでも、エッタ兄ちゃんは楽しく生きていた。
おまけにお金儲けのうまい人だった。

パチンコも大好きなエッタ兄ちゃんは、ねえちゃんのものになった。
お母ちゃんに聞いたら、そうかといった。

私の近所のエッタ兄ちゃんは、おとこまえだった。
そして、ダンスもとてもうまかった。

でも、朝鮮姉ちゃんのお婿になった。
わたしは、少しだけ悲しかった。

日本人であることだけは、変えられない運命をかんじた。
エッタ兄ちゃん、しあわせに、そしてさようならと、いった。

特殊部落(文鳥花子作)

2015-06-25 06:03:32 | 日記
私は、えったである。
村の川沿いに生まれ、育った。

もう平成の世の中なので差別はないはずだった。
しかし、私は差別された。

「馬鹿」「外人」「ちょうりんぽう」などと。

隣の李さんも、おなじであった。
私の父も、隣の李さんの父も近くの火葬場のおんぼだった。

火葬場は、村のはずれにあり、の父親がつとめていた。
白い煙が上がると、また誰かが死んだのがわかるところにがあった。

今では、公営住宅が建ちむかしのおもかげはなくなったが。
の若者は、ひっそりと暮らしていた。

出自は、ばれないように、そばに誰かが通ってもあわないように、へやであそんだ。
親たちも、子供たちに、そうするようにしかけた。

むらの中にある、太鼓焼きはとてもおいしいものだった。
のこどもたちのおやつになり、まいにちうれていた。

外から来るこどもたちにもうっていた。

「えったのおばちゃん、おんぼやきちょうだい」

「はい、はい、おまちね」

外から来る子供には、おんぼやきといわれておいしいとにんきだった。
私は、あるときに、村の外の青年に恋をした。

しかし、家にはつれてこれないので、隣町でいつもわかれた。
一人とぼとぼ歩く道で、ある不安がよぎるのだった。

”とわかれば、たぶん別れがくるだろう、だからひみつにしておこう”

でも、やがて青年に私のすむところがとわかり、捨てられた。
私は、それから死ぬことばかり考えて、うろうろとした。

近くにある、おおきな深いダムに身を投げて私は、自殺した。
そのときに、むらのおばちゃんがいった。

「それ、以外の人と交際しないことだね、また悲劇がおこった」

それから、の人は、よそのの人とは交際したが、以外の人とはつきあわなかった。
それが、親から教えられた戒めだった。

「を隠すんだ」

もしばれたら、いきることがつらくなり、地獄になることを代々おしえるのだった。

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