海が見たいのと母は言う。
海無し県に住み父が亡くなり友達も老いてドライブに出ることも無くなった母は私の運転で海を見にいくのが楽しみになっている。
てきとーに新潟は柏崎市のシーズン前の静かな海水浴場。
穏やかに波が打ち寄せる。
母は波を触っては喜ぶ。
気持ちいいねと喜ぶ。
昼飯は寺泊で食べた。
そこまでは良かったのだけど・・・
帰り道は沼田から帰る!と言い張る。
え?沼田って群馬県の沼田??
どうやら父と母は長野を出て新潟の海岸沿いを行ってそこから群馬へ入り沼田から八ッ場ダムを通り鳥居峠から上田へ抜けて長野へ帰るというルートのドライブをよくしていたようだ。
嫌だ!長すぎる!と思ったけど、これも親孝行なんかな?と寺泊からスタート。
関越道を東京方面へ行って上信越道で誤魔化そうと思ったのだけどダメだった。
関越道の月夜野で降りて一般道。
途中セルフで給油しながら、私はどこを走ってるんだろ?
八ッ場ダム。
嬬恋。
疲れたな。
カサミンゴーさんで夕飯を食べてたっぷりのお茶を飲んだら少し元気になった。
それにしても、なんで父と母はこんなただただひたすらに車を走らせているだけのドライブのどこが面白かったのだろう?
でもきっとなにか二人の思い出があるルートなんだろうか?
それとも車でどこまでも行けるということが楽しくて仕方ない時代があったということなんだろうか?
モータリゼーションとはそうやって来たということだったのだろうか?
ま。
田んぼに水が入ると家の近所の風景がまるで別世界。