百貨店の画廊にはよほどのことがない限り寄ることはなかった。
でも、日本橋三越本店さん本館6階に3月にオープンした日本橋三越本店コンテンポラリーには興味があった。
110年以上の歴史を持つ三越の美術がこれからの100年も時代を超えて受け継がれていくような本物のアートを紹介し続けていくために、三越の美術の伝統を残しながら今の時代に即した最新を紹介する現代アート専門ギャラリーという。
けど、コロナ禍とかでいつも食品売り場で目当ての物だけササッと買い物して新館から半蔵門線へ行くだけだった。
でも、いよいよ第三波到来と言われる中でいつまた非常事態宣言が出ないとも限らないから寄ってみた。
「齋藤陽道写真展『絶対』」。
会期は11月18日~11月30日。
耳に障がいを持つ齋藤氏が補聴器を捨てカメラを持ったのは二十歳の時だったという。かといって障がいを乗り越えてという言葉で氏を表現するのは失礼だと思う。かといってそれも経歴といえば経歴。
美しい作品だ。
そうだ。そういえばこの百貨店には天女がいるのだった。
中央ホールに聳え立つ巨大な彫刻。
「天女(まごごろ)像」:佐藤玄々:木彫彩色:1960年。
岡本太郎氏に負けず劣らずのダイナミックで縄文的な迫力の美。
佐藤玄々(1888年~1963年)は石川雲蝶の後継とも評される日本彫刻界の巨匠。
今でも引く人は引くであろうド派手な作品なのだから設置当初の評価はかなり低かったという。
でもこれはすごい作品だ。
これを維持している三越さんもすごい。
この作品が設置されてから60年。
世の中の産業構造は変わった。百貨店という業態も今後の予断を許さない状況だ。
ん・・・