電車が駅を出る。
駅前駐輪場の自転車。
持ち主は無事にお帰りでしたか?
自転車の数だけ日々物語が紡がれる。
物語が始まり物語が終わり物語が始まり物語が終わり・・・
人は移ろえどもこの駅がここにあってこの駅へ自転車で通う人がいる限りそれは続く。
今日は妹の14回目の命日。
去年は娘に遅れること13年で父が旅立った。
妹の自転車も父の自転車ももう無い。
母もいつまで自転車に乗れるのかな?
私は自分の自転車を持ってない。
生きている限り忘れない。
でも少しずつセピア色の彼方へと消えていく。
そうして私もやがてとけ込んでいく。