桜に雨が降る。
そういえば前回も雨だったと思い出しながらポーラミュージアムアネックス展へ。
「ポーラミュージアムアネックス展2024-表彰と趣意-」。
公益財団法人ポーラ美術振興財団は、1996年以来、若手芸術家の在外研修助成を行っている。
ポーラミュージアムアネックス展は、その成果を披露する展覧会として発足。今回で22回目をむかえる。
今回のテーマは「表彰と趣意」。
参加アーティストは、西田秀己、砂田百合香、江原梨沙子、水永阿里沙、菊池奈緒、鶴見朋世の6名。
後期の会期は3月15日~4月14日。
水永阿里沙、菊池奈緒、鶴見朋世の3氏の作品を展示。
水永阿里沙。
水永阿里沙(1984~)は広島県出身。
東京藝術大学芸術学部絵画科油画専攻卒業。同大大学院美術研究科絵画専攻壁画分野修了。同大同大学院同科博士後期課程美術専攻油画(壁画)研究領域博士。
水永は、ポーラの在外研修員としてドイツに滞在。
今回は主にドイツのラインバッハ・ガラス専門学校で制作した作品を展示。
ひときわ目立つ般若。
水永は、ドイツでウクライナ人親子に出会ったことで、ステンドグラスの美しい力強さを用いて混乱の続く世界に挑んでいきたいと決意する。
小さな顔は抑圧された子供たち。
そして水永は、ドイツで学んだ、古典技法に裏打ちされた日本にはない現代技法もきっちりと伝えようとするのだった。
菊池奈緒。
菊池奈緒(1988~)は栃木県生まれ。
多摩美術大学絵画学科卒業。同大大学院修士課程修了。カールスルーエ芸術アカデミー卒業。
菊池は、活動拠点であるドイツを中心に公共空間を歩きながら収集したいイメージを具象化した。
これらのモチーフは、別の世界へ通じる「開かれた入口」を暗示し、遠いところへの憧れを反映するという。
鶴見朋世。
鶴見朋世(1994~)は三重県生まれ。
多摩美術大学生産デザイン科専攻卒業。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートテキスタイル専攻修了。
鶴見の制作は、余白を開き余韻を読むことから始まるという。
日常に漂う感覚的で曖昧な断片から流れる時間やリズムの美しさをテキスタイルとして紡ぐ。
ん。
良い展覧会だった。