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あんこう鍋の目立たない話。

2014年03月09日 | 里海邸のごはん

茨城の冬の名物、大洗の冬のお料理と言えば、「あんこう」を想像されますでしょうか。

里海邸でも冬にはあんこう鍋をご用意する日が多くなります。

写真は、ご提供直前に撮影した盛り皿の中のあんこう鍋の具材です。

ピカピカですね。 

ところで、テレビのイメージなどで伝わる様な、漁港のそばで、あんこうの身や内臓をザクザクぶつ切りにして鍋と放り込んで一気に食べるのは、風味も食感も良さそうで、とても美味しそうですが、内蔵系だけに、魚の臭みが苦手な方には厳しい映像ですよね。

あんこうは、グロテスクな容姿や、つるし切りの手法、あんきもの旨さ、内臓を含む具材のバリエーションなど、個性満点の鍋ですが、それだけに実際に食べる上で魚の臭みを心配される方もおられることと思います。身体の表面はヌルヌルとしたぬめりで覆われておりますし、具材の半分が内蔵で、スープも肝臓でつくるのですから(笑)

ですが、鮮度のよいものを使い、丁寧な下処理をしていれば生臭さはございません。ここ大洗の辺りのあんこうの取り扱い方ですと、アンコウの身や内臓を下茹でして、冷たい流水で洗うなどして、包丁で磨くように表面の汚れを落とし、さらに柑橘類添加などのいろいろな方法で臭みを取り除くことが多いようです。とても大きな魚ですので、他の魚にはないこのような世話を必要とするのが、あんこうの高コストな理由のひとつです。下処理の後の流し台の掃除も大変です。それでも、こうした努力で、臭みをはじめ雑味が緩和されて、まろやかな旨さのあんこうの風味が際立ってくるのだろうと思います。

しかしながら、あんこうの面白い食感も、あまりに下茹でしすぎますと水分が抜けてしまい、身肉などはパサパサな感じに変化してしまいます。新鮮な素材であれば、具材を洗った後は、さっと湯通しにするなど、食感を大切にすることも考慮した上で、その日の最適なあんこう鍋を考えてゆきます。

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