中野サンプラザ

　先日、何十年ぶりかで、中野サンプラザへ行った。中野は、比較的近いが、あまり行く機会がない。以前は編集者と何度か、飲み会やカラオケで行ったことがある。さらに以前は、東中野にあるシャンソン・バーにパーティの流れなどで、先輩作家に連れられて、よく行った。
　さらに以前の、作家になる前に参加していた同人誌の合評会が、中野サンプラザの会議室で行われた。毎月の例会は喫茶店の団体席で延々と文学論と雑談を交わし、その後、居酒屋のような店で飲むというパターンだったが、同人誌発行後の合評会の日は中野サンプラザの一室なので、ワクワクしたものだった。もう何十年も前のことなのに、同人仲間たちの顔や交わした会話や作品への批評などが思い出されて、なつかしかった。
　先日のその日は、知人のＵさんから送られた講演＆懇親会の案内ハガキに誘いの添え書きがあり、出かける気になったのである。
　講演は平和安全法制についてで講師は政治家だが、最初は、えっと思った。法曹の仕事のＵさんと政治の結びつきが、少し意外な気がしたものの、弁護士出身の政治家が少なくないことを思い出した。現在の私は政治にあまり関心はなく、戦争は反対だが、平和安全法制はいいと思う、という程度。立食式の懇親会場で、半年ぶりに会ったＵさんに、そう話した。会のメンバーになるつもりはなかった。雑談後、今度ゆっくりお喋りしましょうという話になった時、紳士的な外見に似合わずＵさんがユーモラスな言葉で私を笑わせてくれた。
　他の参加者たちと話すと、その日が初めてとか２度目という人が多かった。参加者は約３００人らしかったが、私が話した人たちは、中高年以上でリタイアした人と現役の人と半々ぐらい。女性参加者は３分の１ほど。声をかけられたどの人とも楽しく言葉を交わしたが、内心、政治の話題になったらどうしようと思ったりした。けれど、ビールとワインの酔いで陽気になった参加者たちは、ほとんど自己紹介のような感じの雑談だったので、気楽に喋ることができた。限定ビールらしくコクのある美味しいビールと、美味しい信州赤ワインに、食べるより飲むほうが多かった。もっとも立食式では、食べながらより飲みながらのほうが話しやすいためもある。
　閉会後は同じ方向の人たちと喋りながら電車で帰宅。
（そんなにたくさん飲んで酔ったわけじゃないし。一晩眠ればアルコールは残らないわ）
　そう思い、入浴後、ビデオの録画を確認してから就寝。
　翌日は軽い二日酔い気味で、昼食後に大正漢方胃腸薬を飲み、２時間も仮眠したら、ようやくアルコールが抜けた感じにスッキリした。外でお酒を飲んだら、就寝前に大正漢方胃腸薬を飲まなくちゃと反省した。