「病い得たるを……?」 昔々、先輩が胃癌で入院することになり、「励ましの色紙を書こう!」となり、「何か書け」と色紙が回ってきたことがあった。自分は何も書けなかった。色紙を観ると、色々な励ましの文言が書いてあった。そんな中で「病い得たるを喜べ」と云う言葉が目に入ってきた。「ウーン……」「逆説なんだろうけど?」「苦あれば楽あり」「困難に打ち勝つ、精神論のバリエーションか?」いずれ、自分が彼を励ます言葉は見つからなかった。 その先輩は死者に成った。古い話である。
昨年の2月、裕子に乳癌が見つかり、即切除し、抗がん剤を月一回点滴し(抗がん剤治療)、今のところ転移もなく、この6月の最終検査でとりあえず病院通いが終わる予定であった。 ところがである、何の因果か?癌が私の胃に転移?していたのである。
今度は、和尚が胃癌治療である。幸い早期発見のため、私の他の臓器には転移はない。ということで、早速切除の手術である。6月2日入院で2週間ぐらいかかるとのこと。結果はいかに?
昔、「痛快成り行き番組」と云うのがあった。ここは、成り行きに任せるしかないか。 人間的意志で、成り行きを止めることができるのか?癌を切る(切除)か、切らないか?それは人間的個人的意志の問題でもある。癌に気がついたのも、成り行きであるとすれば、ここは成り行きに任せるしかない。 「成り行きで病を得た!これも自業自得である………。」 自業自得からの解放!多分これは無理。死者に成るしかない。