「丹沢山中には戦時中・戦後直後に結構な数の飛行機(旧日本軍・米軍の軍用機)が墜落していて、いくつかは山中に慰霊碑が作られていたり、今でも飛行機の残骸が残っている」
という話を発見。
うちの両親に話したところ、父親の知人が昭和25年の「神奈川県蛭ヶ岳米軍機墜落事故」の捜索隊に動員されたエピソードなどを話してくれました。また近くでは
「小田原市沼代の広域農道沿いに戦時中日本軍機が墜落し、現地には慰霊碑があり、昔行ったことがある」
との話も。検索してみたところその情報を発見。
幸い車ならば行くのはそう難しい場所ではなさそう。私も実際に現地に行ってみることにしました。
国府津(下曽我)と中井を結ぶ広域農道(やまゆりライン)に入り山を登ること十数分。
途中で分岐して山の中の集落にその場所を発見。(詳細な場所は後述します)
右側の縦長の碑は墜落した飛行機のプロペラを用いたものだそう
「上原重雄戦死の地」と刻まれています
終戦の半年前、1945年(昭和20年)2月17日、前日から相模湾沖の航空母艦から発進したグラマン戦闘機600機がはじめて関東地方を襲撃。午前10時頃に攻撃を終えて南下するグラマン機の編隊に上原重雄中佐は単機で突入するも迎撃にあい墜落し戦死。
上原中佐の部隊は平壌への移駐が決まり、当日は迎撃中止の命令が出ていたものの、義憤に駆られ隊長である上原中佐自ら単機で戦闘機を発進させ・・といった経緯が記されています。
職業軍人であり隊長とはいえ29歳の若者が敵機の編隊に単機突撃を決意し、撃墜され死亡。という事実は、戦争の悲惨さというものを実に雄弁に物語っていると感じます。
裏面には地元の人による墜落当時の目撃談と実際の墜落地点との位置関係が出ています。
実際の墜落地点は広域農道やまゆりライン沿いの山中の送電線の鉄塔近くだそう。
元々はこの碑もそちらにあったものの、周辺住民など関係者の高齢化などで、2011年に訪問しやすいこの場所に移設されたそうです。
碑の全景。裏側は崖のようになっています。
王子神社の前で通りがかったおばちゃんに「上原中佐の慰霊碑は・・」と場所を聞いたら「家に咲いている花をお供えしてきたところ」と。日頃、地元の人がお供えや管理をしているようですね。
この場所、ネットで検索すると「行った」という人の話は見つかるのですが、詳細な場所が曖昧でした。
実際の場所としては王子神社から南に約100ｍといった感じの場所。
googlemapの画面。地図中の青い丸印の場所
細かい道が載っていますが、普通車では厳しいような道も多いので要注意
王子神社の住所がわからなかったので、近隣の野口園(小田原市沼代467)を車のナビに設定して向かいました。
国府津～大井町役場付近を走る御殿場線沿いの県道72号線の田島石橋の交差点。ここから中井方面に抜ける広域農道(やまゆりライン)を走っていると、途中で「沼代→」という小さな看板が出ているので右折して小道に入ります。
ナビで設定していても「えっ？ここ？？」みたいな感じで見落としそうな交差点なので、速度をあまり出さずに注意しながら走った方がよさそう。
広域農道を外れると昔ながらのみかん山の細い山道。慣れた？コンパクトカーだから私の運転でも大丈夫だった。というぐらいの細い生活道路。
車なら行くのは難しくないですが、知らないとわかりづらいかも？？行き過ぎてしまうとUターンできる場所が限られるので要注意です。
公共交通機関での訪問だと、二宮駅か国府津駅から比奈窪・橘団地方面行きのバス(神奈中バス)で「診療所前」もしくは「上町入口」で下車。約1.6ｋｍ・徒歩20分といったところ。山の中なのでハイキング気分で近隣の曽我兄弟の史跡などとあわせて訪問するのが手かもです。
周辺での太平洋戦争関連の史跡としては、二宮駅南口の「ガラスのうさぎ」像も有名です。
私は以前に二宮駅を利用した際にチラっと見た程度ですが、こちらも次の機会に訪問したいと思います。
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2016/5/30 00:30(JST)
