さて豊洲といっても最寄り駅はゆりかもめの新豊洲駅。
豊洲駅から歩ける距離ですが猛暑なので暑くて・・。一駅だけゆりかもめに乗ることにします。
バス停がありますがまだ未使用。新市場が開場したらバスが来るという話ですが・・。豊洲駅と市場を往復する路線が止まるだけならゆりかもめと変わらないような
門前仲町駅や東京駅・銀座方面に行くバスが止まれば便利だけど・・
ゆりかもめの駅としては豊洲・新豊洲・市場前(豊洲市場)という位置関係。私は地下鉄の1日券を買っていたので有楽町線経由で来ましたが、都心方面からなら新橋からゆりかもめ利用も手かも・・。
またゆりかもめは運賃が高いので、1日乗車券を買って台場周辺での散策や買い物と組み合わせるのも一案かもですね
さて今回目指すしばうら工学ギャラリーがあるのは、芝浦工業大学付属中高校の校舎の中。新豊洲駅から少し豊洲駅側に戻る形になります。
入口に警備室があるので「ギャラリーを見学したい」と一声かけるといいかと思います。
こちらが「しばうら鉄道工学ギャラリー」の外観
入口の改札は2007年に廃止になった栗原田園鉄道のもの。自動改札時代の今となっては貴重なものです
今回はギャラリー・鉄道史料アーカイブの創設・運営に携わっている「図書館鉄道技術資料調査委員会」の委員長を務められている名誉教授の大賀先生に特別に案内していただけました。
元々芝浦工業大学付属中学・高校は1922年に国鉄50周年の記念事業の一環で鉄道省が設置した東京鐡道中学が発祥。こういった経緯もあり、この2017年4月に板橋区内から豊洲の新校舎への新築移転を機に校舎の一角に鉄道史料を展示するギャラリーを設置することになったそうです。
豊洲と言えば豊洲新市場の移転問題が話題です。市場移転問題では土壌汚染が問題になりましたが、新市場は旧東京ガスの敷地ですが、こちらは新校舎は旧東京電力の敷地なので汚染問題は心配ないそうで・・
実際に学校の移転に際して父兄からは「土壌汚染問題は大丈夫なのか?」という不安の声も出たそうで
こちらがギャラリー全景。概ねスタッフの方が常駐していて見学者の対応なども行っているようです。
入口付近には鉄道研究部員による高等学校鉄道模型コンテスト入賞作品の展示があります。
学校併設のギャラリーらしい展示ですねギャラリー内の鉄道模型レイアウトの製作や受け入れた資料の整理・分類などで鉄道研究部員が活躍したそうです
201系の運転台で運転できるNゲージ鉄道模型レイアウト
この実物の運転台でNゲージ鉄道模型を運転できるようにするのは実はかなり至難の業。回路設計や配線・調整などにはかなり苦労したそうで、製作担当者はオープン直前まで調整に追われていたんだとか
115系や485系の座席が置かれていて休憩スペースになっています。食事は不可ですが飲み物を飲む程度ならOKだそうで・・
485系の座席の方はリクライニングやテーブルなど可動部分が多いので今後のメンテナンスが課題だそう。
また概ね90年代以降の鉄道雑誌・一部鉄道書籍が貨車型の書棚に並べられていて、見学者が閲覧できるようになっています。
アシェットコレクションの「週刊ディズニートレインをつくる」を約3年かけて完成させた蒸気機関車模型。(18分の1)
この機関車はカリフォルニアディズニーランドで走っている「C.K.ホリデー」号
重油炊き機関車。ディズニーは現代でも蒸気機関車を新造している貴重な存在??(関長臣コレクション)
こういうのテレビCMなどで見ると「自分でも作れるかも??」と思えてくることがありますが・・・完成姿を見るとやっぱり難しそうですね何気に週刊×3年だと購読費用だけでも馬鹿にならなそう
新潟鉄道で使用されていた硬券収納箱(岸由一郎コレクション)
フルスクラッチ(完全自作)で作られたHOゲージ鉄道模型の過去の名車たち。愛嬌がある姿をしていますね
(菊地文雄・正雄コレクション)
東京オリンピックといっても2020でも1964でもなく、幻の1940年オリンピックの開催記念の東京市バスのきっぷ。「乗車券」ではなく「降車券」と書いてありますね
所蔵史料は逝去された鉄道研究家の所蔵資料が中心。現時点では三谷烈弌氏・菊地文雄・正雄氏・築島裕氏・星晃氏・岸由一郎氏・関長臣氏、企業では鉄道・バス用の方向幕(行先表示機)製作メーカーの羽深製作所のコレクションの寄贈を受けているそうです。
鉄道研究・歴史研究で成果を上げた研究家氏が逝去された後に、貴重なコレクションが散逸してしまい、過去の一時代の事象が貴重な資料類と共に歴史の闇に消えてしまうことも少なくなく、鉄道趣味界での課題の一つになっていると聞きます。
その中で歴史ある工業系大学というしっかりとした研究機関が寄贈を受け、収蔵しギャラリーの形で一部でも公開する。というのは今後の鉄道趣味・鉄道歴史文化研究の発展の為にもとても重要なものだと思います。
先生の話によれば、今回芝浦工業大学で寄贈を受けたコレクションの中でも、寄贈を受ける前に一部散逸してしまったものもあるそうなのが残念なものですね。
また書籍や物品など目に見えるものの他に、昨今ではデジタルデータ化してパソコンの中に保存されるなど、目に見えない形で残っている資料の散逸防止も課題だと感じました。
昨今話題になっている小田急の保存車解体に関しても伺いましたが、特に2200形に関しては「日本の電車技術開発・発展の歴史上も貴重な存在であり、2両ペアでの保存が理想。1両の解体は非常に残念」だそう・・。
ただ「大学として出来ることを考えていきたい」とのことでした。
新たな展示物の姿も。こちらは貨車(車掌車)の連結器だそう。今後整備して展示予定とのことです。
ギャラリーと同じ1階には学食やラウンジ、文房具とお菓子・飲料を売る売店があります。こちらは一般利用も可能。ただ昼休み時間などは中学・高校生でかなり混雑するよう・・。
現状新豊洲駅周辺は「何もない」と言っても過言ではない状況でコンビニ一つないので、こちらの売店は貴重な存在ですね。
学食は定食400円、きつねうどん240円などなんともリーズナブル14時頃まで営業のようです。
私は訪問した時間の都合で食べれなかったですが
今回紹介した「しばうら工学ギャラリー」開館は火曜~土曜日の10時~12時30分、13時30分~16時(最終受付は15時30分)、日曜・月曜・祝日が休館の他、学校行事や資料整理の関係で臨時休館があるので事前にWebサイト等での確認をお勧めします。また入場料は無料です。
現在のところ見学者は1日数十人程度。平日は地元の家族連れなどが中心だそうです。
展示スペースが思ったよりも小さいのは少々残念な感もありますが、収蔵資料はかなり多いそうで、今後期間ごとに展示替えなども行って随時紹介していくようなので期待したいです。
会議室など別室を使っての特別展開催に関して伺ったところ、現時点では決まった予定はないものの、9月30日・10月1日の文化祭で教室を使って鉄道研究部が展示出展を行うそうです。
また余談ですが、中学高校の方は現在生徒数は合計で約1000人程度。中学高校一貫の他に高校からの入学も一定数いるそうです。中学は男子校ですが高校は今年度から女子の受入れも始まっているそうです。
高校卒業後の進学先は、芝浦工業大学への内部進学、他の理系大学への進学、文系大学への進学の3パターンが主体だそうです。
せっかく豊洲に来たのでこちらにも寄ってみます。
ドクターXのファーストシーズンの「帝都医科大学付属第3病院」
芝浦工業大学の豊洲キャンパスです。
こちらは旧IHIの造船所跡地。豊洲駅からはららぽーと方面(ギャラリーとは別方向)に徒歩10分強です。
10年強前に出来た新しいキャンパスだけあって廊下からガラスで仕切られた講義室の中がよく見えたり現代の大学といった雰囲気ですね
学食があって一般でも利用出来るので、周辺住民の憩いの場になっているんだとか。周辺には手軽な飲食店があまりないようで貴重みたいですね。
先生の話では大学が移転した当時は周辺のタワーマンション群はなくて、豊洲駅から大学が見えたぐらいだそう・・。また駅前には旧の石川島播磨の造船所の工員目当ての安い食堂や居酒屋も結構あったものの今では減ってしまい・・だそうで
今回のギャラリー創設に関して集められた史料のうち書籍類などはこちらの豊洲キャンパスの図書館でも所蔵されているそうです。(一般の入館・閲覧は不可)
2017/7/16 01:04(JST)
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