新聞の書評に載っていたのかきっかけで、今井信子の「憧れ-ヴィオラとともに-」を読んだ。
ひさびさに一気に読んでしまった。おもしろいというよりもある種の迫力を感じて、それをもっと味わいたいと思って突き進んで読んでしまったという感じだ。
演奏者としてだけでなく教育者としてもスケールの大きい人だ。その言動の一端に触れ思わずこみ上げてくるものがあった。
面白かったのは、フェルメールカルテットでの弦楽四重奏という音楽をめぐってのメンバーのさまざまな思いがぶつかり合うところ、その他世界の一流音楽家の素顔あるいはさまざまな楽器の指導法、指揮法など彼女の眼を通して触れられること(触れられたつもりになれること)
読んでいて、もう20年以上も前に行った彼女のヴィオラリサイタルの印象と繋がってなんとなく合点。
その印象とは(ヴィオラは大きい楽器だから、小柄な女性が弾くのは大変だろうなという先入観が見事に打ち砕かれ)、「やられた!演奏者が男とか女ということを完全に超越して、ヴィオラという楽器が今井信子に完全に一体化している」という印象だったのだ。何だか分からないが「やられた!」という感じがやけに残っている。
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