原田泰治は3月2日享年81歳で亡くなりました。長野県出身の画家です。私は四季折々、全国津々浦々のふる里を描き続けた絵画が好きでした。彼の絵は見て心楽しくなる画風です。長野県諏訪市には原田泰治美術館があります。日本の素朴な風景画が展示されています。
「雨あがり」
口語短歌
「水たまり 遊びに夢中 子供たち どんな場所でも 楽しい楽園」
1989年6月
子供達は、遊びの天才です。どんな場所でも、自分達の楽園にしてしまうのです。
雨が降ってもへっちゃらです。雨が上がれば水溜りが楽しさをまします。入梅の路地で遊びの天才を見つけました。(原田泰治)
「麦わら屋根」
口語短歌
「くど造り 麦わら屋根は 珍しく 今も昔の 面影残す」
1988年6月
麦わら屋根の家がだんだん少なくなってきました。それでも佐賀県の江北町あたりに行くと、カマドの形をした麦わら屋根の家が多く残っています。土地の人は「くど造り」と呼んでいますが、「くど」とはかまどの形のことで、黄褐色に色づいた麦畑に一層引き立って見えました。(原田泰治)
「ミズバショウ」
口語短歌
「残雪に 雪解け水の ミズバショウ 夏の思い出 詩情が素敵」
1987年6月
残雪を踏み、山奥へと進むと雪解けの水の中にミズバショウの群生がありました。若葉が彩るブナ林がミズバショウを静かに見守っていました。それは、あたかも白い水鳥の群が羽を休めているかのように見えました。(原田泰治)
「落書き」
口語短歌
「子供たち 落書きこそは いたずらの 大天才で 楽しく遊ぶ」
1986年6月
子供の頃、白壁に落書きをして、その家のじいさまに叱られたり、
道いっぱいに石ロウ(ロウ石)で落書きをしたものです。
近頃は子供の遊びも変わり、壁には広告看板が目立ち、
道路は車がうなりをあげ通りすぎて行きます。(原田泰治)
「ふるさと」をテーマに、自然の中で慎ましやかに暮らす人びとや農村風景を愛情込めて描き続けた画家、原田泰治(はらだ たいじ)。
1963年に武蔵野美術短大を卒業後、伯父の経営するアートスタジオでデザインを学び、1965年頃から少年時代を過ごした伊賀良村の思い出を描き始める。
1982(昭和57)年4月から127週(2年半)にわたり、朝日新聞日曜版に“日本のふるさと”をテーマとした絵と文による「原田泰治の世界」を連載して好評を博した。
参照
https://taiziharada.jp/
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