児玉時計店 ブログ

時計・メガネ・宝飾・補聴器 取り扱っております。
古い時計の修理もご相談ください。

銀色文字板     2/2

2017-05-31 | 修理
続いて外装のリフレッシュです。

ガラス接着の傷んだ個所や、

ガラスの欠けている個所もありますので、

新品のガラスに交換いたしました。

当店在庫に、なんと純正ガラスが残っていました!

綺麗にしたベゼルに接着します。


リューズも腐食が進んでいましたので交換します。

交換部品も希少な純正品です。

巻芯にも曲がりが見うけられましたので、

こちらも純正部品で交換!!

長さを合わせて、リューズをセット。




出来上がったムーブメントを、ケースに入れて、

完成!!

傷のないガラスで、文字板の模様も映えます。

銀色文字板     1/2

2017-05-30 | 修理
前回のセイコー手巻きウォッチと、同時期に修理をお受けいたしましたこちら、

偶然にも文字板違いの同じモデル!!
シルバーカラーの文字板が高級感を出しています。

やはりガラスの接着が痛んでいたりと、

この時計も、かなりお疲れの様子です。

裏ぶたを開けて機械のコンディションを確認。

ガラス縁を外し、

ケースから取り出します。

非防水のケース構造上、水分の入った痕跡はありますが、

それ程悪くないコンディションのムーブメントです。

香箱も分解して、クリアランス調整します。

オーバーホール完了して組みあがったムーブメント。

次回へ続く。

青色文字板     2/2

2017-05-23 | 修理
“青色文字板”その二。
ムーブメントに取り掛かります。


特にテンプ周りに問題がありました。


ヒゲゼンマイ、天輪ぞれぞれに不具合があるので、
受けから外します。


更にテンプとヒゲゼンマイを分離します。


外端カーブが崩れています。
ひげ持ちの部分が狭くなっていますので、緩急針の位置によってヒゲに偏りが出てしまいます。


外端カーブを成形し直し、取り付けた時にヒゲの中心とテンプの中心が一致するようにします。


天輪には、振れが過大に生じていましたので水平に修正します。

ヒゲの内端、水平も直して組み込みます。

その他、機械止めネジが折れていました。
純正部品が見つかりましたので、取り付けます。



仕上がったムーブを、ケースに入れて、

ベルトを取り付け完成!!

動き出すことにより、想いも引き継がれる時計となりました。


青色文字板     1/2

2017-05-22 | 修理
形見の時計ということで、お預かりしましたこちら、

綺麗なブルーの文字板が特徴の、セイコー手巻きウォッチ。
オーバーホールのご依頼をいただきました。

この当時の薄型時計のため、非防水のケース構造。
ムーブメントは24石の高級仕様です。

裏ぶたを開けてみると、やはりムーブメントには汚れが見受けられます。

この時計、ムーブメントを取り出すにはガラス側からアクセスします。


ガラス縁から水分の侵入した所。

こちらにも腐食が見受けられます。

ケースから取り出して、作業にかかります。


この文字板は、二重構造でムーブメントに取り付けられています。
割れないように細心の注意で取り外します。



文字板ベースに発生した腐食を取り除きます。



ケース側の腐食も同様に取り除きます。



ガラスの接着も傷んでいたので、ガラス縁から取り外し、
接着し直します。


次回へ続く・・・

宇宙

2017-05-18 | 修理
先進性のあるデザインや素材を使うのが得意な時計メーカー “ラドー 。
そのためかラドーの自動巻き腕時計には、宇宙を引用した名前のものがあります。

こちらもその中のひとつ、“ラドー スペース ウェーブ”。

あと数年で100歳になられるお客様、慣れ親しんだこちらの時計を
お使いになりたいと、オーバーホールをご依頼いただきました。

外装も傷の多い状態でしたが、中もかなり使い込まれた様子です。

ケースから取り出して、分解して行きます。


丸穴車を取り外そうとすると、中心の座金が大きさの違うものが組み込まれてました。
ガタツキが大きいので手巻き時にトルクがかかると、
隣の角穴車とかみ合いが悪くなりうまく巻き上げができません。


古いムーブメントのため部品入手が困難なので、時計旋盤にて新規に製作します。

まず素材の中心に穴をあけ、

外径を丸穴車の穴のサイズに削り出します。

仮組みして確認します。

熱処理後、摺動部を磨き組み込みます。
スムーズに巻き上げができるようになりました。



完成したムーブメントを、ケースに組み込み、

完成!!

オリジナルの金属ベルトも良い雰囲気。
ご使用のお客様と共に、長寿の時計です。