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特別捜査密着24時の『妄想飛行~冗談は脳内だけにしろ~』で野村さんが言っていたこと
>>「9つも歳が違うと同じ学校に通うなんてことないしさ、妄想が膨らむよね」
>>「もう少し年齢が近かったら、こんなこともあったかな~っていう俺のロマンじゃーん」
みたいに譲二さんも妄想してたかな…と思ったらこんなお話が浮かびました。
なお、妄想の中の『マスター』は先代マスターです。
☆☆☆☆☆
妄想飛行~譲二の場合 その7
まいったな~。
明里からのメールを見たせいだろう。
妄想の中にまで明里が入って来た。
自分の机の前で大きくため息をついた。
今日はクロフネの定休日だ。
定休日だが、ハルや一護たちが集まって一階でなんだかんだと騒いでいる。
もちろん、百花ちゃんと一緒に…。
俺はやることがあるから…と言って自分の部屋にこもっていた。
ノックの音がした。
譲二「はい?」
百花「マスター、お客さんですよ」
譲二「え? 誰?」
百花「明里さんていう、とっても奇麗な女の人です」
百花ちゃんがにっこり笑って言う。
譲二「ええ? 明里?」
確かにメールで『近々そっちに行く』とは書いてあったが…。
百花「マスター、ちゃんと恋人がいたんですね。知りませんでした」
俺は慌てた。
譲二「いやいや、明里は恋人なんかじゃないよ」
百花ちゃんは不思議そうな顔をした。
百花「でも婚約者なんですよね? 明里さんがそう言っていましたよ」
譲二「明里が?」
百花「ええ。ハルくんたちもみんなビックリしちゃって…。邪魔しちゃ悪いからってみんな帰っちゃいました」
譲二「あの、百花ちゃん…」
百花「私も自分の部屋にいますね。どうぞごゆっくり…」
百花ちゃんは明るく微笑むと自分の部屋に入った。
まいったな…。
明里が何の用で来たかはなんとなくわかるけど…。
つーか、明里は婚約者ではあるけど、俺の恋人ではない。
彼女にはちゃんと中学時代から付き合っている恋人がいる。
でも、それを百花ちゃんには説明できなかった…。
それ以上に俺に婚約者がいたことに全く動じていない百花ちゃんに俺はがっくり来てる。
妄想の中とは大違いだ…。
俺はため息をつくと、明里に会うために階段を下りた。
妄想飛行~譲二の場合 その8へつづく