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吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第八話~その3
〈譲二〉
最後のお客さんが会計を済ませて出ていった。
春樹「ありがとうございました」
一護「あーやっと客途切れた…」
2人の声には少し疲労の跡がある。
譲二「みんな…本当にずっと営業しててくれたんだね」
百花ちゃんが俺の上着を受け取りながら、「お客さんが『マスターは休み?』って心配してましたよ」と言った。
そんな風に心配してくれるお客さんもいたのか。
改めてありがたいな、って思う。
お客さんも…そして、こいつらも。
俺はみんなに向き合って、頭を下げた。
譲二「みんな、どうもありがとう」
口々にみんなが声をかけてくれる。
俺を気遣ってくれる、みんなの言葉が嬉しい。
そして一番頑張ってくれたのは…。
譲二「百花ちゃんも、本当にありがとうね」
百花「いえ、私なんて…それより、みんなのおかげです」
そんな風に、みんなを気遣う言葉を口にできるのが百花ちゃんらしいところだ。
その百花ちゃんの言葉にハルやりっちゃんは、百花ちゃんがみんなを教えたりさり気なくフォローしたことを話してくれる。
実家での話し合いのことが気にかかっていたろうに、その心配を見せないように頑張ってくれた健気さがとても愛しい。
みんなは俺も疲れているだろうから、店はもう閉めたら?と勧めてくれた。
言われてみて、かなり疲れているのに気づいた。
ただ、話し合っただけなのに、気を張り詰めっぱなしだったせいだろう。
話し合いがどうなったか、本当はみんな知りたかっただろうと思う。
だが、そのことには誰も触れなかった。
俺もそのことについては何も言わなかった。
実家に戻るようになったこと…、まずは百花ちゃんに最初に話したい。
2人だけで…。
いつも通り、百花ちゃんと2人でみんなを送り出した。
その4へつづく