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吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第八話~その4
〈譲二〉
夕食の時は、二日間のクロフネでのエピソードを百花ちゃんに聞かされた。
あいつらのドタバタした働きには腹を抱えて笑った。
そして、時々訪れる話の合間に、百花ちゃんが俺の説明を待ってくれているのが分かった。
しかし、その明るい雰囲気を壊すのが怖くて、実家でのことを口にすることは出来なかった。
百花ちゃんが部屋に引き上げたあと、食器を洗いながら、自分の決心を固めた。
逃げちゃだめだ。
百花ちゃんにはちゃんと話さないと。
☆☆☆☆☆
彼女の部屋の戸をノックした。
譲二「百花ちゃん、ちょっといい?」
百花ちゃんが返事をして、部屋に入れてくれる。
大事な話がある、と言うと彼女は少し緊張した面持ちで頷いた。
2人一緒にベッドに座る。
そっと、百花ちゃんの両手を取った。
譲二「…今日、実家で聞いてきたこと、ちゃんと伝えたくて」
百花「はい…」
百花ちゃんに実家での話の内容を噛み砕いて説明をした。
吸収合併は向こうから細かい提示を受けていて、このままでは避けられそうもないこと。
勢いのある武藤グループの傘下に入るべきと考えている人たちもいること。
譲二「それで…兄貴や親族とも、色々話し合ってきて…」
その後の言葉が続かない。
実家でいる間中、クロフネに帰る途中も帰ってからも、百花ちゃんにああ言おうか、こう言った方がいいだろうか、と悩んで悩んで、話すべき言葉は決めたはずなのに…。
黙りこんだ俺の顔を、百花ちゃんは心配そうに見上げた。
その5へつづく