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「あの夜からキミに恋してた」5話まで無料だったので、やり始めた。
例の目が覚めたら酔っ払った勢いで見ず知らずの男性と寝てたってヤツ。
厳密に言うと最初の3人に関しては見ず知らずじゃないんだけどね。
目を覚ました時には相手はシャワーを浴びてて、プロローグでは誰か分からないようになってた。
私としては、見ず知らずで謎の多い葉山さんが気になったんだけど、例のごとくまたしてもcoming soonだったε-(´∀`; )
で、王道VOLさん自信のオススメであろう全てが完璧エリート上司の橘さんではなく、顔が好みの鬼島さんを最初に読んでみた。
愛想はなくて、仕事には厳しい人みたいなんだけど、部下の頑張りを認めてくれる人で、庇ってもくれるし、理想の上司だった。
無料の間は気になるものの決定的な接近みたいなのはなし、ちょっともどかしい感じ。
だけど、鬼島さんには過去に恋人がいたけど、何か辛い別れを経験してるらしいことが、回りの会話からわかる。
続いて橘さんの無料分も読んでみた。
こちらは婚約者がいるという噂があり、本人に確かめると婚約者ではなくお見合い相手で、結婚するかもしれないし、しないかもしれないという意味深な答え。
ヒロインは橘さんに翻弄されつつ、彼の部屋で結ばれてしまう。
というわけで無料分だけで言うと橘ルートの方が甘いです。
ところで選択肢の結果ですが、鬼島ルートは一途に溶けあうキスエンド、橘ルートは大人の駆け引きキスエンドに見事に別れてしまってるf^_^;
橘さんのと大人の駆け引きなんて怖いんですけど…(^◇^;)
有料は480円。
ちょっとお値段高くなったけど、両エンドまで読むと動画かなんか見られるみたいだし、他のゲームの法外な値段のガチャのことを考えると、ま、いいかってことで、鬼島ルートを買いました。
結ばれるだろうか、どうだろうか、というドキドキ感は好きなので。
まだ7話くらいしか読んでないですが、彼の本心は分からないものの、彼のバイクの後ろに乗ったり、なかなか楽しいです。
前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
悪意~その8
〈譲二〉
玲さんはタバコを美味そうに吸って煙をくゆらすとまた話し始めた。
玲「アンタのことは憎たらしかったわ。アタシの持って無いものを全て持ってるくせに、アタシの父さんまで独り占めにして」
譲二「……」
玲「でもね、アタシはその『くそッ』て思う気持ちをバネにしてのし上がってやるって心に決めたわ。」
玲「アタシは美貌に磨きをかけて、先輩から接客術も盗み取って、嫌な客にもいつもニコニコして…。当時勤めてた店でNo. 1になって、引き抜かれて、そこでもトップをとって稼いだわ。
玲「そのうちに父さんが亡くなったって、風の噂で聞いたけど、一晩泣き明かして吹っ切った。アタシはアタシの人生を楽しんで、充実した日日を過ごしてたから」
譲二「なら、なんでまたクロフネを譲って欲しいなんて言い出したんだ?」
玲さんは自嘲気味に微笑んだ。
玲「店に手グセの悪い子がいてね。アタシは目をかけて可愛がってたのにね…。」
玲「そのせいで同類に見られたみたい。アタシとトップを争ってたライバルにその子とアタシはグルだって言いふらされたのよ。おまけにママの大事にしてた宝石類が何故だかアタシのロッカーからでてきてね」
譲二「それはひどいな…」
玲「上手くはめられたもんよねぇ。何とか警察沙汰だけは回避できたけど、その店は辞めることになったわ。」
玲「そんな時に父さんの店のことを思い出して、何となく来てみれば、昔と同じ佇まいで黒船があるじゃない?店の名前は若干変わってだけど」
譲二「そのまま、漢字の黒船を使うのはおこがましい気がしてね。漢字から一段落として、カタカナにしたんだ」
玲「しかも、この店をアンタが継いでるって知って、若い頃の憎しみが込み上げて来たわ。」
玲「本当なら、この店でマスターしてるのはアンタじゃなくて、アタシの筈だって。」
玲「だからね、間違いを正すためにこの店をアンタから奪おうって決めたの。アンタの大切なもの全部、奪ってやろうって」
(間違いを正すだって…?)
(俺から大切なものを奪うって?)
怒りがムクムクと湧いてきた。
譲二「それで百花ちゃんに手を出したのか⁈」
玲「そうよ!」
百花ちゃんはその声にビクリと身体を震わせた。
玲さんが俺たちを冷ややかに眺めている。
俺は百花ちゃんを抱きしめる手に力を込めると玲さんを睨みつけた。
譲二「俺に恨みを持つのも、俺をクロフネから追い出そうとするのも別に構わない。だけど、百花ちゃんに手を出すのだけは許さない!」
玲さんはフッと笑った。
玲「最初はただアンタに復讐するためにその子に近いたんだけどね。いつの間にか本気で好きになってたみたい。だから本気でアンタから百花を奪おうとしてた」
譲二「百花と呼ぶな!」
玲「ごめんね、百花。怖がらせるつもりはなかったのよ」
そう言って百花ちゃんの髪に手をのばす。
譲二「俺の百花に気安く触るな!」
譲二「玲さん、もう出て行ってくれ!俺の理性が残っているうちに」
玲「もう、夜の店はできないのね?」
譲二「もちろん。契約は解消だ」
玲「新しい店が決まったら連絡するわ。それまで私の物は置いといてちょうだい」
譲二「分かった。住所が決まれば全部送りつけてやる!」
玲「そう。ありがとう」
玲さんは百花ちゃんを一瞥すると踵を返して、出て行った。
扉がバタンと閉まる。
譲二「百花ちゃん、ごめんね。俺のせいで酷い目にあって…。怖かったろ?」
百花ちゃんは潤んだ目で俺を見上げた。
百花「譲二さんのせいじゃないよ。譲二さんは何も悪くない」
譲二「ごめんね、ちゃんと守れなくて」
百花「ううん。助けに来てくれて嬉しかった」
健気な彼女が愛しくて、そっと唇にキスを落とした。
『悪意』おわり
☆☆☆☆☆
玲次さんが悪役になってしまい、玲次さん好きな方には申し訳ないです。m(_ _)m
ヒロインのピンチの時に駆けつけて救ってくれる譲二さんを描きたかったんです。
ハルくんルートのハルくんみたいな。
有栖川玲というのは源氏名で本名は浦賀玲次ですね。
でも、譲二さんルートでは最後まで有栖川玲と名乗っています。
本家の吉恋でも、玲次さんは「クロフネを譲って欲しい」と現れますが、先代マスターの息子だからという理由だけではその理不尽な要求に至るのに弱い気がしたんです。
それで、玲次さんの心の闇?みたいなのを私なりに探ってみました。
玲次さんルートの話は無料の一話分しか読んでないので、本家の玲さんとは少し違うと思ってください。
先代マスターは譲二さんにとって人生の師であるというようなことを以前書いたと思います。
先代マスターにとっては、譲二さんは会うことのできない息子の身代わりのような存在で、とても可愛がっていたと思う。
また譲二さんからみても、影の薄い父親よりも慕う大人だった。
そんな疑似親子の姿を実の息子である玲次さんが見たら嫉妬を覚えたのではないかと。
そして、シェアカフェするようになって吉恋の他のメンバーとは打ち解けても譲二さんには心を許すことができなかった玲次さん、というのを描いてみました。
大切な譲二さんルートに乱入してきた玲次さんにはわだかまりがありますが、今回の話で描いた影のある玲次さんはちょっと気に入っています。
妖艶で底の知れない魅力のある人として描いてみたつもりですが、いかがでしょうか?
前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
悪意~その7
〈譲二〉
玲さんは窓に目をやり、窓を流れる雨を眺めながらつぶやいた。
玲「そのうちに手が空いたアンタ達は歴史の話題で盛り上がって…。」
玲「昔、アタシが小さかった頃によく聞かされた歴史のエピソードを父さんがアンタに楽しそうに話して、アンタはそれに的確に受け答えしてた。もう2人の世界って感じだったわ」
譲二「そうか…」
玲さんが話す俺とマスターの姿はあの頃の日常そのままだった。
だから、玲さんがクロフネを訪ねた日がいつだったのか、俺には窺い知ることはできなかった。
玲「その時、アタシ気づいたの。アンタは父さんの自慢の息子なんだって。」
玲「父さんがアタシになって欲しかった理想の息子がアンタなんだって…。男か女か分からないような息子なんていらない、アンタがいればいいんだって」
譲二「そんなことはないよ…。確かに、浦賀さんは小さい頃に別れた玲さんを俺に重ねてたのかもしれない。だけど、本当の息子に会えたら、それが一番嬉しいんじゃないのか。」
玲「そんなことあるわけない。その日結局父さんはアタシに気づかなかった」
玲さんの目から溢れた一筋の涙が白い頬を伝った。
玲「それからも時々覗きに来たのよ。流石にもう店の中には入れなかったけど…。」
玲「アンタはホント、入り浸ってたわね?店の前に水撒きしたり、看板を出し入れしたり…窓から覗けば父さんと楽しそうにおしゃべりするアンタが見えた」
譲二「ああ、あの頃は暇さえあれば、黒船に通ってたからね」
玲「でも、アンタはバイトですらなかったそうね…」
譲二「どうしてそれを?」
玲「色々調べたの。だから、アンタがあの茶堂院グループの御曹司だってことも知ってるのよ…」
玲「ちょっとタバコを吸ってもいい?」
そのふてぶてしい態度にまた苛立ちが募ったが、その気持ちをぐっと抑えて言った。
譲二「どうぞ」
その8へつづく