財務省は23日、森友学園との国有地取引をめぐる交渉記録を公表した。

この交渉記録の中には、安倍首相の妻昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が

15年11月、財務省理財局の担当課に学園との土地取引について問い合わせた内容もあった。

 

 「定期借地権の減額要望について」と題され、

「安倍総理夫人の知り合いの方から優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、

当方からお問い合わせさせていただいた」と記され、

森友学園側が国有地の貸付料の減額を希望していることを伝えていた。

 

 国有財産業務課の担当者は「担当者不在につき折り返し連絡する」と答えたと記されている。

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 安倍晋三首相は23日の衆院厚生労働委員会で、

2012年12月の第2次政権発足以降に、親友で学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長と

会ったのは計19回と明かした。

 

愛媛県が国会に提出した文書に記載があった15年2月25日の面会は

改めて否定した。立憲民主党の長妻昭氏への答弁。

〔写真特集〕「加計学園」問題~加計理事長が安倍首相と面談したとする文書~

 加計氏は通信・新聞各社が報じる首相動静に14回登場するが、

首相はこれ以外にも「相手が複数であれば『友人ら』ということで『ら』に含まれる場合もある」と説明。

写真などで加計氏と5回同じ場にいたことが確認できたという。


 この5回に関し、菅義偉官房長官は記者会見で「公務ではないので

政府としてその内容についてコメントは控えたい」と語った。(2018/05/23-18:43)

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財務省、森友交渉記録を昨年2月以降廃棄=佐川氏答弁と整合性-首相夫人付職員照会

学園側との交渉記録や改ざん前の決裁文書=23日午前、国会内

 財務省は23日、学校法人「森友学園」に国有地を安値で売却した問題に絡む学園側との交渉記録などを国会に提出するとともに、

問題が発覚した昨年2月以降、理財局職員が交渉記録の廃棄を進めていたことを明らかにした。

当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が、交渉記録は「廃棄した」と国会で答弁していたのと整合性を取るためで、

問題の真相を隠蔽(いんぺい)しようとした同省の対応に批判の声が高まるのは必至だ。

「虚偽答弁裏付け」=野党、内閣退陣要求も

 同日午前、衆院予算委員会の理事懇談会に関係資料を提出した富山一成理財局次長は、

佐川氏の答弁が事実と違っていたことや交渉記録廃棄の動きがあったことを謝罪したが、

誰の指示でどのように廃棄が進められたかなど詳細は明らかにしなかった。

 

富山次長は、森友問題をめぐる決裁文書改ざんとともに交渉記録廃棄の経緯を調査し、

速やかに報告するとしており、関係職員の処分などが今後の焦点となる。


 同省は、廃棄しようとした森友交渉記録の一部は見つかっていないが、

大阪地検特捜部の協力も得てほとんどが発見されたと説明。

国会提出した約950ページにわたる交渉記録は、

職員が「手控え」として個人のパソコンなどに保管していたとしている。

 


 これに関連し、菅義偉官房長官は23日午後の記者会見で

「国民から厳しい目が向けられていることを真摯(しんし)に受け止めながら、

麻生太郎財務相の指揮の下で徹底した調査を行い、再発防止に努めたい」と述べた。

 


 一方、野党側は同日午後、国会内で財務省などに対する合同ヒアリングを行い、

「廃棄は意図的か」「誰が指示したのか」と追及した。


 森友学園との交渉記録には、学園が開学を目指した小学校名誉校長に一時就いた

安倍晋三首相夫人の昭恵氏が学園関係者から相談を受け、

昭恵氏付だった政府職員の谷査恵子氏が2015年11月、2回にわたり

理財局に国有地の貸付料減額について問い合わせていたことが明記されていた。

 


 また記録には、学園側から陳情を受けた

5人の国会議員の秘書とのやりとりも含まれていた。5人は、

 

鴻池祥肇元防災担当相、

平沼赳夫元経済産業相、

鳩山邦夫元総務相(故人)、

北川イッセイ元国土交通副大臣、

柳本卓治参院議員。

 ただ、国有地売却で最大の焦点となっている8億円余りの値引きの具体的な根拠は、

交渉記録でも明らかになっていない。
 財務省は同日、これまで存在を否定していた森友との交渉記録に加え、

森友への国有地売却に関わる改ざん前の決裁文書約3000ページなども国会に提出した。(2018/05/23-20:52)