東北に行ってきました3

2013-11-02 00:43:44 | 東北 復興

花巻では、午後に特定非営利法人地域産業起こしの会によるシンポジウムがありました。題して「地域振興・震災復興を語るin岩手-岩手に全国の地域振興リーダー来る」でした。

基調講演が㈱アルプス技研の創業者であり最高顧問の松井利夫氏による「復興後の未来企業に求められるもの-起業家精神を持つリーダーが未来を創造する-」

そのあと、パネルディスカッションで
 岩手大学工学部教授清水健司
 プラットフォームサービス㈱田辺恵一郎
 北上市地域産業連携復興支援員登内芳也
 (有)ゆいまーる牧場代表取締役金城利憲
 観光庁観光地域振興部長吉田雅彦
 ㈱いわきテレワークセンター代表取締役会田和子

各氏による「地域振興・震災復興を語る」でした(コーディネーターは岩手大学地域連携推進センター産学官連携コーディネーターの佐藤利雄氏)。

残念ながら、ブログへの書き込みに少し時間が経ってしまい、その折の興奮が少し覚めてしまいました。 

 

◆未来企業と偉大なるリーダーとは

松井氏の講演で面白かったのは、未来企業に求められるものとして「合理的浪花節経営」の実践というお話でした。仲間意識、村社会から来ている「好き嫌い」で判断する非合理的な判断基準を現在の90%から30%に下げ、理性に基づく合理的な判断を70%に上げる。一方で、「非合理な」30%として、義理、情、感覚を残すべきとしているところでした。義理・人情をベースにした日本的鵜経営の価値体系と倫理を生かしながら、効率性と合理性を追求する経済文化を重要視した欧米のシステムを調和させたものとのこと。

変化の先を行くリーダーの条件として、ステージ1:自分さえよければ良いと自己中心的思考でモノとカネに神経が集中する段階から、ステージ2:理念を持ち、人間の心について考え、無形なものの大切さを発見するへ、さらにステージ3:自己修正を図り、心の本質に迫る。組織の私物化から脱却し、組織の社会性、社会貢献を考えるとのこと。

優れたリーダーは、自ら実行してみせ、背中で示す。偉大なるリーダーは心を燃え立たせる。自分だけでなく、部下や周囲の人も巻き込んで、その心を燃え立たせているか。・・・これ(偉大なるリーダーの要件)は、確か社会起業家を評価する指標にもありました。

 

◆「千年先の子どものための懐かしい未来創造」

岩手大学は、従来から、INS(岩手ネットワークうシステム≠いつも飲んで騒ぐ)として産学連携を熱心にやり、かつ成果を上げているので有名です。清水先生は、持ち時間が短いため、手持ちのパワーポイントを端折られたので、後でCDを頂戴しました。復興に向けてのいろいろな取り組みの状況が示されており、これは、もう少しじっくり勉強して報告したいと思います。

①自然資本、②伝統資本、③信頼と誇り資本を重視。文明災害を受けて、近代化で失ったものを取り戻すチャンスと捉え、新しい未来を作ろうとされているようです。

本当に、小泉さんではないですが、この災害を新しい未来創造のチャンスに変えたいものです。安倍さんは、高度成長期の手法を再現して景気回復を図ろうとしていますが、ヒンズー教のシヴァ神のように、洪水の後に、新しい創造が始まると考えたいと思います。

 

◆魅力ある農業を目指して(沖縄ゆいまーる牧場

(有)ゆいまーる牧場の金城さんは、凄い。ずっと戦っている。もともと、沖縄は、子牛の生産をしていたのを、成牛にまで育て、それをブランド化し、6次産業化してきた。それを阻むJA等と戦ってきた。沖縄は、いくつもの島からなり、多様であるのに、砂糖キビ偏重の農業はおかしいのではないか、もっと多様性や可能性が追及されるべきとして、身を持って実践してきた。儲かる農業を目指して後継者が育つ環境にしたいと熱い。

 

◆福島と他の地域は違う

会場からのご意見のなかで、岩手などは、津波や地震で大変な被害を受けたけれども、時間はかかるだろうが復興できるだろう。しかし、福島は違うと福島から来られていた方が話されていたのがとても印象深かった。