相原さんがお声かけして下さったのは、吉祥で椅子のプロジェクトを始めようという建築家のグループが練馬区の「ちょイス」を見学したいということがあったからでした。
彼ら彼女ら(水城さん、加藤さん、小谷さん)は、3人の建築家ですが、それぞれ別々の建築事務所で働いているけれど、吉祥寺というキーワードでなんとなくつながりのあるお仲間らしい。
◆「住みたいまち№1」は本当か?
吉祥寺は、いろいろな調査で「住みたいまち№1」に良くなる街ですが、最近では、情報が消費されるような観光地化が進んでおり、街の多様性が無くなりつつあるとの危機感を持たれている。
ハモニカ横丁の仕掛け人VICが住んでいて楽しくするためのコミュイティ・デザイン・コンペを行った。それに、彼ら彼女らの「椅子」でつなぐ街というコンセプトが選ばれた。
彼ら彼女らのアイデアは、「どの街も、そこで暮らし、働き、訪れたひとびとのさまざまな歴史が積み重なってできている。そのような『街の記憶』を多くの人に知ってもらい、共有することで、訪れる人と既に住んでいる人を結びつけることを目的とした仕組み」を提案すること。その仕組みの鍵となるのが「椅子」
使わなくなった椅子を寄付してもらい、それを赤く塗って街中に設置する。地図に椅子が置いてあるところが記され、椅子には番号が振ってあり、スマホなどでみると寄付した人のメッセージやこの街への思いが読めるというもの。椅子を赤くペンキで塗るワークショップなども開きたいとしている。街づくりNPOを立ち上げてそこが椅子の管理運営をすることを考えているとのこと。
上記にリンクした記事に書かれているが、『Hanako』に特集され、それを片手に特集された店だけを回るような、消費されるまちにしたくない、あるいは、有名店にはずらりと列が出来て住んでいる人がちょっと買い物するには不便になっているまちになっているのではないか・・・・というような危機感がVICを始め古くからの店の人にはあるらしい。
◆赤い椅子に期待したい
コンペで優勝して手にしたのは、VIC(飲食店や家電のお店で使える商品券だったようで、実際にこのプロジェクトをやるには、資金的にも苦しいようだし、本業とは別の仕事だが、楽しいプロジェクトだし、意味もあると思う。
吉祥寺に出かけたら、赤い椅子がないかどうか、見てあげて欲しい。