見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

胸が熱くなる加藤登紀子の歌とトーク

2007-02-04 10:49:16 | 文化・映画・演劇・音楽
無認可保育園の運営支援企画で加藤登紀子コンサートが開催された。

設立以来30年近く、その良質な保育で働く親たちを支援してきた同保育園がいよいよ認可され再出発するという。親である我庁の職員たちもチケット販売に奔走した。私もチケットを2枚買い、様々な困難の中でしなやかに生きている会社経営者でエッセイストの友人に声をかけた。

加藤登紀子は、最高だった。

1943年生まれの彼女は、4人のバックメンバーと共に自在にステージをつくり、2階席まで埋めた観客たち全員にあふれるばかりの笑顔と叙情的な声を届けた。
家族を語り、青春を語り、仲間を語り、生きてきた人生、これからの人生を語る。
「いろんなことがあったけれど、歌というのは、ずっと自分と一緒に生きてくれるものなんですね」としみじみ語る彼女の言葉が心にしみる。

中森明菜に「難破船」を贈った気持ち、「この空を飛べたら」の中島みゆきとの出会い、「生きてりゃいいさ」の河島英五との語り合い。どれもこれも、その時代の世相と自分の姿がオーバーラップした。

「知床旅情」を共に歌いながら、目の前の席の壮年男性が涙を拭う姿が目に入った。気づくと周囲の人たちのほほも濡れている。そして、いつのまにか自分もその一人となっていた。

弾き語りを始めると暴走するんですよね、私 / 60歳からが本当に自由 / 大きな力に負けそうになるんですけど、負けないで

「今日はほろ酔いコンサートじゃないから」と水で喉を潤しながら歌い続けた彼女は、アンコールに応えて数曲歌い終わった後、楽屋からグラスとボトルを持ち出した。「地酒をいただいたので」と4人のバックミュジーシャンと乾杯し、一息に飲み干した後、さらに2曲のメッセージソングを力強く歌った。

「中島みゆき、さだまさし、谷村新司・・・いくつもコンサートに行ったけど、加藤登紀子はこれまでで最高。生き方の違いが出る。歌唱力、エンターテイメント性、サービス精神、茨の人生を送ってきた女だけが放つ美しい光」と、隣の友人はエッセイストらしい感性で絶賛。

保育園応援のために買ったチケットだったが、加藤登紀子の歌とメッセージに勇気付けられたのは私の方だった。



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3 コメント

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魂の歌 (ワイン)
2007-02-05 23:19:58
①&①さん、「ソウル・ミュージック」という言葉がありますね。ジャンルを表現する言葉とは別に、まさに、自分の魂を奏でる音楽という意味で使うのでしょう。①&①さんの魂の歌はありますか。

旬さん、100万本のバラも、この日は歌ってくれました。会場の聴衆と一緒に、何度も何度もサビの部分を繰り返し歌いました。
私も、赤いバラを贈ってもらえるような素敵な女性になりたいです(^^!)
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Unknown ()
2007-02-05 23:13:27
加藤登紀子の歌に救われた思いをしたことがあります
「生きてりゃいいさ・生きてりゃいいさ・・・喜びも悲しみも立ち止まりはしない、めぐりめぐっていくのさ・・・」
 私もほろ酔いコンサートを聴いたことがありますが
胸が熱くなるコンサートでした。「100万本のバラ」の歌声がいまでも浮かんできます
返信する
 (①&①)
2007-02-04 20:18:23
挨拶・映画・コンサ-ト・踊り・芝居・そして人と人
魂のある人に魂がひかれるんですね・・・・
魂を伝えられる人!!
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