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13歳の夏に僕は生まれた

2006-09-10 21:55:58 | 映画2006
 衝撃のラスト映像・・・といってもジョディ・フォスター、ブルック・シールズを超えることはできないか。

 テーマとしては、裕福な家庭に育った少年サンドロが不法移民を乗せた船に助けられ、様々な国の難民や貧しい人々と接し、世の中の価値観が変化するという、いわば少年の成長物語です。最初はボートから海に落ちてしまい、暗い海の中で漂う様は『オープン・ウォーター』を思い出すような映像でしたが、助けられたときには小さい船に100人以上乗っているかのような悲惨な密航船映像。凄すぎますよ、この船。クロアチア、モンテネグロ、クルド、アルバニア、インド、スリランカ、モロッコ、スーダンなど様々な国籍の難民が乗り合わせ、わからない言葉が飛び交うシーンでは、あたかも観客が無国籍地帯に放り出されたかのような感覚に。

 裕福な家庭の少年という設定では、小市民的観点からするとこのサンドロ少年の心のほうが掴みにくい。ラドゥとアリーナの兄妹に心を許すものの決定的な繋がりに欠けているのです。自ら「信用するな」といった台詞には、彼らにこれ以上失うモノがないという投げやりな気持ちも含まれていたと思うのですが、同じ行動を取ろうとしても最後には帰る家があるサンドロには友達になるくらいの軽い気持ちだったのではないでしょうか。

 しかし、この映画はなかなかいい。ぜひ裕福な家庭のご子息たちに観てもらいたいものです。

★★★・・

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5 コメント

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衝撃のラスト (かのん)
2006-09-11 10:57:37
何不自由なく裕福な環境で育った少年の目には、少女を待ち受けていた現実を知って、自分の無力さを知り虚しさに包まれてしまったのでしょうか。



彼らのような人々が現実に存在するという事実を知るだけでもこの作品の果たす役割は大きいかもしれません。

今の日本に生まれた子供達は生きるために必死になるなんてことはほとんどないんでしょうね。裕福なのが当たり前の生活では裕福という実感もないのかもしれません。
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こんにちは♪ (ミチ)
2006-09-14 17:39:54
ラストは衝撃的でした。

あの二人は本当は兄妹ですらないのでしょうか?

あの部屋の様子・・・三脚のカメラまでありましたね・・・がとてもイヤでした。

アリーナちゃんはなかなかの美人さんですよね。

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アリーナ (kossy)
2006-09-15 21:21:24
>かのん様

自分の力。裕福な家庭だけに、ボランティア精神というか、なんとかしてあげたい気持ちが余計に強かったのかもしれません。

おっしゃる通り、事実さえ日本じゃわからないことだらけ。そうした点では素晴らしい映画だと思います。

それにしても日本人も難民について多くを知らなければいけませんよね~なんとかならないのでしょうか。



>ミチ様

兄妹ですらない・・・その可能性もありますよね。だけど、あの無表情なアリーナの心の奥底は・・・などと考えると、実際に兄妹であったほうが衝撃的なんですよね。

三脚のカメラまで・・・気付かなかったです。

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Unknown (ひめ)
2007-07-16 23:49:42
こんばんは。
セリフだったりいろんなものがどこかしらにつながっていて
あっ!と何度も思わされました。
そこで反復するというか、いろんなものが強く印象に残りました。
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台詞 (kossy)
2007-08-31 01:47:29
>ひめ様
ううむ、思い出せない・・・なんだか途切れ途切れの映像しか。
でも、兄妹かどうか等の謎めいた部分もあるし、何度観ても耐えれるくらいおくの深い映画だったんですね。
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