まさか!テッサ(レイチェル・ワイズ)がいきなり死ぬなんて・・・ひょっとすると双子の妹が現れてジャスティン(レイフ・ファインズ)の調査を手伝うのかと思ったよ・・・
ジャスティン・クエイルはガーデニングしか趣味のない平凡な男(と言っても英国外交官だからそれだけでも非凡なんですけどね)。彼はイラク戦争に憤りを感じている勇気ある活動家女性テッサと結婚し、ナイロビに住む。そして、アーノルド医師とともに北のロキへ飛び立ったテッサがトゥルカナ湖で殺害されてしまうのです。一緒に殺された黒人男性がアーノルドではないとわかると、周囲の情報から「妻がアーノルドと不倫していた」ことを疑ったりするものの、彼女との真実の愛を信じて独自の調査を始めるというストーリー。
いきなりの展開に驚かされましたが、テッサとの美しい記憶映像が所々で挿入され、疑念のためぐらついたジャスティンの心も軌道修正したのでしょう。何しろアフリカ・ケニアの人たちに愛をもって接し、大企業や政府の汚職などの悪を憎むテッサ。不倫などするためにアフリカに渡ってきたのではない。ほんの小さな力が社会悪を告発し、製薬会社の人体実験のような治験をやめさせようと頑張っていたのだ。彼女を信じようと、非力ながらも身を粉にして行動するジャスティンはまるで公務を忘れ去ったかのようだった・・
日本の製薬会社でも新薬開発には巨額を投じる。開発費だけでも100億円を超える薬などざらにある。実際に臨床治験する段階になっても、データを集めるためには医師に支払う治験料が莫大なので、アフリカで何も知らない人たちに投薬するのはかなり効率が良いのかもしれない。しかも、不充分な医療施設の中にあっては、データ捏造などが容易く行なえそうだ。また、承認されてない新薬を賄賂によって使用するなど・・・
社会派サスペンスとしては、主人公が狙われすぎという感がどうしても拭えない。そこまでアフリカだけなら、殺し屋を雇うにも賃金が安くて済みそうだけど、ヨーロッパでの執拗な追跡劇をみると、権威ある医者に金をつぎ込んだほうが効果があるのではないかと思ってしまいます。ましてや抗結核薬ですからそれほど巨額の富(ブロックバスターと言っていた)を生むとは思えないし、それなら開発中止にしたほうが採算面で釣り合うような気がします。エイズの特効薬だったらよかったのに・・・
レイチェル・ワイズはオスカーを取っただけあって素晴らしい演技。特に、自分の子が死産だったという現実に対して悲観に暮れずに、他人の子へ愛情を注ぐシーン。涙を溜めながら前向きに生きていこうとする姿は感動的。もちろんお腹も素敵でした。そして、ビル・ナイやピート・ポスルスウェイトの脇ながら存在感のある演技は当然なのかもしれませんが、サンディを演じたダニー・ヒューストンが良かったです。
ちょっとだけ不満だったのは、ジャスティンが最後に取った行動がテッサの後を追おうとしたところ。実際には何者かに殺されたとわかるのですが、彼女の人生を理解したのなら捨て身の行動は取っちゃいけないと思うのです。もしかすると、飛行機でひとりの子供を救えなかったことに自分の非力さを思い知らされたことが原因なのか・・・
★★★★・
《一口メモ》
日本では薬価(政府が決める薬の定価のようなもの)が設定されていて、2年ごとに見直しされどんどん値段が下がっていくのですが、この下げ幅も各製薬会社の政治力が絡んでいる。企業が自民党にどれくらい政治献金をしたかによって、薬価に差が出てくるのです。
また、厚生労働省を引退した官僚を役員として引き入れることに躍起になる製薬会社。元厚生省の役員もしくは社員がいる製薬メーカーはどんなクソ新薬を作っても承認されてしまいます・・・あぁ、恐ろしい。
ジャスティン・クエイルはガーデニングしか趣味のない平凡な男(と言っても英国外交官だからそれだけでも非凡なんですけどね)。彼はイラク戦争に憤りを感じている勇気ある活動家女性テッサと結婚し、ナイロビに住む。そして、アーノルド医師とともに北のロキへ飛び立ったテッサがトゥルカナ湖で殺害されてしまうのです。一緒に殺された黒人男性がアーノルドではないとわかると、周囲の情報から「妻がアーノルドと不倫していた」ことを疑ったりするものの、彼女との真実の愛を信じて独自の調査を始めるというストーリー。
いきなりの展開に驚かされましたが、テッサとの美しい記憶映像が所々で挿入され、疑念のためぐらついたジャスティンの心も軌道修正したのでしょう。何しろアフリカ・ケニアの人たちに愛をもって接し、大企業や政府の汚職などの悪を憎むテッサ。不倫などするためにアフリカに渡ってきたのではない。ほんの小さな力が社会悪を告発し、製薬会社の人体実験のような治験をやめさせようと頑張っていたのだ。彼女を信じようと、非力ながらも身を粉にして行動するジャスティンはまるで公務を忘れ去ったかのようだった・・
日本の製薬会社でも新薬開発には巨額を投じる。開発費だけでも100億円を超える薬などざらにある。実際に臨床治験する段階になっても、データを集めるためには医師に支払う治験料が莫大なので、アフリカで何も知らない人たちに投薬するのはかなり効率が良いのかもしれない。しかも、不充分な医療施設の中にあっては、データ捏造などが容易く行なえそうだ。また、承認されてない新薬を賄賂によって使用するなど・・・
社会派サスペンスとしては、主人公が狙われすぎという感がどうしても拭えない。そこまでアフリカだけなら、殺し屋を雇うにも賃金が安くて済みそうだけど、ヨーロッパでの執拗な追跡劇をみると、権威ある医者に金をつぎ込んだほうが効果があるのではないかと思ってしまいます。ましてや抗結核薬ですからそれほど巨額の富(ブロックバスターと言っていた)を生むとは思えないし、それなら開発中止にしたほうが採算面で釣り合うような気がします。エイズの特効薬だったらよかったのに・・・
レイチェル・ワイズはオスカーを取っただけあって素晴らしい演技。特に、自分の子が死産だったという現実に対して悲観に暮れずに、他人の子へ愛情を注ぐシーン。涙を溜めながら前向きに生きていこうとする姿は感動的。もちろんお腹も素敵でした。そして、ビル・ナイやピート・ポスルスウェイトの脇ながら存在感のある演技は当然なのかもしれませんが、サンディを演じたダニー・ヒューストンが良かったです。
ちょっとだけ不満だったのは、ジャスティンが最後に取った行動がテッサの後を追おうとしたところ。実際には何者かに殺されたとわかるのですが、彼女の人生を理解したのなら捨て身の行動は取っちゃいけないと思うのです。もしかすると、飛行機でひとりの子供を救えなかったことに自分の非力さを思い知らされたことが原因なのか・・・
★★★★・
《一口メモ》
日本では薬価(政府が決める薬の定価のようなもの)が設定されていて、2年ごとに見直しされどんどん値段が下がっていくのですが、この下げ幅も各製薬会社の政治力が絡んでいる。企業が自民党にどれくらい政治献金をしたかによって、薬価に差が出てくるのです。
また、厚生労働省を引退した官僚を役員として引き入れることに躍起になる製薬会社。元厚生省の役員もしくは社員がいる製薬メーカーはどんなクソ新薬を作っても承認されてしまいます・・・あぁ、恐ろしい。
「ちょっとだけ不満だった」ところは私も同じことを思いました。ジャスティンの行動に「それは違う!」と思いながらも、切なかったです。
TBさせていただきました。
でも、愛し合いながらもお互いによく分かり合っていない夫婦を作り上げるにはあんなエピソードが必要だったんでしょうね。
観客にも色々とテッサについて疑念を抱かせる作りになっていたところが、ちょっと嫌でした。特に不倫疑惑!
kossyさんがあげていた素敵なシーンでも、うなだれる夫の横でテッサが黒い肌の赤ちゃんにお乳をあげているのをみて、「あれっ」と思わされちゃったし(><)
たとえ不倫していたとしても、何人の異性と関係があったとしても、配偶者への愛が嘘になるわけじゃないだろ?と思っちゃったんですけど(^^;)
夫としてはそうもいかないのかしら・・・。
そうですよね~
あの場面、テッサの気持ちと一体になったと思ったからこそ、別の行動をとるかと思ったのに・・・
でも従弟の弁護士に手紙を託した時点で、予想はできたんですよね。あぁ切ない・・・
>aiai様
黒人の赤ちゃん。
一瞬、ドキッとしましたよね。
あの演出はちょっとずるいような気もしました(笑)
不倫については、疑ったもののすぐに違うんだと気づきましたよね。あれが最後までずるずると・・・となったら、ちょっと駄作になったかもしれません。
結局は盆栽好きの外交官だったわけですから、平平凡凡とした生活を望んでいた。だから不倫については文句も言えない立場だったと思うのです。
最初のアフリカ行きのエピソードにしても、結局は不倫疑惑を持ってしまった原因をほのめかすためのエピソードだったんじゃないでしょうか。
日本でもそんなことがあるんですね。
この映画でもアフリカではあんなことが・・・
怖い世の中です。
ラストはちょいと納得しにくいものでしたね。
知った上でほか任せにせずもっとほかにすることがあるんじゃないかとか思うんですけど・・・
日本の薬業界も欧米に劣らず陰湿な面があるようです。何百億と稼いだ脳の特効薬が全然効果がない薬だとわかったこともありました。
薬害の問題でも被害者の数はすごいですからね~
やっぱりラストが疑問ですよね。
外交官の特権を生かしてもっと活躍してほしいところです。
でもまぁ・・・お尻とおっぱい拝めたからいいか(爆)
どん底の生活・・・って言えば失礼なんだけど、それでもみんな生き生きしていたところがよかったね
観に行ったらきっと あれー???と思う映画じゃないでしょうか。
テッサの愛は大きかったかもしれないけど、
どうしてダンナに一切黙っているんだろう。
危険に晒したくなかった、というのはわかるんだけど・・・。
社会派映画大好きの俺としては、薬を扱ったあたりで評価が上がったようです・・・
アフリカの子供たちの目は輝いてましたね~
もうちょっと見たかったところです。
俺は試写会だったのですけど、さっさと席を立つ人が多かったですね~7~8割くらいだったか・・・多分、勘違いしてた人たちでしょう。
ダンナに一切黙っていたのは、自分の活動がやりづらくなるからじゃないでしょうか。誰かにバレてしまうと、ダンナが転勤させられるとかの・・・
どうなんでしょうね~