ネタバレ映画館

映画ドットコムに記事を移行してます!

エミリー・ローズ

2006-03-11 01:17:05 | 映画2006
 『エクソシスト』では首が回るシーンが有名だが、この映画ではまるで中国雑技団によるイナバウアーのような決めポーズが印象に残る。

 悪魔が取り憑くのは深夜3時。草木も眠る丑三つ時である。被害者はエミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)。最初は原因不明の痙攣と幻覚。医師もさじを投げてしまうほど症状だったが、薬によりなんとか改善が見られそうだったのですが、結局はエクソシストのムーア神父(トム・ウィルキンソン)に依頼し死なせてしまうことになり、過失致死罪に問われてしまう。

 ホラー映画というよりは法廷劇。悪魔の憑依による恐怖映像も流れますが、悪魔の存在をいかに証明するかが映画のテーマとなっています。初期症状である痙攣のシーンでは野村芳太郎監督の『震える舌』を思い出してしまいましたが、音響効果も素晴らしくて、ビク~ンっと体が硬直してしまいそうになりました。そして漫画チックでもあった『エクソシスト』よりもリアルさが溢れていて、やはり実話なのか?と信じてしまいそうになります(はっきりと結論づけたくないのです)。また、映画の中ではかなり脇役でしたが、エミリーのボーイフレンド、ジェイソンが彼女の家族とともに最後まで面倒を看ていたところが良かったです。

【ネタバレ反転】
 裁判の結果は有罪。しかし、刑の執行は今日で終わりという執行猶予よりも甘い判決でした。陪審員も悪魔の存在を信じた結果として捉えてもよいのでしょうけど、エクソシストとしてカトリックの任務を全うしたムーア神父を評価しただけかもしれません。

 何しろ法廷において悪魔が存在すると認められたら、魔女裁判なども正当化されそうで危険です。司法と宗教というものが相容れないものであるから、悪魔が存在するなどという判例は作れないでしょう。しかし、宗教家としての職務であることも否定はできないので、映画としても結論はぼかしてあるように思えました。まだまだ議論の余地がありそうな問題ですね。


★★★・・

コメント (37)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 真夜中のピアニスト | トップ | イーオン・フラックス »
最新の画像もっと見る

37 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
怖さ (arudenteな米)
2006-03-11 18:02:26
ネタバレ反転に関わる感想の部分が観終わって一番怖かったです。

『震える舌』もホラーにしか見えない予告と演出でしたね。来るぞ来るぞ… こないかな? キター!みたいな。
返信する
イナバウアー・・・ (ノラネコ)
2006-03-12 11:34:11
これ観て荒川さんて体柔軟なんだなと思いました(笑

オカルトとしては変化球ですけど、中々面白かった。

ジェニファー・カーペンターの演技は凄かったですね。

顔がもう怖くて怖くて。

ちなみに「震える舌」は勝手に日本製オカルト映画の最高傑作に認定しております。

破傷風菌?いえいえあれは悪魔ですって。
返信する
イナバウ・・・ (kossy)
2006-03-12 12:13:00
>arudenteな米様

一番怖いのはそうですよね。

恐怖体験はビデオにでも写さないとわからないことだし、それを聞いた人の判断が一番怖い。



>ノラネコ様

ジェニファー・カーペンターは良かったですね~

あの格好はかなり痛かったことだろうと想像してます。

『震える舌』は怖いですよね~

悪魔のような気もしますけど、破傷風そのものが悪魔菌なのかもしれないですね・・・それにしてもオカルト最高傑作とは(笑)
返信する
音にびっくり! (ゆづ)
2006-03-12 20:30:59
kossyさん、こんにちは。

ドアがバターン!と閉まる音とか

べたべたなのでしょうが、結構驚いてしまいました。

ジェニファー・カーペンターの顔は

実は割と好みなので、頑張って演じてはいるものの

その歪みに小ショック。

これからいい役がつくといいなぁと希望してしまいました。
返信する
ドキドキ (kossy)
2006-03-12 21:07:46
>ゆづ様

俺も驚いていたようです。

座席が揺れるくらい・・・隣の人ごめんなさい。

ジェニファー・カーペンターは今後も活躍するのかわかりませんけど、リンダ・ブレアーのように落ちぶれないことを願ってます。

返信する
難しい。。 (GO)
2006-03-12 23:36:26
ちょっと原作読んでみたい気がしました。弁護士英エリンに起こった不可思議な現象は実際本当に感じていたのかとか。。エリン役のローラ・リニー結構好みだったりします。はっとする美形じゃないのになんとなく美人に見える。。法廷で追い詰められて涙ぐんでいる場面なのて結構良かったなぁ。。個人的好みですけど。。(苦笑)
返信する
ローラ・リニー (kossy)
2006-03-13 00:30:38
>GO様

俺もローラ・リニーが好きになりました。

今までどうして注目しなかったんだろう・・・結構出演作は観てるのに・・・今までは弱い女性を演ずることが多かったからかもしれないですね。

弁護した人が殺人事件を犯した事実を聞いたときの微妙な表情もよかったです。
返信する
ようするに・・・ (しんちゃん)
2006-03-13 13:19:02
 一人の女性が亡くなった

その原因はどうであれ、餓死みたいなものなわけで・・・

 栄養を与える・・・もしくは病院に入院させることを怠ったと言う意味で有罪じゃないかな?



 「震える舌」はちょっと誤解を与えかねない映画でしたね(^^;



 どれもこれもイナバウアーでヾ(@^▽^@)ノわはは
返信する
悪魔の金メダル (たましょく)
2006-03-13 15:36:11
 ども、たましょくです♪



 やっぱ時期が時期だけに、エミリー

のイナバウアーは見物でしたよねw



 検事と結託して、悪魔までもが自分

の存在を証明させないように力を使っ

ているのか?と思ってしまいましたw



 エミリーの豹変と法廷での淡々とし

たやりとりがなかなかのバランスで描

かれていたなぁ~と♪
返信する
餓死 (kossy)
2006-03-13 17:59:11
>しんちゃん様

なるほど、餓死だったのですか・・・よくわかりませんでした。

そういえば、ネパールの菩提樹の下で半年間絶食していた少年が行方不明だそうです。半年も食わないってのは、すごいですよね。

イナバウアーはみなさん書かれているようで(笑)



>たましょく様

エミリーはすごいです!

どうしてあんな格好が出来るのでしょう。

とりついた悪魔だって頭を悩ませながら手足を動かしたのでしょう・・・・て、6匹の悪魔がいるんだっけか・・・

悪魔が操作するのは検事より陪審員が正解だったのかもしれませんよね。6匹いれば1匹あたり二人ずつってことで。

法廷劇とすればいい映画でしたけど、なんだか結末が微妙だったので、点が下がっちゃいました。
返信する

コメントを投稿

映画2006」カテゴリの最新記事