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メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

2006-07-10 01:31:59 | 映画2006
 序盤に時系列をいじってあるのなら、前もって教えてほしかった。おかげであちこちに出てくるトミー・リー・ジョーンズが地球を調査する宇宙人じゃないかと疑ってしまった・・・

 スペイン語も自由自在のトミー・リー・ジョーンズ。今作品での彼はメキシコ人メルとの篤き友情もさることながら、一つの約束を守るためにかなり強引な方法でわが道を突き進むカウボーイだ。自分よりもかなり若いメルキアデスを殺された悲しみと、不法入国者であるというだけで人権を無視するアメリカ人を憎んでいるかのような性格を表に出すのです。とりわけ品行方正でもないけど、メルを故郷のヒメネスで埋葬するんだという一途な想いが伝わってきました。

 友人を殺された恨みで短絡的に復讐するというのも一つの道だったのかもしれないけど、目的を果たすために犯人を殺すわけにはいかなかったのだ。自分の財産なんてのもどうなろうと知ったことじゃない。ロバや馬を失い、細かな経費さえ目的のためならば惜しまない。さらに国境警備隊の包囲網も突破しなければならなかったのです。

 ロードムービーとなる後半。馬とロバと犯人と死体という不思議な組み合わせによって、とんでもないコースを辿る。途中、孤独な盲目の老人のエピソードや、ガラガラヘビの毒で死にかかった犯人を助けるくだりも面白い。そしてメヒネスという町は存在しない!という意外な展開で最高潮に達しました。

 その他、犯人の嫁さんとメルキアデスの関係や、二人と不倫しているウェートレスとか、暴力の因果応報などといった複雑に絡み合う人間の面白さが秀逸でした。それにしても、親切なメキシコ人からもらったクマの肉はいつ食べたのだろう。死体と一緒に食べたのかな。そして、盲目の老人の行く末も気になるところですね。

★★★★・
気をつけよう コヨーテ狩りと スケベ本

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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
kossyさん☆ (mig)
2006-07-10 09:58:33
この作品、(好きではないけど注目していた)バリーペッパーがかなり良い味でした



トミーリーおじさんの監督としての次回作にも

期待できそうですよね
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バリーペッパー (kossy)
2006-07-10 10:34:51
>mig様

彼の演技は良かったですね~

最後まで素直にあやまらないところなんて、アメリカ人気質なのでしょうか。それを見事に表現していたような気がしました。

コーヒーの宣伝にあのようなオチャメな役で出るなんて、役者魂を感じました(笑)当然、次の映画も期待しています。
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そーなんす (sakurai)
2006-07-10 11:31:02
この映画見て、一番強く感じたのが『因果応報』!キリスト教的なものより、仏教的なものを強く感じました。

アリアガの本はどれもそうなのですが、ぐぐっときます。
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国境の川 (しんちゃん)
2006-07-10 12:33:23
 ああも簡単に国境を越えていくっていうのがやっぱ映画だと信じたいです(^^;



 メキシコ人ってみんないい人だよね(笑)



あのあと・・・彼らはまた一緒に旅をするんだろうね・・・そう信じたいです
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見ました~♪ (ミチ)
2006-07-10 13:50:02
あの熊の肉、腐らないのか、いつ食べたのか、激しく気になりました。

メキシコ国境近くでエッチ本を見てするコト、爽快なのかなぁ?それも激しく気になります(笑)

トミー・リーもいい味出てますね~。

またまた気になるオヤジが増えました!
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こんにちは。 (charlotte)
2006-07-10 16:41:23
この頃、ロードムービーにはまりまして・・・

トミーリーもいいですがこの作品ではやっぱりバリーペッパー一押し!です。

いっちゃってましたね~、白目むいて。笑

複雑な人間関係と思わぬ展開。

私は盲目のおじいちゃんが気になってしかたがありませぬ。

結構道路映画の中では起伏があり、ほろりともさせられ、面白かった作品でした。

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おじいちゃん (kossy)
2006-07-10 16:57:16
>sakurai様

そうかぁ~仏教的な因果応報だったのですか。

宗教の比較はわからないのですが、なんとなく伝わってきますね(←いいかげん)。

折られた鼻の上のバンソーコーになんとも言えない面白さがありましたね。



>しんちゃん様

国境越えにはいっぱい方法がありそうな・・・

昔の西部劇でも見たことがあるような風景がよかったですよね。

あの後マイクはどうするか・・・う~む、わかりません。



>ミチ様

クマの肉ってどんな味なんでしょう。

「かもめ食堂」ではトナカイの肉が気になってしまったんですけど、日本にいると食べたことのないものがいっぱいになってしまいますね・・・

エッチ本をあんな殺風景なところで見たって・・・

もしかすると不能だったのかしら・・・それで・・・あのキッチンでのシーンは「やっぱりダメね~」という台詞が隠されていたのかも(笑)



>charlotte様

ロードムービーはいいですよね。

俺も色んな映画が観たいです。

自宅で観てるとそれほどでもないんですけど、映画館だと旅してる空気に包まれるというかなんというか・・・



おじいちゃんのエピソードはホロリときました。

こういった人との出会いもロードムービーの醍醐味ですよね♪
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トミー・リー・ジョーンズ (bakabros)
2006-07-11 02:09:43
つかみ所のない感じ、頑固オヤジで自己中っぽい感じ、芯の通っている感じ、とにかく色んなトミー・リー・ジョーンズを体感する映画でした。

友達にするには多分苦手なタイプですが、役者さんとしては最高の俳優さんですね。
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トミー・リー (kossy)
2006-07-11 08:21:55
>bakabros様

俺も友達にはしたくないかなぁ~

でも上司だったら、あちこちにいそうな感じ。

日本でいうと団塊の世代よりもちょっと上の、戦前生まれの方々の雰囲気でしょうか・・・もう退職してるか・・・



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おはようございます! (伽羅)
2006-07-13 04:47:44
ご親切にTB返し&コメント、ありがとうございました!

こういう派手さはないけれど、奥深い作品って好みなんですよ。

観終わってあれこれ考えを巡らしたりして。

消耗品のような娯楽映画と違って、

後々もすごく記憶に残る作品ですよね。

トミー・リーおじさんって大好き(缶コーヒーのCMも好き♪)だし、

共演のバリー・ペッパーもイイ味出してて良かった!

DVDが出たら、絶対また観ます!!
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