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ウィンター・ソング

2006-11-13 18:23:37 | 映画2006
 ロックンロール・ウィドウ香港バージョンが楽しめる。

 「商業映画を作る気なの?」という台詞がずっと残ってしまうのですが、劇中映画はどうだったのでしょう。現在と過去、そして撮影中である映画がらせん状に絡まったストーリー。10年前の北京では、映画監督になるべく映画学校に通う金城武と女優を目指すジョウ・シュンの貧しいながらも幸せな恋人時代。突然去ってしまった彼女に再開するのは彼が俳優デビューを果たしてからだった。彼女は映画監督であるジャッキー・チュンと関係を続けていたが、男女の三角関係を描くミュージカル映画と同じように元彼が登場した形となった・・・

 映画でのヒロインは過去の記憶を失った女性でしたが、現実の世界でも記憶を失ってしまったかのように金城武を無視し続ける。ハリウッドからも声がかかるほどの女優になったので、それも演技なのか、本当に忘れてしまったのか、失った恋人に苦悩する金城とは対照的に描かれる。過去を思い出し眠れなくなったときにはホテルのプールで瞑想する・・・彼にとってはノイジーな歯軋りのほうが子守唄代わりになったのかもしれません。

 壮大な三角関係、三角時系列、そして、北京・香港・上海の三角地帯。この三角を打ち破り、過去の愛を取戻すに、金城武はジョウ・シュンを北京の愛の巣に連れて行くしかないと判断するのです。ともに男優、女優となって壮絶な騙し合い演技合戦がはじまり、急きょラストシーンの脚本を書き換えるというジャッキー・チュン監督も加わったおかげで息を飲んでしまうほど緊迫感あふれる市街空中ブランコのクライマックスへとなだれ込むのです。

 最後に酸拉麺を食べさせられた金城武でしたが、店員が見事に2人の男を見比べていました。彼にとってはジョウ・シュンと北京で食べたラーメンの味のほうが良かったのかもしれません。

★★★★・

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22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
劇中劇 (RIN)
2006-11-13 20:36:06
高評価くださって、ありがとうございます(涙)
天使役のチ・ジニさんがよくがんばってたと思います。
「PROMISE」ドンちゃんに続き、頑張ったで賞です。
ただ、金城くんがちゃんと食べ終わるまで見守っていてあげてほしかった
のですけど、リムジンでの金城くんの態度が、かなり気に入らなかったみたいです
私、結構好きなんですけどね、リムジンで嫌味いっぱい言うところ・・・
嫌味たっぷりにロックンロール・ウィドウも歌ってくれますし・・・。
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あ、 (RIN)
2006-11-13 20:37:07
タイトルとコメントがちぐはぐになりました。
「劇中劇」がどうだったのか、すごく気になります・・・
という意味です
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チ・ジニ (kossy)
2006-11-13 22:02:20
>RIN様
実は3点にしようか4点にしようか迷ったんです(汗)
終盤にちょっと下がってしまったんですけど、前半はとてもよかった。
劇中劇の結末は『蒲田行進曲』みたいに、実はこれも演技だったんだよ~って大団円になるのかと思ってしまいましたが、チュンが死んでしまって金城くんもそのまま去ってしまうのかな・・・
結局映画が最後までリンクしているような。断片を集めて天使さんに編集してもらわなくちゃいけないかも・・・です。
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あ!そうだったのか! (kisen)
2006-11-13 22:49:24
kossyさん、こんばんは。
なんか聞いたことのある歌だなあ、と思いながら思い出せずにいました。ありがとうございます。すっとしました。

さて、この物語、金城くんには合っていたとおもいますが、どうなんでしょう・・・。
男の人って、こんなに裏切られても裏切られても、まだ愛せるものなのですか?10年間も思い続けて眠れず、それでも「また出て行ってもいいからもう一度だけ・・・」って。そんなの純愛ですか?
新たな展開か?と思いきや、結局空港からも帰ってきちゃうし。

後半は監督までもが仲間入り。監督って、主演女優を食う(?)のはあたりまえじゃないんですか。まぁ、そうじゃない人もいるのかもしれませんが、ただ、主演女優にカリスマが感じられず、それほどに男を狂わすほどの魅力を感じられませんでした。
彼女は「始皇帝暗殺」の盲目の少女が一番ですね。

ま、このへんは男と女で感じ方が違ってくるのかもしれません。
天使はとってもよかったですね。
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いまさら (かめ)
2006-11-14 11:44:02
実は正月に北京で見てきましたが、いまいち。
画像も美しいし、中国語は日本語よりはミュージカルに向いてるので安心して見れるし、ちょっと前の中国に見せかけてるけど、実は今もあ~なんだよね~という風景とか、、イロイロ思うところありましたが、今いち。。

なんて思ってたのですが、kossyさんの解説を見て、もう一度見てみたら(DVDを買ってきたので。文句を言ってる割にw)なんか、、良かったですw
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ロックン・ロール・ウィドウ (あさこ)
2006-11-14 17:12:43
kossyさん、こんにちは。
「ロックン・ロール・ウィドウ」だったのか。
気づきませんでした。
金城くんの迫真の演技、よかったです。
ますます男前になっていて、特にファンでもないのですが
次回作が楽しみになってしまいました。
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ロックンロール・ウィドウ (kossy)
2006-11-14 21:14:33
>kisen様
カッコカッコカッコカッコとかいう歌詞でしたっけ?
なんだかバンドで演奏したことがあるような記憶があるのですが、かっこいい曲ですよね~
推測ですが、10年間想い続けるといっても、その間は多少なりとも恋をしたのでしょう。でも彼女に勝る相手はいなかった。
やっと過去を取戻したと思ったけど、アレレ復讐かよ!という意外な展開はアリだと思うのです。純愛というより、トラウマだったのかもしれませんよね(笑)
中国女優といえば、チャン・ツィイー。彼女を超えるわけにはいかないでしょうけど、かなり綺麗でした・・・


>かめ様
色んな伏線もあったりして、結構奥が深いのかもしれませんし、総合的にはそれほど悪くないかなぁ~といった感想なのですが、結局はミュージカルが好きかどうかで評価が分かれるような気がします。
中国を美化しているところもあるのかもしれませんが、香港と中国が早く馴染むようにとか、韓国俳優を使ったり、日本の歌を使ったりで、アジアの友好も感じられますよね。

>あさこ様
山口百恵の歌でしたよね~♪
あのシーンはなかなか良かったです。
金城くんは何ヶ国語もいけるし、そのうちハリウッド映画でも活躍するかもしれませんよね。
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アレレ復讐かよ・・・! (kisen)
2006-11-14 22:31:51
と思いきや、やっぱり彼女のもとへ帰ってきてませんでした?
金城くんは、どこかで復讐してました?
記憶力悪くてすみません。

多少の恋はしたけれども、彼女が一番・・・。なるほどね・・・。
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復讐・・・ (kossy)
2006-11-15 01:16:23
>kisen様
すみません。言葉足らずでした。
復讐と思わせておいて、どんでん返し・・・と書くとミもフタもないので、わけわからなくなってしまいました。
でも思い直して飛行場から戻るまでは、マジで置いてけぼりにしようとしていたんですよね。
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カッコカッコカッコ・・・。(笑) (Ageha)
2006-11-15 20:54:04
ず~っと忘れられなかった、でも
復讐したかった気持ちもあったんとちゃいますか?
最初の空中ブランコイミシンな顔してましたし。
でもラストの空中ブランコを眺めながら
あ、ホントに終わったんだって思う。

意外と男のほうがそういうとこ
オンナよりも未練タラタラなのかもしれませんね。

オンナはオンナで
今更どんな顔して戻れんねんってあって
そのくせゆれちゃって、
でも映画のラストでやっぱや~めたになるって
オノレはな~~~~っていう。(失礼)

ジャッキーチュンの劇中劇の演技が
もう胸にささってなんか迫ってくるもんがありました。
一度向こうへ行きかけた気持ちを
引き戻してしまうくらいの力があって。
その迫力が一番印象的だったかな・・・。

3人3様のカッコつけ。
一人はやっと恋に終止符を、
一人は自分の道をどこまでもゆく決意を、
そしてもうひとりはやっと撮りたい映画にかかる。
いや~面白かったです。満足でした。
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