男2人と女1人という設定は、どうしてこうも数多くドラマになるのだろう。
豪邸に忍び込み、家具・装飾品のレイアウトをメチャクチャに変え、盗みは一切行なわずにただ「金持ちに恐怖感を与える」ことで資本主義社会への抵抗を繰り返す。「ぜいたくは終わりだ。教育者より」というメッセージを残し、貧富の差の拡大や金持ち優遇政策の政府に対する革命意識を持つ二人の青年、これがヤン(ダニエル・ブリュール)とピーターの裏の顔なのだ。社会に何の疑問をも持たずに生きている若者よりは、理想を追い求める彼らの姿が新鮮に見えて共感を生むのです。彼らの怒りの矛先が間違っているんじゃないかと思える点を除いて・・・
ピーターの恋人ユールも社会に不満を持つ一人。ひょんなことから、ヤンとユールの2人だけで彼女が恨んでいる金持ちの家に忍び込むことになって・・・というスリリングな展開。ここまでくれば、ヨーロッパ的なクライムムービーの典型的コースを辿るかと思いきや、彼らには崇高な革命家としての自覚があるためか、誘拐や殺人のような犯罪を潔しとしない。意外なことに、『アルプスの少女ハイジ』に出てくるような山小屋でノスタルジーを感じるほどの回顧主義や、男女三角関係の葛藤を中心とした青春映画の趣を見せてくれる。
世の中に変革をもたらそうとする思想と、生活を守るためにその信念そのものが変化してしまう人生。自分たちは絶対にそうならないとつっぱろうとするが、大先輩の言葉に揺らいでしまう若者の心が手に取るようにわかるのです。しかし、大人は嘘つきだ。甘言によって騙され続ける搾取される側は、真実を見つめる力を持たなければ負けてしまう・・・と、若者たちはピンチに立たされた上に、自分たちの未熟な恋愛感情と嫉妬心によって崩れ落ちそうになるのです。後から考えてみると、ハーデンベルクというおっさんはどこからどこまで嘘をついていたのだろうかと想像するのも面白い映画だ。彼らも気づいていたのでしょう。それでラストの爽快などんでん返しに繋がったのかも。
エンドロールの巨大な通信アンテナが、彼らの意志が続いたことを表現していて、「面白い計画」がどんなものだったのかを想像するのも楽しい。
★★★★・
豪邸に忍び込み、家具・装飾品のレイアウトをメチャクチャに変え、盗みは一切行なわずにただ「金持ちに恐怖感を与える」ことで資本主義社会への抵抗を繰り返す。「ぜいたくは終わりだ。教育者より」というメッセージを残し、貧富の差の拡大や金持ち優遇政策の政府に対する革命意識を持つ二人の青年、これがヤン(ダニエル・ブリュール)とピーターの裏の顔なのだ。社会に何の疑問をも持たずに生きている若者よりは、理想を追い求める彼らの姿が新鮮に見えて共感を生むのです。彼らの怒りの矛先が間違っているんじゃないかと思える点を除いて・・・
ピーターの恋人ユールも社会に不満を持つ一人。ひょんなことから、ヤンとユールの2人だけで彼女が恨んでいる金持ちの家に忍び込むことになって・・・というスリリングな展開。ここまでくれば、ヨーロッパ的なクライムムービーの典型的コースを辿るかと思いきや、彼らには崇高な革命家としての自覚があるためか、誘拐や殺人のような犯罪を潔しとしない。意外なことに、『アルプスの少女ハイジ』に出てくるような山小屋でノスタルジーを感じるほどの回顧主義や、男女三角関係の葛藤を中心とした青春映画の趣を見せてくれる。
世の中に変革をもたらそうとする思想と、生活を守るためにその信念そのものが変化してしまう人生。自分たちは絶対にそうならないとつっぱろうとするが、大先輩の言葉に揺らいでしまう若者の心が手に取るようにわかるのです。しかし、大人は嘘つきだ。甘言によって騙され続ける搾取される側は、真実を見つめる力を持たなければ負けてしまう・・・と、若者たちはピンチに立たされた上に、自分たちの未熟な恋愛感情と嫉妬心によって崩れ落ちそうになるのです。後から考えてみると、ハーデンベルクというおっさんはどこからどこまで嘘をついていたのだろうかと想像するのも面白い映画だ。彼らも気づいていたのでしょう。それでラストの爽快などんでん返しに繋がったのかも。
エンドロールの巨大な通信アンテナが、彼らの意志が続いたことを表現していて、「面白い計画」がどんなものだったのかを想像するのも楽しい。
★★★★・
自宅だと集中力散漫で、顔を見られたシーンとか、ポリスに囲まれた緊張するシーンでも ドキドキできずにちょっと興ざめしちゃいました。やはり 映画館で楽しむほうがよいね。
分らなかったのは、何故 おじさんは電話したんだろうか。最大の疑問点でした。
いいエンディングでしたね~
イギリス映画あたりだと、あのまま射殺というパターンだったかもしれませんよね。
ドイツ映画って結構面白いけど、これからも楽しみです。
簡単ではありますが、Eric様のところにもコメントさせていただきました。
3人の若者の葛藤という構図と、彼らとおっさんの葛藤というダブルの構図が面白いですよね。
思います。
あまり革命というテーマは感じず、おっさん
と若者達との交流に興味を覚えました。
よければ一風変わっていると思われる当方
の感想も御覧下さい。
ヤンの持ってた見取り図に意味があるんじゃないかと、ずっと注視していました。
結局、伏線っぽい発見はエンドロールの背景だけ。
メルヘンチックで影絵のような色調になってただけあって、あれは夢で終わるんだろうな~と思うのですが、そうした夢を描くのも若者の特権…いいなぁ…
参考になりました。
他の記事も読ませていただきましたよ。
大変面白い記事ばかりなので、
もっと読ませていただきます。
ある程度の年齢より上の人(35歳以上?)は皆そうじゃないかと思います(笑)
中盤はおっさんに感情移入しやすいストーリーになってるし、「人生、そんなに甘いもんじゃないよ」と感じますもんね。
20代ニートの方が観たら、どんな感想を持つのか興味あるところです。
男性が観ると、自分の経験を思い出して、甘酸っぱいというか、切なくなるのでしょうかね…いい思い出にはならないだろうし…
>mimia様
したたかさ。
彼らは最初からしたたかだったのではなくて、あのハーデンベルク氏によって教えられたのではないでしょうか。
教えた本人も、簡単に捕まらないとわかっていたような雰囲気でもあったし。やはりラストの展開がにくい演出でしたよね。
なかなか打ち崩せないものなのでしょうか。
どちらがしたたかだったかって?
やっぱり最後のエンドロール、でしょうね(笑)