通訳ギャグとウンコギャグ。笑いすぎていると、様々な思いが込み上げてきて、いつしか感涙している自分に気づく・・・
刑務所の中が似合う男、高倉健である。網走番外地などの任侠もの映画ではもちろん、山田洋次監督に出会ってからも、いきなり刑務所帰りの男を演じていたくらいだ。すでに204本の映画に出演した彼は、そのうちいったい何本の映画で刑務所に入っていたのだろう。しかし、この映画ではある意味逆の立場。刑務所にいる男を訪問し、仮面劇“単騎、千里を走る”を演じてもらってビデオに撮ることが目的なのです。
三国志に登場する一場面、関羽にまつわる物語なのですけど、そんな知識は一切不要です(kossyも知りません)。要は、“仮面”をつけて演ずる男が仮面の下で違った感情を持っていることがサブテーマとなっていることです。高倉健演ずる高田は息子健一との長年の確執があり、双方とも仮面を被っているかのように腹を割って話し合うことができない。自分がそうした不器用な親子愛であったために、海を越え中国の親子に同じ失敗をせぬよう夢を託す物語となっています。
仮面劇の俳優リー・ジャーミンと息子のヤンヤン。このヤンヤンがごく普通の少年なのに素朴なところが魅力的。父が刑務所にいるため石頭村の村人たちに育てられて、自分の素直な感情も内に秘めたまま。しばらく行動をともにすると、健さんも自分の息子にオーバーラップしたのであろう。言葉の障壁を通り越して、自分と同じ轍を踏まないように心を伝える終盤のシーンにおいては見事な心理劇となっていました。
中国における反日デモのおかげで中国嫌いになった日本人も多いに違いないが、この映画を観る限り、また、中国におけるプレミア上映の大反響を考慮しても、極度の反日感情を持っている中国人はごく一部であることがわかると思います。家族愛はもちろん万国共通だし、何も考えずに敵国と決めつける人々の姿を思うと、我々の心の貧しさに対して悲しくなってきます。険悪ムードの日中両国をチャン・イーモウと高倉健の友情が救った!などと、未来において評価されるなんて素敵ですよね~
なんだかんだ言っても、お気に入りは通訳のチュー・リンと石頭村の村長だったりする。笑えますよ、この二人。
★★★★★
《追記》1月27日
公式サイトを読んでみると、インターネット時代では顔を合わせずにコミュニケーションをとることができることへの警鐘のような監督のコメントがありました。そういえば、ケータイ、ビデオ、デジカメなどを健さんが駆使していたけど、やはり面と向って会話しなければダメなんでしょうね・・・
kossyの別記事
刑務所の中が似合う男、高倉健である。網走番外地などの任侠もの映画ではもちろん、山田洋次監督に出会ってからも、いきなり刑務所帰りの男を演じていたくらいだ。すでに204本の映画に出演した彼は、そのうちいったい何本の映画で刑務所に入っていたのだろう。しかし、この映画ではある意味逆の立場。刑務所にいる男を訪問し、仮面劇“単騎、千里を走る”を演じてもらってビデオに撮ることが目的なのです。
三国志に登場する一場面、関羽にまつわる物語なのですけど、そんな知識は一切不要です(kossyも知りません)。要は、“仮面”をつけて演ずる男が仮面の下で違った感情を持っていることがサブテーマとなっていることです。高倉健演ずる高田は息子健一との長年の確執があり、双方とも仮面を被っているかのように腹を割って話し合うことができない。自分がそうした不器用な親子愛であったために、海を越え中国の親子に同じ失敗をせぬよう夢を託す物語となっています。
仮面劇の俳優リー・ジャーミンと息子のヤンヤン。このヤンヤンがごく普通の少年なのに素朴なところが魅力的。父が刑務所にいるため石頭村の村人たちに育てられて、自分の素直な感情も内に秘めたまま。しばらく行動をともにすると、健さんも自分の息子にオーバーラップしたのであろう。言葉の障壁を通り越して、自分と同じ轍を踏まないように心を伝える終盤のシーンにおいては見事な心理劇となっていました。
中国における反日デモのおかげで中国嫌いになった日本人も多いに違いないが、この映画を観る限り、また、中国におけるプレミア上映の大反響を考慮しても、極度の反日感情を持っている中国人はごく一部であることがわかると思います。家族愛はもちろん万国共通だし、何も考えずに敵国と決めつける人々の姿を思うと、我々の心の貧しさに対して悲しくなってきます。険悪ムードの日中両国をチャン・イーモウと高倉健の友情が救った!などと、未来において評価されるなんて素敵ですよね~
なんだかんだ言っても、お気に入りは通訳のチュー・リンと石頭村の村長だったりする。笑えますよ、この二人。
★★★★★
《追記》1月27日
公式サイトを読んでみると、インターネット時代では顔を合わせずにコミュニケーションをとることができることへの警鐘のような監督のコメントがありました。そういえば、ケータイ、ビデオ、デジカメなどを健さんが駆使していたけど、やはり面と向って会話しなければダメなんでしょうね・・・
kossyの別記事
高倉健・・・好きなんですよ。
“あなたに ほめられたくて”と言う、健さんの本からファンになったのですが。
若い時もバリバリの二枚目だったみたいですね。
コメント一番乗りみたいです。なんだか嬉しいぞ。
試写会の当選歴、今年は幸先いいスタートです。5割を超えています。
いいですよね~高倉健。
やっぱ「けんさん」といえば渡辺謙ではなく高倉健!
俺は平凡に『幸福の黄色いハンカチ』からのファンかもしれません。任侠ものは敢えて観てないのですが、健さんを語るんだったら、観ておいたほうがいいのかな・・先日のTVでの特集番組もよかったです。
おもしろいシーンもありつつ、いろいろ考えさせられたり、感動をもらうことができる良い映画だと思います。
わかりやすいストーリーでしたもんね。
高倉健だって一途な男だから、考えてることもよく伝わってきました。
これもリピートしたくなる映画ですねぇ・・・
あたしもまだまだ捨てたもんでないです。ちゃんと素直に感動して泣いてた。
なんってってヤンヤンに尽きます!
最初の漁港はうちんのとこか!と思ったのですが、残念。わざわざ加茂から男鹿まで舟持ってきたのかな~。
こういう映画にはムチャ弱い俺。
最初の刑務所のシーンで、李加民が仮面の下で泣いてるところでウルウルしはじめました。
海の岩場に波がざぶ~~んとなるところ。
東映へのオマージュかと思ってしまいました・・・男鹿だったのですね・・・
明日鑑賞予定です。朝から2本観る予定ですが、どちらも一昔前の私なら観なかったであろう作品です。
もう1つ観る予定の作品あるのですが、どうも地方って映画配給社の関係上同じ映画館での上映がないんですよね。
特に東映系シネコンの映画・・・駐車料金取られる立地条件最悪の場所にあります。
他のシネコンの映画館は無料なので助かっています。
楽しんできてくださいね♪
できれば、余韻の残るこの映画を2本目にしたほうがいいのかもしれませんね。
俺は『最終兵器彼女』にチャレンジです。
余裕があれば『B型の彼氏』にも・・・彼女と彼氏か・・妙な組み合わせだなぁ。
★2つでした。
日中の父子より韓国の母子の愛情表現のほうが好きでした。黙っていては 分らないと思いました。
おお!鋭い!2本目に鑑賞してきました。
三国志を熟知している私にとってはタイトルの由縁は理解していたので、タイトルや人情にも疑問点は少なかったです。
これより1本目の血液分析に着手します。